…時代遅れもいいとこなフレーズををパロってしまいましたが(分かる人、いるかな…?)。

タイトルの台詞が、一口味わった後の感想でした。
三月三日の日曜日。
「『ガールズデー』だから、何でもココの好きなものを作るよ。」と言う銀之丞のありがたい申し出に、微塵の遠慮も斟酌もなくリクエストして作ってもらったのは。
*Gin's Onion Gratin Soup
オニオングラタンスープでした。
そう、先日「ボッテガ・ルイ」であまりにも残念な「オニオン・グラティネ」を食べて以来、欲求不満の炎がずっと胸(腹かな?)の中に燻り続けていたのです。
こちらはその残念だったグラティネ。
*Onion Gratinée from Bottega Louie
チーズはバリバリに焦げていて、このスープボールの形にがばっとはがれて来ましたし、スープの味は玉ねぎの甘味など殆ど感じられないところに塩味がきつ過ぎて…。
また写真を持って来るあたり、相当恨んでいる…?(笑)
いえ、オーダーした私が悪かったんです。
子供の頃に石井好子氏のエッセイで読んで以来憧れていた「グラティネ」、又は「オニオングラタンスープ」。
レストランのメニューにあると喜んで注文し、「こんなものかナ?」と思いつつもそれなりに楽しんでいたのですが。
銀之丞が作ってくれたものを飲んでからこの方、お店の味で満足出来たためしはないのですから。
一さじ口にした途端、舌に広がる甘さとコク…!
スープをたっぷり吸い込んだクルトンをすくい上げてはとろけたチーズをからめ、フーフー、ヤケドしないように注意しながら口に運ぶシアワセ。
「オニオングラタンスープは『ズバリ、こうでしょう!』」b(>∇<)☆
いえ、実はこれもちょっと焼き過ぎて、チーズが溶け過ぎている感があるんですが、これはサラダを盛り付けるのにモタモタしていた私のせいです。(^∇^;)\
スープの他は、「何か軽いチキン料理がいいな」と言う夫の希望を入れてチキンサラダを作ったのでした。
サラダと、シャンパンにもラズベリーを浮かべて乾杯!
オニオングラタンは、スイートオニオン(マウイ産が有名ですね)をじっくり、でもあまり弱すぎない火で炒め、糖分が出て来て鍋にこびりつきはじめたら、シェリー酒をほんのちょっとずつ垂らしてこのキャラメライズした部分をこそげ落としながら、全体が色付くまで更に炒めて行くのが銀之丞のやり方です。
毎年12月、冬休みにDCから姉が遊びに来ると、いつも3人で交代しながら玉ねぎを炒めて作るのが恒例になっているこのスープ。
いや、一昨年は姉が「きよしとこの夜」に夢中になっていたため、私が彼女の分も炒めたんだったナ…(この時のエピソードとスープのレシピはこちらに。→「みんなで作る…はずの、クリスマスイブのオニオングラタンスープ」)。
去年は姉と私が急遽日本に帰る事になって味わえずじまいだったので、ずーっと食べたいと思っていたのが、これでやっと気が済みました。
サラダの鶏肉は、今日はチーズたっぷりのスープに合わせるので小さめの胸肉で。
*Chicken Salad with Celery, Cucumber, Radish & Raspberry with Raspberry Dressing
ドレッシングは赤ワイン酢とオリーブオイルをベースにお砂糖をホンの少々と、マスタード、塩、こしょうですが、ちょっとだけお雛祭りを意識してラズベリーの裏ごしを3個分入れて、うっすらピンク色にしてみたのですが分かるでしょうか?
鶏肉は、玉ねぎ半個分のぶつ切りと多めの塩(飲めるけれどお吸い物よりはかなり濃いめ、くらい)、黒こしょうの粒少々、ベイリーフの葉一枚を入れたお湯で、静かに沸騰している状態で、鶏肉の大きさにもよりますが12~15分ほど茹でます。
竹串を刺してすっと通ったら火を止めて、小さめの鍋かボールにかぶるくらいのゆで汁と一緒に移し、鍋ごと氷水で冷やします(こうしてゆで汁の中で冷ますと変色しないし、しっとり仕上がります)。
十分に冷めたら取り出して一口で食べやすい厚さにスライスします。
ベビーリーフ・ミックスとセロリ、きゅうり、ラディッシュをドレッシングで和えて皿に盛り、鶏肉を乗せたら鶏肉にだけまたドレッシング少々を垂らして、ラズベリーを散らしました。
「チキンサラダ」というと必ず思い出すのが「赤毛のアン」です。
クイーン学園への入学も決まり喜びと期待で輝きに満ちた15歳の夏休み、アンはホテルのチャリティーコンサートに出演します。詩の朗読が大成功を収めた帰り道のおしゃべりで、友達のジェーンが言うのです。
「あたし、お金持ちのアメリカ人になって、夏はホテルで過ごして、宝石をつけて、襟のあいた服をきて、毎日、アイスクリームとチキンサラダを食べてみたいわ。」
赤毛のアン(第三十三章 ホテルの音楽会) モンゴメリ 村岡花子訳
この台詞を読んだ当時、小学生だった私にはチキンサラダがどういうものか全く想像がつかず。
その後「アン」に出てくるお料理を再現した新聞の特集記事で、だいたいのイメージはつかめましたが。
アイスクリームはともかく、鶏肉もサラダも特に好物ではなかったため「どうしてこんなものを…?」と思ったものでした。
冷凍庫はおろか冷蔵庫もない時代、アイスクリームは言うに及ばず、豚肉や牛肉と違ってあまり保存が効かない鶏肉は、大事なお客様や結婚式などの特別な日にしか食べられない、贅沢なご馳走だったのですね。
また、レタスなどの生野菜を使ったサラダも、この小説が書かれた頃食べられ始めた、まだ珍しい、新しいお料理だったようです。
19世紀の料理本にあるチキンサラダは必ずセロリが入り、マヨネーズソースで和えてあるそうですが、これは現在のアメリカでも同じみで、サンドウィッチの具にもよく使われます。
上述の台詞に続くシーンで、ダイヤモンドへの憧れを募らせるジェーンに、アンは自分は一生ダイヤモンドを身につけることはなくても、マシューが愛情をこめて贈ってくれた真珠をつけた、グリーンゲイブルズのアンで満足だと話します。
美しい思想です。
でも、後にアンも、ギルバートから結婚15年目のアニバーサリーに、ダイヤモンドを贈られるのですけどね。
マシューの真珠もギルバートからのダイヤモンドも、銀之丞のオニオングラタンスープも。
愛情がこめられていれば全てがうるわし、ということですね。
…お後がよろしいようで。
♥ クリックしていただけると嬉しいです。(^∨^)♥





