*Meals inspired by TV Shows*
「古畑任三郎」は、これまで見てきた刑事物の中では、多分「刑事コロンボ」と並んで、一、二位を争う大好きなドラマです。
どこがそんなに好きなのか、と問われれば、「殺人事件でありながらコミカルで後味が悪くないところ」、そしてもう一つは、「古畑任三郎の意外に食い意地が張っているところ」と答えるでしょうか。
田村正和氏の訃報のニュースを聞いて、氏のご冥福を祈りつつ、数年振りにDVDを引っ張り出して来て観てみました。
食事のシーンがはっきりと映ることはあまりありませんが、見ていたら茶碗蒸しやら、とんかつの和風あんかけやら、スタミナ酢豚弁当やら、タイヤキやら、ピーマンの肉詰めやら…色々食べたくなって困りました(笑)。
そうしてたまたま出かけた日本のスーパーマーケットで、これもたまたま売っていた「日本風ピーマン」!!
こちらで普通のスーパーで手に入る緑のピーマン(Green Bell Pepper、グリーン・ベル・ペッパー)は日本で呼ぶところの「パプリカ」のグリーンバージョンで、大きくて(>私の握りこぶし)肉厚。
アメリカに来たばかりの頃、日本でよく食べていた「ピーマンの肉詰め」が懐かしくなってこのベルペッパーで作ってみたこともあったのですが、大きさはもちろん質感も(柔らかすぎ)味も(香りも苦味も薄い)食べたい味には程遠く、全く作らなくなっていました。
LAに越して来て迎えた初めての夏、日本のスーパーで「日本風ピーマン」を見つけた時の嬉しかったこと!
(でも、これもいつも売っている訳ではなく、夏になると時々店頭に並ぶことがある、という頻度です。)
早速買い込んで肉詰めにしたのですが、この時のピーマンも、香りと味がこちらのベルペッパー寄りで物足りなくて…以来見かけてもあまり買わなくなっていました。
でも今回は「古畑」を見たばかりで、食べたさが募っていたので買ってみることに。
ちょっと小さめで、日本では規格外にされてお店には並ばないだろうなぁという、直径5cmあるかないかくらいの物も混ざった4個入りでしたが…。
*Stuffed Bell Pepper with Ground Pork Seasoned with Miso
味も香りも、日本のピーマン!でした。
母から受け継いだ私の肉詰めは、豚ひき肉にお味噌のみで味をつけたものを半割にしてヘタを取ったピーマンに詰め、油を引いたフライパンで蓋をしてゆっくり焼くだけです。
十数年ぶりの懐かしい味に、大げさでなく涙が出そうでした(コロナのせいで里心ついちゃってるかなぁ)。
*Stuffed Bell Pepper, Fried Horse Mackerel with Potato Salad, And Boiled Asparagus & Steamed Eggplant with Grated Daikon Root & Ginger in Dashi-Soy Sauce
この日は和風に、他にはアジのフライとポテトサラダ、大根おろしとしょうがを添えたナスとアスパラガスのおひたしでした。
こちらの緑のベルペッパーはあまり好きではない夫銀之丞も、この肉詰めは気に入ったようで一口ごとに「オイシー」を連発してくれました。
ちなみに、「古畑任三郎」で今泉巡査がピーマンの肉詰めを作る(と言うか、作ろうとする)のは、第2シーズン、加藤治子氏が犯人役を演じた「偽善の報酬」です。
(この回で出て来るセリフ「便利なおでこ〜」は、ゆで卵を割ろうとするたびに思い出してしまいます^^。)
余談ですがこの今泉、最初の頃は「変なヤツ」と思っていたのに、見返す毎に段々とかわいく、愛おしくさえ思えて来たのは…トシのせいでしょうか?
