食事で速くなる(2) 食事で持久力up 疲労回復 | フリーランス水泳コーチ Hiroの競泳練習日記

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元大手スイミングスクールグループ所属   (財)日本水泳連盟公認上級コーチ    
現在はフリーランス水泳コーチとして活動中のHiroの練習日記です。

ジュニアの水泳選手に向けて、記録向上に

向けた、食事の考え方を2回にわたって

紹介しています。

 

 

<目次>

(1) 体重1Kg増で記録0.5秒Up

(2) 食事で持久力up 疲労回復

 

 

 

 

 

 

前回は、記録向上に向けた食事量の目安

について紹介しました。 

 

第2回目は、「持久力アップに向けた食事」

を紹介します。

 

 

 

(1)持久力アップのポイントは糖質

レースの時、前半は飛ばすんだけど、後半になると急にタイムが落ちるってことありませんか?  

他にも練習で段々スピードが落ちて、練習についていけなくなるってことも。

 

 

体力をつけようと一生懸命練習を頑張ってるのに、体力がつかないって経験はないでしょうか?  

これって、ほとんどは食事を見直すことで、解決できます。

 

 

持久力をアップさせることと、疲労しにくい身体をつくる為に、毎日の食事の中で、下記の3点を注意してください。

1.炭水化物はエネルギーの元
ご飯などの糖質(炭水化物)は、体内で肝臓や筋肉にグリコーゲンとして、貯蔵されます。

このグリコーゲンがエネルギーの元となります。
ジュニア選手の1日の目安量は、男子で茶碗6~8杯、女子は5~7杯です。
( どんぶりは2杯で換算、うどんは1玉を1杯で換算、パンは1杯で換算します。)

 


2.ビタミンB1は、糖質代謝を促進する。
糖質代謝とは、肝臓中や筋中に貯蔵されたグリコーゲンから、エネルギーを作り出すことです。

いかに糖質(ご飯)をたくさん食べても、ビタミンB1が不足すると、効率よくエネルギーを作り出す事が出来なくなります。

ビタミンB1を多く含む食品を、主菜(おかず)にすることが、大切です。

 

  ビタミンB1を多く含む食品
      豚肉 うなぎ カツオ 豆腐 パイナップル など

 

3.ビタミンB1の働きを促進させる食品を必ず食べる
体内に取り込まれた糖質は、ビタミンB1によってエネルギーに変えられます。(糖質代謝)

このときに、ビタミンB1の働きを促進させる食品をあわせることで、糖質代謝は、さらに加速します。 

つまり、多くのエネルギーが作り出せるのです。
ビタミンB1は、B2・B6など、他のB群のビタミンと合わせる事で、相乗効果でより効率が促進されます。

また、玉ねぎ等に含まれる、アリインはビタミンB1の働きを促進するといわれています。

 

 

 

(2)栄養がかたよることの弊害

1.糖質だけの食事は疲労を促進する
エネルギーの元となり、疲労回復に効果のある糖質ですが、上述したように、糖質代謝を促進するビタミンB1が不足すると、エネルギーを作り出す事が出来ません。

 

また、代謝されずに残った糖質は、乳酸として体内に蓄積されます。

 

疲れている時に、麺類のみの軽い食事になってしまう選手。

反対に、エネルギーを作ろうと、ご飯のみを極端に多く食べたりする選手などを、よく見受けます。

でも、ビタミンB1を含んだ、おかずを食べないと全て逆効果になりますので、気を付けてください。

 

 

2.たんぱく質だけの食事では身体はつくられない
最近の子供達の話を聞いていると、おかず中心の食事が多く、ご飯(糖質)の量が少ない傾向にある様な気がします。

 

エネルギーの基である糖質が不足した状態でハードなトレーニングを続けた場合、本来筋肉づくりにつかわれるはずのたんぱく質が、筋肉づくりではなく、代わりのエネルギーとして代謝されます。

 

例えば、筋肉をつけようとプロテインに頼ってまでたんぱく質量をふやしたとしても、ご飯の量が少ないと無意味になってしまうのです。

 

 

 

(3)プロテインの飲みすぎは逆効果

少食を補おうとして、毎食後にプロテインを与えている方も多いと思います。
プロテインはたんぱく質を粉状にしたものですが、必要量以上のたんぱく質の摂取は身体によくない影響を与えます。


ここで、たんぱく質について説明します。
身体のほとんどの物質(骨・筋肉・毛髪・細胞膜・動脈・ホルモン・酵素 e.t.c)は、たんぱく質からつくられています。

つまり、身体づくりの為には欠かせない栄養素です。


さて、スポーツ選手の場合、一般の子供に比べて、一日に約1.2~2倍のたんぱく質を必要とします。

少食の子供には大変な量かもしれませんが、できるだけ食事から摂取することが望ましいと思います。

 

