「なんとなく暗いなあ、この子」、という印象からスタートしました。笑
10年前の震災を、心にある痛みに焦点を当てて描いたドラマでしたが、
「あまちゃん」のように底抜けに明るくて強い人たちばかりではなく、
強がってるけど、頑張ってるけど、本当は弱い人間を描いていた気がします。
今でも現実にある心の痛みが描かれていたのだと思います。
震災で家族の生死がわからぬまま心の空洞が埋められない親子。
震災で大事な物を失った人と、何も失わなかった人、
故郷の大事な時にその場にいなかった者の孤独、
大切な人を救えなかったことで自分を責める人たち、、
全ての人が、心に傷を負ったまま、10年の歳月が過ぎている。
そんな難しい心を描くには、あれだけの実力俳優が必要だったんですね。
若い俳優さんたちも頑張ってたけど、
私はベテラン俳優さんの表情や言葉には何度も泣かされたなあ。
日本で起こった大災害、未だに苦しむ人がいることを忘れてはいけないと思う。
そして、今もコロナ禍という災害の真っ只中にいるということも。
災害の度に全員が心に大きな傷を抱え、中には命を絶ってしまった人もいる。
人間という弱い一人が、混乱の中で強く生きるのは簡単じゃない。
なのに、日本政府は、未だその震災被害者を救おうとはしていない。
私が忘れられないのは、人間の赤い血が流れていないとさえ思えた、高市氏の発言。
「原発事故によって死者が出ている状況ではない。
だから、原発は続行すべし!としたあの冷酷な表情を忘れない。
災害が起こる度、そして、このコロナ災害についても、政府は国民を守ろうとしなかった。
国民主権なんて邪魔だと言って憲法を変えようとしている人たちがいるのも知っている。
更に今、投票率が上がらないように、組織票で勝てるように仕組んでいる自民党。
・・・おっと、またまた話がそれました!
最終回、感染症対策で東京に呼び戻された医師が、婚約者の元に戻ったのが2年半後。
おそらく、2022年の夏の設定。朝ドラが珍しく未来を描きました。
もしかしたら、自分も感染したのか、苦しみを乗り越えて医師としての責務を全うしたのか。
確実な台詞や具体的な状況説明がないままだから、勝手に想像できてしまいます。
「おかえりモネ」が伝えたかったのは、
今は不安だけど、必ず希望を取り戻せる時が来るんだから、
傷ついた人も、苦しんでいる人も、前を向いて良いんだよ。
何度でも立ち上がっていこうよって言うメッセージだったのかな。
さりげなく、押しつけなく、じんわりと、心に入ってきたドラマでした。
朝の楽しみ、一つ減ったなあ、、、