今月に入って各地で小さな地震が続発しています。


8月1日:奄美大島近海(1)、熊本県熊本地方(2)、福島県沖(2)、神奈川県西部(1)

8月2日:新潟県下越沖(3)、岩手県内陸部(2)、新潟県下越沖(1)、茨城県南部(1)

8月3日:岩手県沿岸北部(1)、新潟県下越沖(2)、福島県沖(3)、熊本県天草・芦北地方(4)

8月4日:淡路島付近(1)、岩手県沖(1)、新潟県中越地方(1)、富山県東部(2)

8月5日:栃木県北部(2)、宮古島近海(4)、日向灘(4) *()内は最大震度です。

weathernewsを参照しました。


最新では本日午後0時51分頃、大分県佐伯市で震度4の地震が発生しました。震源地は日向灘で、震源の深さは約30キロで、マグニチュードは5.0と推定されています。


なんだか不気味ですね・・・。大きな地震の前兆なのでしょうか?


地震と言えば事前に地震を予測できる「緊急地震速報」に期待がかかりますが、同サービス開始後には誤報も多く、精度の向上の望まれていました。


気象庁は、緊急地震速報の迅速化と精度向上のために以下のような取り組みを行っています。


①新設観測点の緊急地震速報への活用

昨年10月から運用を開始した東海・東南海沖のケーブル式 常時海底地震観測システムと、同年に整備された島しょ部観測点のデータを緊急地震速報に活用する。


②マグニチュード推定式の改良式の適用

緊急地震速報評価・改善検討会および同会技術部会の検討を踏まえて、新設観測点の活用開始と同時にP波を用いてマグニチュードを改良したものの適用を開始する。


①は、新設観測点による観測データの活用によって、新設観測点付近で発生した地震に対して地震を検知するまでの時間を短縮でき、緊急地震速報の発表タイミングが早くなるそうです。


たとえば2004年9月に起きた紀伊半島の地震(M7.1、最大真土弱、深さ38キロ)地震の場合では新観測点データを活用することで速報の発表を8秒以上早めることが可能だということです。さらにこの地震で震度5弱を観測した和歌山県新宮市の猶予時間は5.4秒から14秒に、奈良県下北山村の猶予時間は11.8秒から20.3秒になるそうです。


②は、緊急地震速報のマグニチュードの推定には、S波到着前後に応じた2種類の式を使用されています。そのうち、S波到着前に使用しているP波によるマグニチュード推定式では、規模の大きな地震に対して実際よりも小さなマグニチュードを推定してしまう傾向が認められたために、新しい推定式を導入したものです。


新しい推定式によって規模の大きな地震が起きた場合、P波によるマグニチュード推定式のように早い段階でのマグニチュード過小評価がなくなることから地震直後から適切なマグニチュードを求めることが可能になりました。


たとえば昨年7月に起きた岩手県北部の地震(M6.8、最大震度6弱、深さ108キロ)では、改良前のP波推定式による速報を発表する基準に達したのは検地後20.8秒後でしたが、改良版では地震波検地の4.4秒後に速報を発表することができるというのです。結果的にはすべての地域で猶予時間ができるというのです。


上記による改良システムの導入は8月3日よりスタートしています。


気象庁の「異常気象分析検討会」は、山口県や九州北部に豪雨をもたらした要因が太平洋東部赤道地域の海面水温が上昇する「エルニーニョ現象」などによるものという見解を発表しました。


以下に気象庁のリリースを参照させていただきました。


7月は太平洋高気圧の張り出しが弱く、西日本から北日本にかけて低気圧や前線の活動が活発でした。そのため各地に大きな被害を発生させることになりました。


要因としては以下の3つが挙げられています。


①停滞した気圧配置は亜熱帯ジェット気流の南偏と蛇行の持続に伴うもの、②エルニーニョ現象(*) や熱帯大気の気温が平年より高かったことが亜熱帯ジェット気流の南偏と蛇行に大きく影響して太平洋高気圧の張り出しを弱めた、③エルニーニョ現象に加えて赤道内振動(*)も、7月下銃の太平洋高気圧の張り出しに影響した