さてもう一品、こちらは先月から始まったドラマに触発されて、初めて作ってみた料理です。
*Navarin d'Agneau
西島秀俊主演の「シェフは名探偵」(ナカナカ昭和なタイトルだなぁ、と思うのは私だけ?)の1話目に出て来た料理です。
このドラマ、原作が私が以前から好きで読んでいたフレンチビストロを舞台とした小説、「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」「マカロンはマカロン」なんです(近藤史恵著)。
本の端から端まで、美味しそうなフランス料理が ビッシリ(笑)。
でも、ドラマの冒頭部分で出て来た、この「ナヴァラン・ダニョー」には聞き覚えがなく…原作にはなかったのかな?…ざっと読んで探したんですが見つかりませんでした。
辛うじて「アニョー=仔羊」とだけは知っていたので「仔羊のナントカ」だと言うことは分かったのものの、お料理そのものの映像はなかったので気になって気になって。
調べたところ「ナヴァラン・ダニョー」とは、つまりは「野菜(カブは欠かせないらしい)と仔羊のトマト煮込み」のことで、レストランでサーブされることはあまりない、代表的なフランスの家庭料理なのだそうです。
じゃがいもや人参が入るところはまるで日本の肉じゃがみたい、と思ったのですが…。
*Navarin d'Agneau with couscous
こう盛ると肉じゃがと言うよりカレーライスそっくりですね。
あ、添えたのはライスじゃなくてクスクスなんですけどね。
作り方は、ビーフシチューやオックステールシチューと殆ど同じでした。
大きめに切って塩胡椒した仔羊の肉(私は肩肉ともも肉を使いました)を色よく焼き付けたら、ミルポワ、トマトペースト、小麦粉を加えて炒め、ブーケガルニ、赤ワインと水(私はビーフストックを使いました)、缶詰のトマトを加えて肉が柔らかくなるまでオーブンで1時間半程煮て。
本当はここでじゃがいもやカブなどの野菜を加え、火が通ったら出来上がり!らしいのですが、私はこの日は、家庭風と言うよりレストラン風のを食べたかったので…。
お肉を取り出して、煮汁とミルポワを一度漉してから(右腕が痛くなりましたけど)、お肉と一緒に鍋に戻し。
まずじゃがいもを、次に時間差でカブを加えて柔らかく火が通ったところで、塩、胡椒で味を整え、夫の好きなグリンピース(冷凍のです)を最後に加えました。
こういう煮込みは翌日の方が、ソースの味は落ち着いておいしいですね(じゃがいもはしまっちゃうし、カブは柔らかくなっちゃいますけど)。
*Navarin d'Agneau with couscous and Caeser Salad
ウン、クスクスはこうして丸く盛った方が映えるかな?
「名探偵」と言っても、このビストロ「パ・マル」(仏語で「悪くない」の意)の三船シェフは、刑事事件の解決に乗り出したりする訳ではありません。
店にやって来るお客さん同士が交わす会話や、従業員とのやりとりの中の小さな謎——例えば…。
極端な偏食で、レストランでは少しでも気に入らないと料理を突っ返す男性が、妻の下手な料理を文句も言わずに食べているのはどうしてか、とか。
おいしいと評判のフランスのおばあちゃん手作りのヴァンショー(ホットワイン)を、娘婿が飲まずに窓から捨てていたのはどうしてか、とか。
お店ではブルーベリータルトを出していないのに、お客に立て続けに「今日はブルーベリータルトはないんですか?」と訊かれたのはどうしてか、とか。
そんな小さな「ハテ?」に、話を聞いただけで答えを出してしまうのがシェフ・ミフネ、なのです、が…。
原作では、無口で無愛想でぶっきらぼう、フランスでの修行時代も名前のせいでサムライの子孫だと思われて恐れられ、見習いいじめにも会わずに済んだ、という強者(?)です。
私も「素浪人」とか「野武士」とかのイメージで読んでいたのですが、ドラマの西島氏演じるシェフは、始終にこやかで穏やかで柔らか、親切が過ぎてちょっとお節介なところもある、という愛されキャラ(?)になっていました。
原作は、最後に謎が解けても「スッキリした〜」と言うよりは、どちらかと言うと「ああ、そういうことだったの…
」と後味に苦さの残るようなストーリーが多いので、シェフの人柄も手伝って(?)明るく終わるドラマは、安心して楽しめる作りになっていていいなぁ、と感じました。
カリフォルニア州では昨日付けで、コロナの感染対策の規制が大幅に緩和されました。
ワクチンを接種した人は原則としてマスクの着用は不要!(公共交通機関や病院、学校等では引き続き着用が義務だそうです。)
今日郵便局へ行って来ましたが、局員も、他に来ていたお客さんも、マスクをしていました。
私も念のためにマスクを着けて行きましたが…実はマスクを着けるとお化粧をしなくて済むので、外出の準備がすごーくラクなんですよね^^;。
来週は一年4ヶ月振りで、レストランに食事に行く予定が入っています。
久々にドレスアップしての外食!
おいしい記事が書けるといいのですが♡
皆様も引き続き、どうぞお気をつけてお過ごし下さい。