さて、この話の続き。
TA-F333ESXのほうは「通電せず」状態で入手したので、まずはフロントパネルを外して移植しようということで作業着手します。 そしてTA-F555ESRは音が出るけれど左右アンバランスだという状況を直すところを始めます。
まずはTA-F333ESXを部屋に持ち込めるレベルまでは掃除を始めます。
ボンネットを開けてから紙ウエスに簡単マイペットを吹き付けて揉んだウエットティッシュもどきで埃を拭きとっていく。コンデンサのカバー(透明アクリル)とトランス回りをひたすら掃除です。
まだプリント基板上には埃が溜まっています。
刷毛(ハケ)で埃を掻き出しながら掃除をしていきます。
部品取りにするために全分解して保管ですが、とりあえず当初の目的は
333ESXのフロントパネルの移植(入れ替え)です。
ジャンク機からツマミとフロントパネルを外しました。
こちらは現在使っているTA-F333ESXのパネルと入れ替えるので、きれいにクリーニングする予定。加えてツマミ類も洗浄します。ジャンクTA-F333ESXのほうは、フロントパネル分解まででいったん中断します。
続いてジャンクTA-F555ESRも埃落としを開始。
ボンネットを開けると、、、、ジャンクTA-F333ESXよりもひどい状況でした。
180度回転させて手前側(写真の下方)をフロントパネルにしてからこれを塗装用の刷毛(ハケ)で埃を掻き出していきます。 ヒートシンク、そういえば黒かったなぁ(しみじみ)。
刷毛だと、どうしても奥まった部分やPCB(プリント基板)に引っかかっている埃までは掻き出せないです。このあたりはTA-F333ESXのジャンク品と同様な状態です。
ここまできたら、エアブローして、奥まった部分の埃を飛ばしてから分解→掃除→組み立てです。
電子部品周りは、住宅用洗剤(かんたんマイペット)、溶剤(炭化水素、エタノール)を適切に使いわけながら、掃除します。シャシーは、エアブローした後に食器洗い用の中性洗剤で水洗い。こびりついた油汚れではないので、高圧洗浄機を使ことなく普通に水洗いで汚れが落ちます。555ESRはPCB(プリント基板)間の接続にコネクタを使っている部分多く333ESX時代と比べると、作業性が大幅に改善しています。サクサク作業していったら、写真を取り忘れてました。
作業に集中すると写真撮影を忘れます。
洗って拭いて乾燥させた後に、自室に持ち込んで、PCB実装部品のチェック。
ハンダの浮きは目視で確認し、疑わしいところはDMM使って確認。 実際にはんだ浮きや剥がれはありませんでしたが、ハンダを打ちなおししました。若干雑なはんだ付け箇所が見られました。
とりあえず仮組み立てが終わったら、通電確認に移ります。仮組み状態なので、つまみ類はつけていません。
まずは電源投入してプロテクタの挙動を確認。
規定時間で赤色から緑色に変わるので、プロテクタが作動するような故障はしていない状態かな。
スピーカー端子側にも音出しで怖いのはDC漏れでスピーカーのコイル焼損。 プロテクタが解除されているからDC漏れはそれほど多くはないと思うが、スピーカーをいきなり繋ぐのは怖い。入力に信号を入れて出力側をオシロで確認するのがベストかな。
通電後、コンセントとアンプの間につないでおいた簡易ワットメーターで消費電力を確認します。
TA-F333系もTA-F555系もアイドリングj時の電力は60W前後です。それを大幅に超えている場合には、バイアスの異常を疑います。
今回のアイドリングは80Wぐらいになっていました。おそらくバイアスが高すぎるのだろうとあたりをつけます。
アンプの電源をOFFにしてから、バイアスチェック端子にワニ口クリップ付きの配線をつないで、手元まで配線を伸ばしておきます。
再びアンプの電源ONにしてDMMのテストリードをワニ口クリップににくわえさせてバイアスをチェック。
バイアスが落ち着くまでしばらく放置。バイアス電圧が徐々に上がり続けた結果、30mV以上出ている状態であることが判明。左右両方のバイアスを15mV狙いで合わせます。
続いてDCオフセット調整。ただし、古いアンプはスピーカー接点のメンテなしでDCオフセット調整ができません。リレー接点手前から配線を引っ張り出して測定してもいいのですが、どうせリレーのメンテが必要なので、このタイミングで始めます。
電源を落として、リヤパネル分解+スピーカー端子基盤を取り出してリレーの殻割り+接点掃除。
薬剤をつけて接点をクリーニンした後に、エタノールで薬剤をリンシング。
