天井の高さまたは低さ
地下鉄の駅のコンコースの隅っこを歩いていたら、だんだんと低くなっていく天井の低さに、そもそも天井はなぜ高くなくてはならないのかという思いがよぎった。近ごろの駅は天井がうんと高く、昔作られた銀座線や丸の内線の古い駅は、天井が思いっきり低いことがある。昔の建築のままのデパートも、改装を経た今では、梁のない部分の天井をくりぬくようにして、天井を高くみせる工夫をする。人は天井が高いと圧迫感を抱くようだ。だが、あまりに高い天井も、威圧感を感じさせるが。私がよく行く図書館は、明治に建てられた歴史に残る建造物で、どういうわけか無駄に天井が高く、空調の効きがすこぶる悪い。その高い高い天井を虚しい思いで見つめては、今取り組んでいることの虚しさをいくど感じたことだろう。
低い天井、そして地下。縦に続いていく通路。そんな地下道が思い出させたのは、フランスのブルゴーニュ地方のどこかで見学したワインカーブの様子だった。地下通路はさすがにワインカーブほど暗くもなかったけれど、ワインの樽がごろごろ並んでいるところを思い出した。樽がなければただの地下室。なぜワインカーブ見学は多くの人の心をそそるのだろう。そんな解けそうにもない愚問さえ抱いた。ワインカーブだからこそ見学に行くとはいったいなんなのだろう。ワインが好きな人ならば、こぞってワインを寝かせるところも見たいと思うものなのだろうか。日頃あれほど天井の高い建物に好感を抱くのに。無意味さにかすめとられる愚問は、なにか真実を見せているような気もする。そう考えるのが好き。あからさまに意義のある用事は、どうも深さや広がりがない。
低い天井、そして地下。縦に続いていく通路。そんな地下道が思い出させたのは、フランスのブルゴーニュ地方のどこかで見学したワインカーブの様子だった。地下通路はさすがにワインカーブほど暗くもなかったけれど、ワインの樽がごろごろ並んでいるところを思い出した。樽がなければただの地下室。なぜワインカーブ見学は多くの人の心をそそるのだろう。そんな解けそうにもない愚問さえ抱いた。ワインカーブだからこそ見学に行くとはいったいなんなのだろう。ワインが好きな人ならば、こぞってワインを寝かせるところも見たいと思うものなのだろうか。日頃あれほど天井の高い建物に好感を抱くのに。無意味さにかすめとられる愚問は、なにか真実を見せているような気もする。そう考えるのが好き。あからさまに意義のある用事は、どうも深さや広がりがない。