刃頭インタビュー!! | ●club buddha/shiva 

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名古屋の老舗クラブ「club buddha」&クラブ系モダンバー「SHIVA」のプログ。 

 

生粋トラックメイカーでありクラブDJの刃頭!!

ヒップホップの今、そして黄金期だった90年代

TWIGY、TRIGGER、TOKONA-X、YANOMIX

についても語ってもらった。。

 

●1987年からTWIGYとの「BEATKICKS」

TOKONA-Xとの「ILLMARIACHI」DJ KRUSHらとの「Kemuri Productions」そしてYANOMIとの「OBRIGARRD」と活動してきてまた次に何かでそうですか?

 

: 振り返れば、凄いメンツと組んで来たなと思いますね、、、TWIGY、TOKONA、DJ KRUSH、DJ YAS、DJ KENSEI、DJ HIDE、TRIGER、YANOMIX、、、この強烈なメンツが、みんな相方です。笑。今はYANOMIXとのOBRIGARRDに集中してるんで、次に何かとは考えてないです。でも、命が尽きるまでヒップホップやってくって決めてます

 

 

●ここ最近良いトラックメイカーが凄く多く出てきてますがこいつは凄いと思われるトラックメーカーいますか?

 

 : たしかにトラックメイカーは増えたんですけど、それは誰でも簡単にトラック作れる環境になっただけで、個性を感じないんですよね。ヒップホップって個性なきゃ意味無いじゃないですか。

 

人の音楽パクってトラック作る以上、新たなオリジナルな部分が無いとサンプリングしたミュージシャンに失礼だと思うんです。

 

これはずっと前から感じてるんですけど、、、1990年に発表されたBDPの「Edutainment」と言う曲のトラック以降、凄いと思ったトラックは無いですね。尾張名古屋のマーリーマールと呼ばれてたんで、マーリーマールと敵対してたグループなので言いにくいですけど。汗。

 

でも、、、前にDJ BAKUがヤラかした「HYBRID DHARMA BAND」には嫉妬しましたね。。。随分前だけど。

 

もちろん最近の曲でも好きなトラックはたくさんありますけどね。凄いと思うまでのトラックは無いなぁ、、、

 

 

 

●MPCを楽器のように使いこなすアーティストとか出てきてヒップホップの進化には驚いてますが、そのあたりどうですか?

 

 : LIVEでMPC叩くのは全然新しい事じゃ無いですよ。ちなみに僕は30年前からLIVEやDJする時にドラムパット使ってます。進化と言えば、ヒップホップに限った事じゃないですけど「オートチューン」の登場で音楽界はかなりかわりましたよね。進化かどうかはわかんないですけど。笑

 

ツイギー自叙伝、十六小節より

 

●Twigyと再会したと聞きましたが、どうでしたか?

 

 : 変わってなかったですよ。俺たちは会えば高校生の時から何も変わらず、バカな話ばかりです。居酒屋で、俺が出てきた夢の話を事細かく話してくれました。

 

後日、その夢を忘れないようにメモしていたと言うイラスト入りのメモをSNSでアップしてて、ビックリしたのと同時に、なんだか凄げえ嬉しかったなあ。

 

 

●Twigy今思えばコンシャスラッパーの第一人者ではないですか? (社会性、政治、思想的なことをリリックに落とし込んだラッパー)

 

 : TWIGYは日本ラップ界の宝。メッセージ的にもテクニカルな部分やスタイル、言葉遊びにしても群を抜いてた。1980年代からリリックに社会への風刺、政治への不満、まだ色濃くあった人種差別等の意見を落とし込み、ラップしてた。

 

かと思えば、恋愛についての楽曲もあったりして。なんせ、TWIGYと俺で組んでいた「BEATKICKS」は名古屋に限らず、世界的に最先端なことヤってた自信はあります。

 

1曲のバッグトラックに7枚のレコードを使いつつドラムマシンを叩いたりしてましたから。もちろんLIVEでもそれを再現してました。

 

 

●twigyの本にブッダでのイベントフライヤーが数点掲載されてましたが、あの時代どんな生活ルーティンでしたか?

 

 : TWIGYはお父さんの出したなんだか難しい本の挿絵を描いたりしてて。めちゃ絵がうまいんすよ。個性的で。あの時期のBEATKICKS関係のフライヤーはほとんどTWIGYの手描きです。

 

あの時期の生活は、、、まるでこの世に「昼間」なんて無かったような生活っすね。

 

ツイギー手書きフライヤー  1988年作

 

●90年代ヒップホップの黄金期ブッダでトリガーとプレイしてた土曜は凄い集客でしたね? どんな選曲内容でしたか?

 

 : 水谷さん(トリガー)がレゲエで僕がヒップホップです。水谷さんもヒップホップに凄く理解してくれていたので好き勝手ヤらせてもらってたんですが、ジャンルが違うので交代する時には気を使いましたね。。

 

水谷さんの選曲で踊っているお客さん達をなんとかフロアにとどまらせようと必死だったように思います。それが今の自分の選曲の根っこになってるのかも知れないですね。今はどんなジャンルの人とでも一緒にプレイできる自信がありますよ。

 

●トリガーとは事前に選曲の打ち合わせとかしましたか? 

 

 : 選曲の打ち合わせはしなかったですね。

 

僕らは生粋なクラブDJで選曲家なので、ディスコDJのような、あの曲のあとはこの曲だみたいな決まりはクソだと思ってます。

 

相手がどんな曲で終わっても自分の選曲につなげるのが本物ですから。

 

水谷さんはレゲエに限らず、色んなジャンルの音楽をかける、選曲の幅の広い素晴らしい選曲家なのでかなり勉強になりましたね。しかも、水谷さんがかけると全部レゲエに聴こえる。笑。きっともう、水谷さんがレゲエそのものなんですよね。

 

VOL2に続く...