任天堂スイッチ版エルネア王国プレイ日記です。
朝から試合を申し込まれたので返り討ちにしておく。
ジェレマイア
「リリー大丈夫?怪我の具合がよくないの?」
ジェレマイアにも、瘴気の話はしていない。
具合が悪いのは傷口の治りが遅いせいにしていた。
リリー「大丈夫だよ。ありがとね、ジェレマイア」
いつまでも寝ているわけにもいかなかった。
さすがに騎士隊の隊長、現龍騎士が寝込んでいると国民に不安が広がった。
リリー自身、それを肌で感じるようになった。
瘴気の森やカルネ遺跡、リリーはなるべくダンジョンに向かうようにした。
リリーが探索する姿をみれば皆が安心する。
別の日。
ドルム山にやってきた。
バーニーやバルナバが帰らずの洞窟にいるのを確認して、魔人の洞窟の前まできた。
バーニスちゃんとか山岳兵と入りたいけれど..
流石に一人では敵の数が多い時は厳しい。
どうしようかと思案していると、背後から声をかけられた。
「あれ?リリーさん、体調はよくなったの?」
最近この人はあの人とセットなことが多いからリリーはなるべくこの人に会いたくなかった。
妹ユズの夫、義弟のバーニー・コルテスがリリーに声をかけてくれていた。その隣には予想通り、バルナバ・マルチネスもいた。
「あー..うん、まあね」
リリーのなんだか歯切れの悪い返事にバーニーたちは怪訝そうな顔をした。
自分たちへの態度も前とはなんだか違う..
バルナバ「リリーちゃん、魔人の洞窟に行くつもりだったの?」
リリー「どうしようか、考えてたところ..」
リリーは俯きながら答えた。
リリー「......せっかくだけど...今日はやめておく。誘ってくれたのにごめんね、またね」
リリーは早足でその場をあとにした。
バーニーたちは呆気にとられてリリーの後ろ姿を見送った。
バーニー「なんか嫌われるようなことでもしたかな?」
バルナバ「うーん..」
バーニー「バルナバさんがリリーさんの手を握るからだよ。スケベだと思われてるじゃ?」
バルナバ「あ、あれは...深い意味はなくて!あれくらいでスケベって..」
バーニー「あれくらい?俺前から思ってましたけど、バルナバさんって結構手が早い気がする」
バーニーはエルネア杯の前の酒場でのことを思い出している。
あの時もリリーの手をひいて酒場から出ていった。
バルナバ「リリーちゃんは幼馴染だし、妹みたいにしか思ってないよ」
バーニー(リリーさんが今のセリフ聞いたら多分ショック受けるだろうな..)
「リリーさんは俺の義理のお姉さんになりますから、手だしたら俺が許しませんから」
バルナバ「...随分リリーちゃんにご執心だね」
バーニー「愛するユズのお姉さんだから。ダンジョンで世話になってるし」
バーニーは笑顔で答えた。
バーニーが短期間でここまで実力をつけたのはリリーの支援あったからこそ。バーニーはリリーに感謝していた。
バーニーとユズの夫婦はダンジョン以外はよく一緒にいてとても仲が良い。
バーニーの両親が早くに亡くなったこともあって夫婦の絆が深いのかもしれない。
バーニー
「...本当に、どうしちゃったんだろう」
ついこの前、自分のことを酒場に誘ってくれたのに。あの時のリリーとなんだか別人みたいだった。
なにかに思い悩み、なにかに怯えたような。
夜3刻
みんながぐっすりと眠っている時間に酒場に現れる者がいた。
普段着用している鎧をはずして軽装でリリーは酒場の席についた。
リリーは大きなため息をついて、グラスの酒を飲み干した。
この時間なら、飲んでる人たちもいない。
いたとしても帰る頃。
リリーはグラスにお酒を注ぎ、グラスをしばらく見つめていた。
アドルファスが危篤の時。
ルクレーシャが訪ねてきた。
アドルファスが外出できないから彼女が代わりに呼びにきてくれた。
ルクレーシャとまともに話したのは初めてだった。
リリーが想像していたルクレーシャとは違かった。
彼女は礼儀正しく、人を想いやる人だった。
そんな彼女の夫のバルナバに、自分は好意を抱いてしまった。
正確にいうと、昔の好きな気持ちを思い出してしまった、のかもしれない。
自分の気持ちがコントロールできない。
ルクレーシャと話をしたことで、リリーのなかで罪悪感が大きくなりすぎてしまった。
乗り越えたとおもったのに
閉じ込めてたはずなのに
必死で閉じこめたあの人への気持ちが溢れ出す..