*エルニーニョ・南方振動:大気ではインドネシア付近と南太平洋東部で海面気圧がシーソーのように振動して変化し、海洋では赤道太平洋の海面水温や海流などが変動する自然現象。

*赤道内振動:発達した積乱雲の大規模な集合体である「赤道内振動対流活動」を活発化させる位相が30~60日の周期で赤道域を東に一周する現象。


なんだか分かりづらいですね。要は「太平洋高気圧の張り出しを弱めた原因」は南方で起きたエルニーニョ現象による影響が大きいと言っているのですね。


「エルニーニョ現象」によって海面水温が上昇し、その影響で6、7月の地球全体の平均海面水温は平年より約0.3度高く、観測史上最高を記録しました。同現象による海面水温の上昇によって赤道付近では大気の対流が活発化し、偏西風の強まりと南下を促してしまったのですが、このために太平洋高気圧の力が弱まってしまったというのですね。さらに南から雨を降らす暖湿気が続々と送り込まれたために梅雨前線が補強され、長期にわたって日本上空に居座って梅雨が明けなかったというのです。


繰り返しになりますが、梅雨明けは太平洋高気圧によって梅雨前線が日本上空から押し出されるという構造によって形成されているのですが、今季は前述のように太平洋高気圧の力が弱かったために梅雨前線は日本上空から動かず、8月近くになっても梅雨明けらしい気候にならなかったのです。


梅雨明けが長引いたことによって今年の夏は冷夏となっています。蝉が鳴き始めたのも結構遅かったですよね・・・と言っているうちになんだか夏の終わりのような気候です。現在、台風(8号)が発生して沖縄に向かっています。7日には沖縄県に接近するもようです。


油断できない今年の天気。今後もゲリラ豪雨などに気をつけてください。


先日、館林の竜巻のお話で、「ダウンバースト」のことに触れたら、早速・・・というか現実にダウンバースト現象が起こったようです。


場所は京都宇治市です。


京都宇治市で1日に起こった突風による被害は、下降気流「ダウンバースト」のよる可能性が高いと京都地方気象台が発表しました。


同気象台が調査したところ、突風の被害が円状に広がっていたことがわかりました。さらに同時刻には同地を積乱雲が通過していたこともわかりました。


今回の被害は重要文化財に指定されている「黄檗宗大本山萬福寺」の本堂や八つの建造物で屋根の瓦が130枚以上が吹き飛んだり、近くのゴルフ練習場ではコンクリート製の支柱29本が折れて倒れるなどの被害がありました。幸運にも人的な被害はありませんでした。


「ダウンバースト」は、積乱雲から膨大な量の降雨があると水滴によって空気が押されて下降気流が発生します。この下降気流は非常に勢いがあるもので、大きな被害をもたらすこともあるそうです。このレベルの下降気流をダウンバーストと呼びます。空から突然空気の爆弾を投下されたような大きな被害が発生するようです。



クラウド・バスターの安全対策

ダウンバーストは、日本でもいくつかの事例がみられるようですが、大きな被害例はありません。アメリカでは雷雨時に高い確率で発生し、深刻な被害をもたらすようです。特に飛行機には墜落の大きな要因となっています。飛行中にいきなり地面にたたきつけられるような気流が発生するのだそうです。




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今日の千葉県北総台地上空です。先日同様に成田方面に降雨があるようです。

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アップにすると…。

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積乱雲の中心から滝のように雨が地上に降り注いでいるように見えます。


群馬県館林市で起こった「竜巻」 による被害は、日本ではあまり見られない惨憺たるものでした。


竜巻は継続して回転する上昇気流を要した積乱雲や非常に激しい雷雲「スーパーセル」 によって引き起こされる現象のようですが、その発生要因は、はっきりとは解明されていないようです。


現在、日本上空には太平洋高気圧に勝ち誇ったように梅雨前線が居座って、下の写真(竜巻発生当日の千葉県の空です)のような積乱雲がうろついて(笑)おり、また突然、竜巻が発生してもおかしくない状況にあります。


