久しぶりの投稿ですが。。。
RME Fireface 802 FS AEをお迎えしました。
カテゴリーで言えばUSBオーディオインターフェースなのかな。
DAC/ADCを各12チャンネル実装した デジタルオーディオインターフェース。
ミキシングもルーティングもイコライジングも可能。そして低レンテンシー。
どちらかというと音楽制作、放送/ウェブキャスティングなどの作り手側のスタジオ機材に近い。
普通の生活では、こんなもの買わないです。
とはいえ最近の立体音響/イマーシブオーディオなどマルチスピーカー環境で、
再生に使うスピーカー数が10チャンネルとか超えてくると、
こういう機材でシステム構築した方が手っ取り早いかもしれないようです。
写真:動作確認のための仮置き。
7月末ごろから、RME Fireface 802 FS AE (Anniversary Edition、黒ベゼル仕様の802 FS )のSaleをやっていたので、買ってしまったわけですが、立ち位置として、非常に微妙な機種で、普通ならもっとモダンな Fireface UFX IIかUCX IIを買うと思う。というか802 FS系はレビュー記事探しても1本2本ぐらいしかなくて探すの大変。やはり後継機(UFX II)があるのに、ここ数年併売し続けているので、どうしても日影商品。UFX IIよりも安くて出てくる音のクオリティーは現役バリバリなんですけどね。LCDすらついていないので、ビジュアル面で言えば何列かあるLEDのインジケーターの点灯と消灯と点滅ぐらいしかいので見た目が寂しいし、まあ、売れないか。業務用の装置っぽい良さがあるけどね。
あと、私の個人的な好みの問題ですが、マイク/楽器のゲイン調整がアナログポットであることが802 FS系の美点です。人の声って事前にゲイン調整とかしておいても、いざ本番で音出ししてみるとちょっとだけゲインを調整したいってことになって、そういう時に捻るだけのアナログポットに勝るものなしです。
一方でゲイン設定に再現性を求める/求めたいならばデジタルにせざるを得ません。この辺りは何を優先するかは人それぞれ。
さて、Fireface 802 FS AE。実装されているADC/DACが各12本。入力側はライン8チャンネル+マイク/楽器入力4チャンネルの12チャンネルです。自宅で色々あれこれやるにしても足りないってことにはならないです。どうしても足りなかったら、ADATが2系統分あるので、DAとADを増設できるので、これ1台あれば多分壊れるまでは機材入れ替えは無いかな。
そして、今回購入した理由の一つは、802FS系だと、UFX IIや UCX II同様にTotalMix FX上でRoom EQが使えるのです。
Room EQとはなんぞや?
この機能は、どちらかというと、リスニング環境用途でFireface シリーズを使う場合の機能です。Firefaceシリーズの機器の内部のDSPを使った9バンドのPEQ+ディレイを各出力チャンネルに個別設定可能にする機能がRoom EQです。そして、Room EQのPEQセッティングにSound ID ReferenceやREWのEQデータをインポート可能なのですが、これが何気に気になっています。まあ、ルームアコースティック補正を9バンドパラメトリックイコライザーだけで行えるかはちょっと微妙ですが、ただ少なくとも補正しないよりは確実にルームアコースティック / モニター環境は改善します。
ただ、この9バンドのPEQの中の3バンド分はフィルターをベル/シェルビング/ハイパス/ローパスに設定できて、1バンド分のローパス/ハイパスは12dB/Octのフィルター特性です。加えてRoom EQの9バンドPEQとは別に標準PEQ(3バンド、うち2バンド分はローパス/ハイパス設定が可能)です。ふむふむ。
つまりフィルターの重ね方次第で、24dB/Octのクロス特性のバンドパスフィルタに、8バンドPEQ設定が可能です。
そうなってくると、極性反転とディレイを上手に組み合わせてチャンネル間の位相のずれによる干渉をある程度緩和できるだけの調整代が欲しくなります。
というかRoom EQではチャンネルごとに個別のディレイもかけられます。そしてTotalMix Fxで極性反転もできます。
写真:こんな感じでRoom EQで低域側(3/4チャンネル)はバンドパス、高域側(5/6チャンネル)はハイパス、1KHzクロス、みたいな帯域制限が設定できるわけです。。。これでEQをONにすると実際に帯域分割が始まる訳です。
試しに低域側にJBL 4312B MK2、広域側にD-302Eを繋いでやってみたらちゃんと帯域分割されて音が出ました。
はい、もうこれは
スピーカープロセッサー
というかチャンデバになってしまいます。
邪道かもしれませんが、それでも
やろうと思えばできる
という間口の広さはとても大切だと思います。
さて、続いて帯域分割用のフィルタを作った時に、どのぐらい位相が回るのか回らないのか実験で確認してみました。Room EQでまずは20Hz −1KHzのバンドパスフィルタで、12dB/Octのスロープがあるけど、20Hz も1KHzも0dBになるように角ばらせたバンドパスフィルターを作ってみました。そのf特+位相特性はこんな感じでした。
グラフの緑色のプロットがf特。設定した通りの減衰特性です。
そして紫色のプロットが位相です。はい。位相が回っています。
そりゃそうだ。低レイテンシーを求めるシステムのイコライジングにFIRなんて使わん。
別に位相が回っても実害がなければいいのです。1KHz以降、見た感じ90°回るのに20dB以上は下がっているので、若干ディレイとパライコでの調整程度でクロスポイント界隈での音の繋がりも目立たないでしょう。
結論:位相は回ってしまいますがFireface+TotalMix FXのRoom EQ機能とPEQを組み合わせれば、帯域分割ができます。簡易的なスピーカープロセッサー/チャンネルディバイダーとして十分使えそうです。
ちなみにスピーカープロセッサー/チャンネルディバイダーとして使う場合、TotalMix Fxの機能でグループフェーダーが使えることは大変便利です。
グループフェーダーを使えば帯域分割した各チャンネルのゲインバランスを維持したまま音量調整することができます。デジタルのスピーカープロセッサーをチャンデバとして使う場合、入力側でゲインを絞ると解像度が下がってしまうので、出力側でゲイン調整が必要ですが、全チャンネルのゲインバランスを維持してのコントロールは苦労しますが、Firefaceでチャンデバ組めば解決です。
さて、チャンデバ構築で位相回転は嫌だ、とかもっと積極的に位相をコントロールしたいというのであれば、FirefaceのDSPで帯域分割せずにPC側でたとえばcamillaDSPなどソフトウェアDSPで帯域分割してからFirefaceに送り出してあげればいいだけの話です。
PC側で帯域分割するならRoom EQ機能要らないじゃん、ってなるけど案外そうでもない。
ディレイ入れるとか、軽いイコライジングとか、圧倒的にFirefaceで実施する方が楽だし。別にPC側だけで完結させる必要はないのです。
その前に、位相回っても構わないです。どうせスピーカーそのものが周波数で位相が変化するので実害がないように調整する方が重要。Room EQで帯域分割してその場でイコライジングと180度反転とディレイで微調整で充分。というか、
今回のFireface 802 FS AEはリスニング用に買ったのではなくて、音作り用です。
とはいえ、色々遊べそうです。ただ遊ぶ前に今までいっぱい持っていたXLRケーブルは使い道がなくなりそうです。今後はTRSケーブルにシフトですが、、、大量に作らないといけないですね。








