倉庫に13年間しまっておいた車を復活させようと思っての昔話(3)タイミングベルト強化 | そうそう変わるもんじゃねえな (前略、ドイツにて。あらため)

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ゆるーく日常をつづります。と言いながら、6年ぐらいほったらかしにしていたブログ。2018年に入ってから思うところあって復活したけれど、とりあえず三日坊主の危機は脱出。でも、あまり更新しないなぁ。

 

Lancia Deltaは壊れやすいかと言われれば、そんなに壊れる感じではないです。

 

ただ、もともと1.3リットルのFFの車に2リットルターボ4WDを詰め込んだのに、FF仕様の時には存在したエンジン下のメンバーが省略されているので、フロント周りは、かなり無理がかかっていて、その影響だと思いますが、ドア開口部などのスポット溶接をするための縁部の隅には、たいていクラックが入ります。

あとは、エンジンルームの、フロントのタイヤハウスとバルクヘッドの付け根あたりにクラックが入りますが、

シーラーを剥がさないと見えない場合もありますのでエンジンルーム内のクラックは気が付かない人もいると思います。


あとは、タイミングベルトが切れやすいです。ベルト幅が細いし、エンジンルームがめちゃくちゃ熱いので2万Kmで交換とか言われていますが、一般論でいうタイミングベルトは10万Kmぐらい持つべき部品で、そんな頻度で交換する部品ではない。

 

そんな状況の中で、社外品でデルタ用の強化タイミングベルトというのが出回っていました。青色の強化タイプのベルトで、某社外パーツメーカーとのタイアップ品だったように記憶していますが、私は使ったことがないです。材質を見直したり内部の芯線の耐久性を上げていることは良いのですが、細幅では強化に限界があります。歯形もいわゆる昔ながらの台形歯形の設計なので、歯元かかる応力が高く、どうも使う気になりませんでした。 根本的にベルトの幅と歯形の両方を見直して強化する必要があると思っていました。

 

私は、独自にSTPD歯形のベルトへの変更を模索しており、当初は産業用の30mm幅で検討していたのですが、試行錯誤の結果、トヨタの4S系のエンジンのタイミングベルト(27㎜幅)の流用に落ち着きました。ベルトが取り付けられるように、プーリーやテンショナーまですべて作り直しました。 

なお、トヨタの4S系のベルトを流用するには、ベルトの総山数がランチア純正ベルトよりも少なく、ベルトの長さが足りないので、プーリの山数を減らして巻き付け直径を小さくするとか、ヘッド面研でクランクとカム間の距離を詰めるなど、小技を使って帳尻を合わせました。

 

以下、ランチアのエンジンにトヨタのタイミングベルトを取り付けた写真ですね。バランサーベルトも撤去していますが、バランサーシャフも撤去。シャフトを抜くと油圧が下がるので、そのあたりも対策していますが、、、、

 

 

この写真を見てトヨタの4Sとデルタのタイミングベルトに互換性があると勘違いするなんて人はいないと思いますが、20年以上前にデルタのタイミングベルトの弱点克服を個人的に取り組んで、目指せタイミングベルト10万キロ長寿命化というノリでワンオフでプーリ迄作りました、というお話。

 

なんというか。多分この改造に要した労力は、純正のタイミングベルト5回交換したほうがはるかに楽だと思う。

 

いまなら、チェーン駆動にするか、悩ましいですね。

バランサーシャフトを撤去しないと通せないタイミングベルトのラインですね。テンショナーもオリジナルで自作。