ついでにCD入力とスピーカー端子もクリーニング。
CD入力は金メッキRCA端子なので界面活性剤入りの洗剤で拭いてからぶきすれば充分。
スピーカー端子はリレーの接点と同様に接点クリーナーとエタノールで処理。
リヤバネルを仮組みした後に、DCオフセット確認。0mVを目指します。
トリマー(半固定抵抗)をドライバーで調整してプラスマイナス0.05mVぐらいまで合わせこむ。どうせ経時的にずれるので、ゼロに合わせるよりも、できるだけゼロ付近にするけれど、左右をそろえることに注力。
(ドライバーの先端が触れただけで変化するので、合わせこみに集中していて
写真取る余裕なしです。)
アンプのCD入力にPCのDACをつなぎ、電源ON。
プロテクタが解除された後にスピーカーBに切り替えて、spotifyで音楽を適当に選んで再生する。徐々にボリュームを上げていくと、左右均等に音が出てくる。
音楽を流しながら動作確認しつつ、他の入力に、ソースを入れて再生して動作を確認。
ボンネットを戻してサイドウッドパネルを取り付けて、これから半日ほど動作チェック。
今回は、隙間時間との勝負でした。
普通にサラリーマンとして仕事のある月曜日の隙間時間で作業をしました。
朝6時に起きて作業開始して、最初の1時間でTA-F333の埃落としhとフロントパネル分解。
残り2時間で、TA-F555ESRの埃落としと分解洗浄。水切りしてから天日干しした後、9時から在宅勤務。
お昼休みまでは洗浄したTA-F555ESRの部品を天日干しで乾燥させておき、お昼から、隙間に残った水分をドライヤーで強制乾燥させながら組みたてて、リレーの接点を処理して、DCとバイアス調整してからアンプの音出し開始。目標時間の13時を5分ほどオーバータイムしたので、サラリーマンとしては夕方の残業側で調整するが、そもそも勤務管理として勤務時間はつけて報告しているけれど、休日労働も残業も給与に反映しない勤務体系なので、昼休みが5分伸びようが、その分勤務時間を短くして申告すればいいだけなのですが、後ろ側で5分余計に働くのもケジメの1つです。
と言いながらもBGMを流しながらの午後の在宅勤務開始。
もう7時間ぐらい通電していますが、アンプに負荷をかけるために、ちょっと大きめの音で音楽を聴いていますが、パワーが徐々に戻りつつあります。まあ、電解コンデンサがへぼへぼなのでしょう。使わなければ使わないで、タンデル(Tan δ、誘電正接)が大きくなってわけですが、タンデルの大きな電解コンデンサは、トランジスタアンプだと、パンチの無い音になってしまいます。でも7時間近く通電していると、それなりにパンチが出てきました。7時間ずっとヘビーメタルとハードロックをかけまくった成果でしょうか。思ったよりもお早いお目覚めです。しばらくは使い続けて本調子出るまで様子を見てみようと思いますが、、、、、
結構いい感じに仕上がりそうです。
電解コンデンサは使わない状態であったとしても15年ぐらいというのが寿命の一般論ですが、実際には20年30年40年経っても、カツ入れしてから性能を測定すると容量も漏れ電流も、タンデルも全然問題なしというバケモノじみた電解コンデンサもあります。そんな一方で、3年と持たない電解コンデンサもあります。 まだまだ再通電して半日程度ですが、電解コンデンサが本調子になるまでにはしばらくかかりそうですが、どこまで調子が戻ってくるか楽しみです。
ということで、ジャンクのTA-F555ESRを保守部品として整備したら普通に良品になってしまった、というお話。
しかし、、、、動作するTA-F555ESRが2台になってしまいました。部品取りとして持っていたいけれど、掃除してエージングしてみたら程度が良かったので、少し驚いています。このまま売ってもいいけど、また埃まみれのジャンクを買ってきて保守部品にするために整備するのもめんどくさいので、売らずに予備機としてしまっておこうかな。
ちなみに555ESRは、昔から持っていたほうのシリアルは、3500番台で、今回手に入れたジャンクは4000番台。ジャンクで入手したほうの個体のほうが新しいんですよね。333ESXのほうも、昔から持っているほうは200番台のシリアルで、今回手に入れたものは2000番台のシリアルです。
もしかして次回以降、TA-F333ESXも洗浄後に動作チェックしていきますが、このままいくとら、動作品のTA-F333ESXも2台になってしまうのだろうか。ソニーの似たようなアンプばかり4台も要らないぞ。(たいてい、こういうことを書くとフラグが立つのですが、、、、)