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カソナード cassonade

先日Pが鶏の照り焼きを作ってくれた際に、「照り焼きには醤油とみりんと砂糖が必要なんだよ」と教えてくれて(私を何人だと思っているのだろうか?)、しかも「砂糖はカソナードが良い」ということで、私の家にはないカソナードを鶏肉と一緒にモノプリで買って持ってきてくれた。


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和食に使うべき砂糖なら上白糖ではないのか? と思ったけれど、調べてみるとこの cassonade はサトウキビを原材料としてシロップ(糖液)を結晶化して作る砂糖とのことで、三盆か三温糖に近い。


Cassonade をどう訳すべきか、あるいは訳語がないのかどうかよくつかめないが、わりとこの砂糖でお菓子を焼くと、グラニュー糖を使ったときよりもざっくり仕上がる。それと、グラニュー糖よりも蔗糖が少ないがいわゆる雑味のおかげで甘みが強く、使用量を抑えるとお菓子自体の味が引き立つ。


昨日、レモンを消費したかったのでレモンケーキを焼いた際、グラニュー糖の代わりに Cassonade を使った。グラニュー糖のときより旨味が多い感があるし、卵臭くならないのが気に入った(私は卵が苦手)。ただ、Cassonade はレシピの砂糖の分量の5割から3割程度にとどめるのがよいように思う。少しがっしりし過ぎるような焼き上がりだった。(とはいえ、日本の薄力粉で作ると、それはそれでまたしっとり仕上がりそうで、一概には言えない。)


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フランスには、色つきのお砂糖というと、ブラウンシュガーや赤砂糖と呼べそうな sucre brun や sucre roux のほか、 cassonade と vergeoise などがある。


cassonade と vergeoise に限って言うと、cassonade はサトウキビから、vergeoise はビーツ(てんさい)から作られたブラウン色の砂糖で、フランスではわりと南寄りが cassonade派、北寄り(特にベルギー国境付近)が vergeoise派なのだそうだ。


ことに vergeoise は香ばしいというか薫り高く、ベルギーの speculo というスパイシーなクッキーだかビスケットには、この vergeoise が使われていると言う(なんとなく粗糖に似ている気もするが、製法を見る限り別物)。Lotus の Speculoos などでおなじみのあの味は、単なるスパイスの使用によるものではなく、そもそもこの独特の香りのする砂糖が使われていたベルギー付近の風土から必然的に産み出されたというわけ。


ちなみに、cassonade は粒がわりと大きいのに対し、vergeoise はきめが細かく、しっとりした感じで、そのしっとり感は上白糖のようで日本が懐かしい。vergeoise を使ってお菓子を焼くと、しっとり焼き上がる。cassonade とは正反対。砂糖は奥が深い。


なお、wikipedia の cassonade のページは日本語の黒砂糖のページにリンクしているが、cassonade は黒砂糖ではない。