ハチドリ親子のサクセスと未来に☆—シーフードチャウダーと生ハムといちじくのサラダ | COCOのおいしい話

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*Seafood Chowder & Prosciutto Fig Salad*

5月19日の記事(→「五月礼讃—銀之丞のベリーワッフルと、帰って来た?◯◯」)からお送りしております「ハチドリ観察記」(そんな名前はつけてませんでしたけど)。

前回アップした6月8日付け(カリフォルニアでは7日でした)の記事で、巣立ちの日はそう遠くないかも、と書きましたが。

遠くなかったどころか、その日はあまりにも早くやって来ました。


8日の日曜日の朝。

そろそろお別れの日も近いようだし、パパラッチ(夫と私)の存在にも慣れて来たんじゃないかナ…、と部屋の窓からではなく、庭に出てパチリ。


ハチドリ兄弟1


ジューン・グルーム(Gloomは「陰鬱」、Groomだと「花婿」です。^^)の白い朝でした。


ハチドリ兄弟2


特に年長の方の雛—姉がいる私は何となく「お姉ちゃん」だと思い、兄がいる銀之丞は「お兄ちゃん(Big Brother)」だと思っているみたいです—は、もう飛びたくてウズウズしているようにも見えます。


ハチドリ兄弟3


翼も伸び、くちばしにはまだ赤味が残るものの、大分大人っぽい顔つきに。

…かと思うと。

同日午後の写真です。


ハチドリ兄弟4


こうしてぷくっと膨らんでママ(パパかも?)を待っている姿は、まだまだあどけなくも見えます。

大きくなった雛2羽を養うの、大変そうですね。


ハチドリ兄弟5


「も~、早く巣立ってくれないかしら?」と思ったりするのでしょうか?

それとも「このコ達をお腹一杯にしてあげなきゃ」という一念のみなのかしら…?


ハチドリ兄弟6


母さん(父さん?)鳥の背中が、少し小さく疲れて見えるのは私の気のせいでしょうか…?


この日は夕方から出掛ける予定だったので、その前に…と庭に出て様子を見ていました。


ハチドリ兄弟8


兄(か姉)雛の方が、ひっきりなしに伸び上がってはキョロキョロして、落ち着きがありません。


ハチドリ兄弟7


ああ、本当にそろそろ行っちゃうんだな…と思ったその次の瞬間。

ぶるるるん、と私の耳元で羽音が!

エッ!?と思って巣を見ると!


ハチドリ兄弟9


一羽しかいない!!

とっ、翔んだ~!?

じっと空の一点を見つめる、一羽残された弟(か妹)。


ハチドリ兄弟9α


彼(か彼女)の視線の先の、この木のどこかに止まっているのかもしれないと思って私も目を凝らしてみたのですが、見えませんでした(少なくとも私には)。

夜、もしかして雛が戻って来てないかな…と思って何度か見てみたのですが、そんな様子はなく…。

きっと親鳥と一緒に、どこか近くの木の枝に止まっていたのでしょう。


翌9日、月曜日の朝。

弟(か妹)雛、元気そうです。


ハチドリ弟1


一羽で夜寒くなかったかな?


ハチドリ弟2


「ヨ~シ、そろそろアタシも…。」と思ってる?

いやいや…。


ハチドリ弟3


「ゴハンを独り占め、嬉しいな♬」かな…?


ハチドリ弟4


お母さん(お父さん)、もう一息です、頑張って!

兄(か姉)雛の方は、しょっちゅう巣の外に出ては羽ばたきの練習をしてたのですが…。


ハチドリ弟5


このコはどてっと座ってるだけみたい…大丈夫なのかな?

ウン、だんだん心の準備は出来て来たみたい…?


ハチドリ弟6


I can do it!」と唱えてるのかな?


