コーチング・ガレージ

コーチング・ガレージ

~~
公認会計士、弁護士、中小企業診断士、理学療法士、薬剤師、建築士、経験豊富な企業人のプロコーチチームが執筆するブログ。

本日の担当は、中小企業診断士×プロコーチの森琢也です。

 

 

当ブログで、よく話題になるのがキーワードが『目標』。

 

目標はあったほうがいい。

だけど、目標ありきは辛いよね、、。

 

特に、営業部門などでずっとノルマに追われてきた方や「あるべき」を大事にする方には、後者の感覚が強いかもしれません。

 

 

よく研修でご紹介するのですが、「Back Casting」と「Fore Casting」という考え方があります。

 

「Back Casting」は目標から逆算すること。

「Fore Casting」は現状から積み上げて、未来を見通すこと。

 

 

一般的に、「Back Casting」のほうが、大きな成果を挙げやすいといえます。

例えば、私が昔いた自動車業界ですと、法規制などで燃費や排ガスを〇〇以下に抑えなければいけない、と無茶な目標が降ってきて、それをどうにかクリアして日本の自動車産業を築いてきた歴史があります。変化の激しい時代において、新たな価値創造や長期的なビジョンの実現に適しています。

 

一方で、気分的にも状況的にも逆算で考えるのが難しい場面があります。

 

そんな時は、「Fore Casting」で考えていくことも、私は大事だと思います。

「Fore Casting」は、現在の状況や過去のデータをもとに、将来を予測して計画を立てる方法です。精度の高い予測ができる場合や、安定した環境での戦略立案に向いています。

 

コーチとして、目の前の相手にはどちらがよいのかをよく見極めて、「Back Casting」か「Fore Casting」か、またはそのハイブリッドか、うまく使い分けられると良いのかなと思います。

 

 

 

 

また、別観点で言うと、「結果目標」「パフォーマンス目標」「行動目標」という3つの目標の使い分けがあります。

これはサッカーチームのFCバルセロナの考え方に基づくものですが、まず「結果目標」は、試合に勝つ、優勝する、得点王になるといった最終的な成果を表す目標です。

 

しかし、結果目標は自分の努力だけではコントロールできない要素も多く含まれます。そこで重視されるのが「パフォーマンス目標」です。これは、自分の能力や技術をどこまで高めるかという質的な目標であり、「パス成功率を◯%以上にする」「1試合で◯回以上チャンスメイクする」といった具体的で測定可能な内容です。努力の方向性を示し、成長を実感しやすいのが特徴です。
 

さらに、その土台となるのが「行動目標」です。これは日々の練習や習慣に落とし込まれた行動レベルの目標で、「毎日ダッシュを5回行う」「練習前に必ずストレッチをする」といった具体的な行動を指します。自らの意志で実行でき、目標達成への着実な一歩となります。

この3つの目標を組み合わせることで、短期・中期・長期の視点で自らの成長を実感しながら、最終的な結果へとつなげていくのがFCバルセロナ流の育成方針だと言われます。

 

ついつい結果目標だけになってしまいがちですが、時にはパフォーマンス目標や、行動目標をうまく活用し、相手に合わせてアプローチを使い分けられると良いのではないかなと思います。行動目標を達成していくことで、自信が深まり、結果目標を描けるようになったりもします。

 

コーチングの中で、こういった「目標の種類」を知っておくと、セッションがよりスムーズになるのでお勧めです。

 

以上、