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今回のように日本上空に梅雨前線が居座ると「集中豪雨」が起こり、それに次いで積乱雲が異常な現象を引き起こす可能性が高まるようです。


竜巻のほかにも「ダウンバースト」という現象が引き起こされる可能性もあるようです。積乱雲から膨大な量の降雨があると水滴によって空気が押されて下降気流が発生するのです。この下降気流によって大きな被害をもたらすこともあるそうです。このぐらいの下降気流をダウンバーストと呼びます。空から突然空気の爆弾を投下されたような大きな被害が発生するようです。


日本でも事例があるようですがアメリカでは雷雨時に高い確率で発生し、深刻な被害をもたらすようです。特に飛行機には墜落の大きな要因となっています。飛行中にいきなり地面にたたきつけられるような気流が発生するのです。


さて、竜巻には種類があって多重渦竜巻(複数の渦がまとまって活動する竜巻)、衛星竜巻(大きな竜巻の周囲にできる竜巻)、水上竜巻(会場で発生する竜巻)、陸上竜巻(陸上で発生する竜巻)、空中竜巻(空中にあり、地上に達しない竜巻)などがあります。


類似のものとして塵旋風(学校の運動場や荒地に発生するつむじ風)、冬季水上竜巻(冬季に温かい水面と冷たい空気が接して発生する)、ガストネード(突風性の旋風)、火災旋風(火災の熱や強風などによって発生)、漏斗雲(上空から漏斗のように垂れ下がった雲)などがあるようです。


竜巻の大きさを見るとき「藤田スケール」 という測定基準があるそうです。1971年にシカゴ大学名誉教授の藤田哲也 さんという気象学者(日本人ですね!98年に亡くなっています)がアメリカの国立暴風雨予報センターの局長であったアレン・ピアソンという方とともに提唱されたとものです。


お二人はアメリカ海洋大気庁の国立トルネード・データベースに蓄積されていた関連報告書を1950年にまで遡って調査し、歴史上有名なトルネードについても研究対象として藤田スケールを提唱したのです。


藤田スケールにはF0からF6まで6段階あります。以下参考までにwikipedia「藤田スケール」から転用させていただきました。


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F0:被害は比較的軽く、木の枝が折れる、道路標識等の損傷です。


F1:中程度の被害で、屋根がはがされたり自転車が道路に押し出されたりします。


F2:大きな被害。家の壁ごと屋根が飛ぶ、貨車の脱線や転倒、軽いものはミサイルのように飛ぶそうです。


F3:重大な被害をもたらします。しっかりした家でも屋根と壁が吹き飛ぶ、列車は脱線転覆、重い自動車も宙に浮くなど・・・かなり強い竜巻です。先日の館林市の竜巻はこのF3に該当するそうです。90年の千葉県茂原市、99年愛知県豊橋市、2006年の北海道佐呂間の竜巻被害もこのF3に該当します。


F4:深刻な被害をもたらす竜巻です。かなりの距離を家が飛び、車は物凄い勢いで飛び、日本ではこのクラスの竜巻が発生したことがなく、将来も発生しないだろうと思われています。


F5:日本では想像もできないほどの壊滅的な被害をもたらす強力な竜巻。竜巻の進路上にあったものはことごとく破壊され、家や自動車が信じられないほどの距離を飛びます。


F6:未曾有の大被害をもたらす最強の竜巻。このクラスの竜巻は現実に実証されていませんが、99年のアメリカのオクラホマで発生した瞬間風速142m/s1の竜巻がこのクラスのものだそうです。


当初の藤田スケールは推測による部分が大きかったために、情報を整理し修正した。その後、修正版、改良版(EFスケール)が発表されています。


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いずれにしても、最近の天気は異常です。竜巻以外にも何が起こるか誰にも予測ができません。


おまけです。本日の夕方の雲たちをご覧ください。ではまた・・・。


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今日は一日中・・・暗い雲が凄いスピードで駆け抜けていきました。

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これは積乱雲の上で回転しているように見えた雲です。ダンシング・クラウドって感じでしょうか?