「騎士隊長さん、これどうぞ」
目の前にグラスが置かれる。
ウィアラ
「珍しいお酒なの。ずっと東にある国のお酒でキャラバンで買ったんどけど、良かったらどうぞ」
リリー「ありがとうございます」
飲んでみると甘くてこの国のお酒とは違う味がした。
すごく美味しい。
リリー「美味しいですねーなんていうお酒なんですか?」
ウィアラ「旅する氷結って書いてあるわ」
リリー「旅する氷結?」
ウィアラ「ヴェネチアのちょっと大人はバーで出会ったベリーニを氷結流にアレンジ。桃の甘い香りとフルーティな味わいに、思わず初恋の人を思い出す?! 」
ウィアラがお酒の説明文らしきものを読み上げた。
意味が分からないところが多かったが..ヴェネチアってどこなんだ
「リリーちゃん覚えてる?小さい頃、お友達とここに遊びにきてくれたこと」
「よくヨーズアたちときましたね」
「可愛かったわ、特にリリーちゃんとバルナバ君が...」
リリーの身体が固くなった。
「..そうですか..」
「本当に仲が良かったわね。リリーちゃんが成人してから..しばらく交流がなかったみたいだけど今はよく一緒にお酒飲んでるしそれ見てすごく安心したわ」
「....本当は一緒にいない方がよかったんだと思う」
リリーはポツリといった。
「リリーちゃんは本当に真面目ね。深く考えすぎよ。周りをみてみて。みんな結婚後も異性と探索もしてるし、採取や釣りをしてるじゃない。ジェレマイア君もよく女の人と..」
「ジェレマイアが?」
「..ジェレマイア君モテるのよね。彼も仕方なく付き合ってる感じだけど」
ウィアラは慌てて最後のほうの言葉を付け足しているようだった。
「そうなんですか..」
騎士隊に入って、実力ナンバー2か3。それにあのルックスだとモテるか...。
「このお酒は、初恋の人のことを想って飲むお酒なの。....無理して忘れようとしなくていいんじゃない?
忘れようと思って苦しむほど、辛くなって忘れられなくなるものよ。
なるようにしかならないんだから」
「..........」
「今のリリーちゃんの望みななに?」
望み?
私の望み?
酒場のドアが開いた。
「こんばんはー!」
明るい声が酒場に響いた。
山岳兵団隊長の一人、バーニス・ミラーが笑顔を浮かべてやってきた。
バーニス「ウィアラさん、例のお酒あります?」
ウィアラ「ええ、あるわよ。リリーちゃんにも飲ませてるわ」
バーニス「リリーここいいかな?」
リリーは頷いた。
「もちろんだよ。一緒に飲もう」
バーニスはリリーの向かい側に座った。
ウィアラがバーニスにお酒を持ってきた。リリーと同じ旅する氷結だった。
このお酒は初恋の人を想って飲むお酒..
リリーは飲みながらバーニスみた。
バーニスちゃんがこのお酒を飲む理由...
「リリー。元山岳兵の人に聞いたんだけど..エルネア杯がはじまる前酒場で、バルナバの話聞いちゃったんだって?」
「えっ..」
突然切り出しれた話題に、リリーは動揺した。まさにその人について思い悩んでいるところなのに。
「私最近まで全然知らなくて...リリーが昔バルナバのこと好きだったことは知ってたけど」
「えー?!」
否定しようと思っていたが思わず驚いてしまった。
「バルナバに彼女できた時のリリー、落ち込んでみてられなかった..差し入れとかしたらリリーすごく喜んでくれたね」
「それは覚えてる..」
ものすごくタイミングよかったけど..
知ってたんだ..
