今回は、薬剤師×コーチ・阿部雅美がお話をします。
先日、「あれっ?」と感じたことがありました。
リーダーとマネジャーの違いです。
ある機会にある部長が、「私はメガホンを持って、部員の後ろを一緒に走るのが役割です」と発言。
「あれっ? 先頭に立って目指す方向を決めたり、スピードを調整したりするのは誰?」と疑問が。組織が目標を達成するために、企画したり、プロセスを進めるのは誰がやるのかと。
つまり、組織メンバーを引っ張るリーダーという役割が部長に欠けていないか、と感じたのでした。
部署によっては、既存事業や計画事業(プロジェクト)にチームが構成されます。ここではチームリーダーがリーダーシップを発揮して業務を遂行します。
部長はマネジャーとして複数のチームの工数・人事、経費、情報、時間を管理して目標達成に務めます。
しかしながら、チームを持った組織であっても、組織が持っている目標を達成するには、部長自身のリーダーシップも求められるのではないでしょうか。
部長は、部長という名のもとにマネジメントを担ったり、リーダーという名のもとにリーダーシップを担うということ。一人で二つの異なった役割の帽子を持っている状態です。
チームリーダーにも、リーダーシップのみならずマネジメントの機能を求められる組織はあります。人数が少ない組織では、リーダーもマネジャーも一緒だ、とお叱りを受けるかもしれません。
しかしながら、この役割の違いが気に掛りました。
この疑問にグッド・タイミングで出会ったのが、前回のブログに続いて「7つの習慣」でした。
本書はリーダーシップとマネジメントの機能の違いを教えてくれます。
リーダーシップとはトップライン(目標)にフォーカスし、何を達成したいのかを考え、チームを推進すること。
マネジメントとはボトムライン(最終的な結果)にフォーカスし、目標を達成することを考えるとのこと。
変革を求められている現代、競争相手がグローバルに存在する現代において、まず必要とされるのはリーダーシップであり、マネジメントはその次との記載もありました。
しかしながら、そういった時代であっても、新しいアイデアを出して仕事を進めるよりも、過去のやり方を踏襲してしまい、価値をもたらす創造ができない実態はあります。
このような場合、マネジメントのパラダイムに縛られてしまい、リーダーシップが置き去りにされているように感じます。
背景には、そもそもリーダーシップとマネジメントの機能定義を意識していなかったり、リーダーとマネジャーの役割分担が明確ではなかったりすることもあるのではないでしょうか。
リーダーかマネジャーか。
名称からは役割分担が明確なように見えますが、求められる機能が混在しているので、リーダーかマネジャーか、どちらかどちらかに限定できない実態があります。
メガホンを持って、部員の後ろを一緒に走るだけではなく、先頭に立って目指す方向を決めたり、スピードを調整したりする必要があります。リーダーシップもマネジメントも求められるのです。
さらに、機能の認識不足に起因するリーダーシップの不足は、競争力のある価値創造にブレーキをかけているように感じます。
もっとリーダーシップを求めるところです。
役割に対して、求めるリーダーシップとマネジメントの内容と発揮の程度を明確にし、ワクワクするプロセス経て、メンバーと笑顔を交わすゴールを獲得したいですね。
またお話をさせて下さい。