ハチドリ弟7


と、ここまで写真を撮って、どうやら今日はまだ巣立たないみたい…と、私は夕食の準備を始めました。

夫が帰って来て様子を見た時は、雛はまだ巣の中にいたんです。

でも、夕食に下りて来た夫がチョイと巣を覗いて見ると。

「巣、空っぽだよ! 行っちゃったんだ!!」

「エーッ?!」


ハチドリ、空の巣


役目を終えた巣は、よく見るともうボロボロでした。

よく今まで2羽の雛を支えていられたなぁ…と思うと胸に例えようのない感動が…。

いえ、それよりも。

誰に教えられたわけでもないのに、あの小さな体で巣材を集め、雛をちゃんと守り育てるだけの家を自分の力だけで作り上げ、2羽をきちんと巣立たせた親鳥のたくましさに、感じ入ってしまいました。

やっぱり不思議で素晴らしい…。


「よかったなぁ、無事2羽とも巣立って。」

「でも、思ったより早かったねぇ、あっと言う間だったじゃん…。」

と、夫も私もちょっとボーゼンとしながら夕飯を食べました。

今回はトリ肉料理ではなくて(笑)、サフラン風味のシーフードチャウダーと生ハムといちじくのサラダです。


魚介のチャウダー、ディナー


取りあえず、白ワイン(カリフォルニア産フュメ・ブラン)で。

「ハチドリ親子のサクセスと未来に乾杯~!!☆」


魚介のチャウダー、チャウダーアップ
*Seafood Chowder with Saffron (Bay Scallop, Clam, Shrimp and Carrot, Celery & Onion)

2人分として、小鍋にクラムジュース(瓶売りのハマグリ等のだし汁、なければ魚のだし汁か水でも)250ccとエビの殻を入れて温め、エビ、小柱、ハマグリをそれぞれ入れて半生状態にゆで、取り出します。

このゆで汁にあればサフランひとつまみを入れておきます。

別の鍋にオリーブオイルを熱し、薄切りの長玉ねぎ(長ねぎの根元が若干玉ねぎのように球形になっていて甘いんですが、もちろん玉ねぎか長ねぎでも)と、拍子木切りにしたセロリ、人参を炒め、しんなりしたら小麦粉大さじ1を振り入れて更に炒めます。

ここに、サフラン入り魚介のゆで汁を濾して加え、よく混ぜます。

とろみの加減を見ながら牛乳と、好みで生クリーム少々を加えて沸騰させないように温め、塩、胡椒で味を整えます。

取っておいたエビ、小柱、ハマグリ(貝殻は一枚外しておくと食べやすいです)を入れて火を通しすぎないように温め、もう一度味を見て、出来上りです。

魚介の出汁とサフラン風味のスープがおいしくて、ついパンを沢山食べてしまいました。

もう一品は生ハムといちじく、きゅうり、ミックスグリーンのサラダ。


魚介のチャウダー、生ハムといちじくのサラダ
*Salad of Cucumber, Fig, Mixed Greens & Prosciutto

ミックスグリーンときゅうりは赤ワイン酢とマスタード、オリーブオイルベースのドレッシングで和えてお皿に盛り、その上に切ったいちじくを並べ、生ハムをのせました。

いちじくのあるかなきかの酸味が生ハムによく合う、ということを知ったのは、確か向田邦子氏のエッセイでだったと思います。


食べながらの話題は、やはりハチドリ親子のことに終始しました。

前回見た時は2羽の親鳥が交互に世話をしていたのに、今回は1羽だけ…そういうこともあるんだねぇ。

こんなに人間の住処の近くに巣を作ったのは、返ってその方がカラスとかの天敵が近寄らなくていいからかな?

「ここの人間達は煩わしいけど無害だ」って思ったんでしょうね…。

庭に巣を見つけたのが5月17日だったから、卵を抱き始めてから…24日間。

早いねえ。

毎日、びっくりするぐらい大きくなってたもんねぇ。

2羽とも無事巣立ってよかったね。

よかったね…。

庭に蜜の多い花をもっと植えようか…。

「ハミングバード・ミックス」って種、売ってたよね?

そうそう、それ、植えよう…。


ハチドリ母子図


400枚近く撮った中の、一番のお気に入りです。


「前略、我が小さな隣人サマへ

怪しく窓に貼り付いてパパラッチしてごめんなさい。

どうもありがとう。

どうか元気で。

また庭先で会えるのを楽しみにしています。

あなたの大きな隣人より」





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