バーニスちゃん、まだ二歳だったのに。
バーニスはぷんぷん怒ってる。
「まさか私がいるとは思ってなかったんだよ」
「...リリーは、今もバルナバのこと好きなの?」
バーニスの質問に、リリーは黙った。
否定しないということは肯定と同じことだが、言葉を発することができなかった。
リリーが黙っているのでバーニスが口を開けた。
「バーニーから聞いたよ。この前具合が悪いリリーをXさんの自宅で寝かせたって。その時付き添ったバルナバがリリーの手を握って寝てたって。バルナバはリリーのこと忘れられないんだね」
「......結婚もして、子供もいるのに...バカだよね...忘れなきゃいけないって思ってるのに...」
他の誰にも言えなかった、バルナバとの話。
自分の弱いところ。
「あのね...山岳兵にはよくある話なんどけど..」
「?」
「昔のとある山岳兵の話ね。その女の人は山岳兵の長子だから隊長になる人だったの。その人には小さい頃から好きな人がいた..相手は同じ山岳兵団の次期隊長になる男の人。」
「山岳兵同士って結婚できなかったような?」
「そう。相手がもし国民なら、隊長の立場を兄弟に譲渡して結婚できるけど、山岳兵同士は結婚できないの。だから諦めるしかなかった」
「....」
「女の人は隊長の座から降りることも考えたみたい。このままだと山岳兵のトーナメントもあるし、同じ村で住んで、同じ場所で顔を合わせるのは辛いから。男の人は二歳年上で女の人が成人した時には男の人に恋人も出来て、完全に失恋してしまったの」
「それでその女の人は、どうしたの?」
「女の人は悩んだ末に..隊長でいることにした。しばらくはずっと独身でだったそうよ。
ある時、女の人は気づいたの。私はなにが望みなのかな?私が望むことってなにかな。
男の人の笑顔を見せてくれた時に思ったの。
君の笑顔がみたいって。近くで笑顔が見れるならもういいじゃないか。よき仲間、ライバルの関係って普通はなかなか味わえない特別なものだもの。
だから私は隊長を続けることに..」
リリーは目をぱちくりさせた。
「え?今のってバーニスちゃんの話だったの?」
「え?!ち、違うよ!私じゃないよー!」
バーニスちゃんは狼狽した。
「ちょっとまって..バーニスちゃんの二歳年上の男の人って..」
山岳兵団の隊長は基本長子のみ。考えれば相手はすぐに分かってしまう。
バーニスちゃんは197年生まれ。
195年生まれはユズと同じ..バーニーだ。
リリーは最近バーニーとバーニスちゃんが歩いているところを見かける。仲がいいとは思っていたが...
「...バーニー..アイツはバーニスちゃんの気持ち知ってるの?」
バーニスは両手で顔を覆った。自分に失言に後悔してなにかブツブツ言っている。
「......バーニーは鈍感だもん。気づいてないよ。ユズさんと付き合いだしてからはユズさんしか見えてないし」
バーニスは、グラスを両手でしっかりと掴みながら口を尖らせた。
「罪深い男だ..」
バーニーよ...
「そうとは知らず..二人をセットにダンジョンに連日連れ出しちゃってごめんね..」
バーニーもバーニスも育てたいキャラだった。
二人同時に連れていけるときは優先して二人を連れていった。一緒に鍛るほうが手取り早いし好都合だったから。
まさかバーニスちゃんにそんな理由があるとはつゆ知らず..
休日なんて朝2刻から夜2刻までダンジョンにこもらせたこともある。
国民はそれを騎士隊長の地獄の特訓と呼んでいる。
「むしろそれは有難いよ。バーニーと一緒に強くなれるんだもの」
バーニスは笑顔になった。
リリー(バーニスちゃん、やっぱり可愛いなぁ)
「バーニスは、バーニーのこと今でも好きなの?」
さっき自分がされた質問と同じような質問を投げかけてみた。
「うーん、多分今でも大好きよ。でもね、好きな人から、仲間とか、ライバルとか色んな関係がプラスされていってね..彼は私の人生そのものかなって思うようになったの。一言でいい表せない、大切な人」
あぁ。
バーニスちゃん、あなたって人は。
私よりずっと年下なのに、私よりも早く答えに辿りついたんだ。
苦しむ私にそれを伝えにきてくれたんだ
リリー
「それでも苦しい時はないの?」
バーニス「あるよ。ユズさんとラヴラヴなところみちゃってイラってすることはある。ジェフに甘えて慰めてもらったりもするけど..」
グラスを持ち上げ、バーニスはにやっと笑った
「やっぱりお酒を飲むに限るね。嫌なこと忘れて明日も頑張ろう!って思えるの」
リリー「そっか.....そうだよね...」
バーニス「あんまり時間ないけど、お酒じゃんじゃん飲もう」
リリー「ウィアラさん、このお酒まだあります?二人分追加でー!」
ウィアラ「二人ともあんまり飲みすぎないでね」
「はーい」
二人は機嫌よく返事をした。
バーニス「ジェフのことも大好きだからね?一応言っとくけど」
ジェフとは旦那さんのことだ。
リリー「はいはい」
バーニス「ほんとだからね?!」
リリーとバーニスはこの日、お互いに心からの親友と思えるようになった。
楽しい夜は更けていった。
ちなみに
リリー「エルネア杯の前にあった事の話誰から聞いたの?バーニー?」
バーニス「元山岳兵、サガモア」
リリー「あぁ、サガモアくんかぁ...」
設定で、あの酒場の席にいた中のメンバーは
バーニー、サガモアとあと数人となっています。
旅する氷結
見かけたら飲んでみてください。
私はいまだに飲めてません...
いつも目の前にあるんですが、
夜中に一人でゆっくり飲もうと思ってるんだけど寝てしまいます..