管理職研修などが花盛りの6・7月です。またある企業様のエグゼクティブコーチングのプロジェクトも始まるなど、人材開発のシーズンインです

 

 

そんな中、「相手を承認することが難しい」という声をよく耳にします。

 

 

コーチングのトレーニングでは、「承認」というテーマだけで1ヶ月にわたって、探求するクラスがあるほど、奥が深いテーマです。 また、TA(交流分析)では「プラスのストローク」について学習を深めます。

 

 

ストローク(stroke)という言葉は、動詞では「さする」「なでる」という意味があり、

テニスでも「グラウンドストローク」と言うように、往復のやり取りを続けることを指します。

 

そして交流分析におけるストロークの定義は、「相手の存在を認めるあらゆる働きかけ」です。

 

 

しかし、「やる気につなげるために承認しよう」と伝えると、多くの人が「褒めなければいけない」という

 

 

強迫モードに陥ってしまいます。 

 

 

承認する側が強迫モードになっているということは、

 

 

「褒めないと良くないことが起こるから」

「褒めないと人が辞めてしまうから」という利己的動機にすり替わってしまっています

 

 

こうなると、本来目指している動機づけのためではなくなっています

 

 

もしあなたが「承認が苦手だ」と感じているなら、まずは「その人の存在」そのものに目を向けてみましょう。 その人が今そこに生きていること、その存在自体を観る

 

あるエピソードをお伝えしましょう

 

ある時、私自身、どうしても相性が合わないと感じる人物からコーチングの依頼をいただいたことがありました。

 

「相性が合わない=苦手な人」でしたから、どうやってお断りしようかと本気で悩みました。

 

そこで、自分自身のコーチとのセッションで、このテーマを扱ってみることにしたのです。

 

コーチに対して、私は「あの人のこういうところが苦手で……」と気持ちをひとしきり吐露しました。

 

 

 コーチは、それをじっくりと聴いてくれた後、一見、何でもないような質問を投げかけてくれたのです。

 

「Aさんって、どんな人ですか?」

 

 

私は、Aさんから聞いていたこれまでの経歴や背景について、思い出しながら色々と話しました。

 

 

 すると、話しているうちに、「Aさんは私より年上ですが、お子さんがいて、奥様もいて、近くにはご両親も住まわれていますね」と、そこまで口にして、ハッとしました。

 

 

当たり前のことですが、自分にとっては苦手な相手であっても、家庭を持ち、共に暮らしている家族がいる。

 

 

本当の家族関係の詳細は分からなくとも、「Aさんを家族として迎え入れ、共に生きている人たち」がいるのだ、と。

 

 

「彼をお父さんとして、夫として、良いと思っている人がいる。だとしたら、私が気づいていない彼の魅力って一体何だろう?」そこから、私の思考はどんどん発展していきました。

 

 

視点が変わるだけで、自分の狭い世界だけで見えていた相手の姿から、全く別の人間が浮かび上がってきたのです。

 

 

 

これは、コーチの「どんな人?」という一つの変哲のない質問からですが、「あるもの」「存在していること」を、ニュートラルに観ること

 

 

あるものを見る視点への移動によって、承認する視点が芽生えるとよいですね

 

 

 

あなたの直属にあたるメンバーや部下は、どんな人ですか?