 

なぜなら、色々な食材を使った料理の中には、限りない種類の栄養素が含まれているからです。
手軽に摂取できるプロテインの場合、その手軽さと高いたんぱく質含有量が重なって、ついつい過剰に摂取してしまう傾向にあります。

 

 

筋肉作りの基となるたんぱく質ですが、摂取すればするほど筋肉が増加するというわけではないのです。
一日の必要量を越えて摂取したたんぱく質は、脂肪として蓄えられたり、身体に様々な弊害を及ぼしたりします。


必要量を超えたたんぱく質が、身体に及ぼす影響
1.脂肪に変化して蓄えられる。(体脂肪の増加)
2.カルシウムの消化を妨げ、また尿中にカルシウムを排出させる。(骨がもろくなる原因)
3.たんぱく質は代謝に大量の水分を必要とする。また、不要なたんぱく質を尿として排出する為にも、大量の水分で薄める必要がある。(脱水症状の原因)
4.分解の過程で肝臓・腎臓に負担がかかる。(肝臓及び腎臓障害の原因)

 

たんぱく質だけを大量に摂取すれば、身体が作られるわけではありません。

糖質とのバランスが悪いと、かえって身体づくりには逆効果です。

また、飲みすぎることによって、身体に悪影響を及ぼす場合もあるので、くれぐれも、飲みすぎないように注意してください。

 

 

(4)サプリメントも飲みすぎは危険

サプリメントとは、食品に含まれる特定の栄養素を取り出し精製したもので、栄養補助食品として、日常生活のなかで不足した栄養素を補う為に摂取します。

 


現在各メーカーから様々なサプリメントが製品として販売されています。

通常の食事からでは考えられないような摂取量も、サプリメントでは簡単に摂取できてしまうので、注意が必要です。

栄養素の中には、上述した、たんぱく質のように必要量を超えると身体に弊害を及ぼすものがあるからです。

 

 

過剰摂取により身体に弊害を及ぼす栄養素

・たんぱく質(プロテイン)
脂肪として蓄積される、脱水症状になりやすい、カルシウム不足になりやすい、

肝臓・腎臓障害の原因となりやすい、通風や関節炎の原因となりやすい。

・脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)
過剰分は肝臓に蓄積される為、肝障害等を起こすこともある。

・鉄
過剰摂取により鉄の吸収率を下げたり、身体を酸化させる可能性も考えられる。

・水溶性ビタミン(ビタミンB、C)
過剰分は排泄される為、身体への問題は無いが、反対に採りすぎても意味が無いという事になる。コスト的に無駄。

  


サプリメントをうまく併用する


少食の子供の場合、サプリメントはとても便利なものに思えて、ついつい頼りたくなることもあるでしょう。

しかし、サプリメントをとっているから、食べれなくても大丈夫と言う考え方は、非常に危険です。

また、過剰摂取が弊害を及ぼす栄養素については、くれぐれも分量を守って接種してください。

 

 

使い方を間違えば逆効果になるため、はじめにサプリメントの悪い面を紹介しました。

しかし、食事と併用して、うまく使うと身体づくりにとって、とても効果があります。

 

 

前の記事でも書いたように、僕のチームではフィジカルB を、ずっと使用していて、成果を上げています。似たような成長サプリは たくさんありますが、飲みやすさや、これまでの成果を考えると、「これが一番かな」と思っています。

ハードトレーニングを行なっていると、食事を意識していたとしても、身体の成長に必要な栄養素が不足しがちになります。

少食の子供の場合は、なおさらですね。

ですから、サプリメントを併用して、成長に足りない栄養素を補うようにしています。

 

 

 

 

 

いかがでしたか

水泳は、他の道具を使用するスポーツと違って、自分の身体を道具として戦うスポーツです。

技術面や体力面に違いがないとすれば、最後は体格面での勝負となります。

ですから、身体の成長なくして勝つことはありえません。

 

 

僕自身も、これまで技術面では優れているのに、圧倒的な体格の違いで勝てないという、悔しいレースを何度も経験してきました。

そのなかで、食事の工夫によって、身体を成長させるという事に着目し、今の考え方となっています。

 

 

ここで取り上げたことは、全て僕自身の経験から書いています。

いまは小柄であったとしても、コツコツと食べる努力を続けていけば、きっと勝てる身体に成長していきますよ。

 

 

 

 

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