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雷鳴が轟き、突然暗雲が漂う

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嵐の中を飛ぶ自衛隊機


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雲の切れ間を見つけて飛び去ったが・・・


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まるで雲は荒波のようにうねり


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飛行機を飲み込んだように見えた






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今日も昼近くになって突然雷鳴が聞こえて写真のような雲が広がっていきました


連日、西日本での集中豪雨による水害のニュースが報じられています。


日本では相変わらず山間に点在する木造の住居の被害があとをたちません。その土地に古くから住み着いているのですから“危険な地域”でも引っ越す気が起こらないのは当然でしょう。


また、こういう危険な時にわざわざ河川地域に出かける方々もいて、自ら命を落とすことも少なくありません。


しかし、命に関わることです。命あってのものだねではないですか? 死んでしまったら元も子もありません。


毎年、集中豪雨の被害がなくならない要因には“温暖化”が挙げられるでしょうが、前述したように山間地に建つ木造住宅という危険な条件、豪雨時の外出など・・・よく考えれば事前に危険を防げることなのです。


要は山間地から転居する、木造を鉄筋構造に建て替える、豪雨の日には出かけない・・・だけのことなのです。ただし、転居や建て替えには結構なお金が必要ですから、「危険な日には安全な場所まで避難する」ことが大事です。


危険地域では自治体や地域住民が主体となって安全な避難場所を確保するとともに、自治体は日々の監視を怠ることなく避難命令などを早めに出すことが重要でしょう。今回も避難命令の遅れが山間地に建つ老人ホーム(こちらは鉄筋の丈夫な建造物なのですが大きな窓を突き破って土砂が侵入)で多大な被害を出してしまったのです。


さて、集中豪雨とは「限られた地域に短期間で多量に雨が降る」ことで、時間雨量50ミリを超える場合を指すようです。土砂流、地滑り、がけ崩れなどの災害が起きやすいのが特徴です。集中豪雨のほとんどは大気の不安定などによって発達した積乱雲によるものだそうです。積乱雲が発達すると下降気流とともに大粒の雨を降らせるのです。さらに今回の場合は、温かく湿った空気が集まって人間の下のような形状を作る「湿舌(しつぜつ)」 に当たってしまったためのようです。


今回の九州地区の豪雨は、沖縄方面から延びる湿舌の先・・・ちょうど九州北部上空に「テーパリングクラウド」 という積乱雲が発生して起きたもののようです。


もちろん湿舌や積乱雲だけが豪雨の要因ではなく、根本的には本当の「梅雨明け」になっていないことが原因のようです。


梅雨明けは太平洋上の高気圧が梅雨前線を押し上げて日本上から移動させるメカニズムによるものなのですが、今年は太平洋高気圧の力が弱くて日本から梅雨前線を動かすことができないようです。ですから今でも各地で積乱雲が発生して集中豪雨による被害があとをたたないのです。


太平洋高気圧が弱くなったのも“温暖化”による影響が大きいのでしょうね。


とにかく今は「自治体が豪雨を監視して早めに警報を出す」「地域住民も素直に従う」「危険な場所には出かけない」が重要なのです。


今週も、ぐずついた天気が続くそうです。まだまだ集中豪雨には気をつけなければなりません。


またもやニュースが入ってきました。館林市で竜巻が発生して広範囲にわたって被害が出た模様です。


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これは本日夕方の千葉県成田市上空の雲です。雲の下には結構な降雨が滝のように見えます

さて、脳梗塞で入院していた母は、相模原の病院から「言語リハビリ科」がある大和市の病院へと転院することとなりました。その間、連休があったので、歩いても支障がないくらいに回復した母を一度家に戻す許可をいただいて3日間は親子水入らずで過ごしたのです。


病院に2週間入院していて随分疲れたようです。食も細くなり痩せていました。


発作が起こって食べたものを部屋中に吐いてしまったせいでしょうか。「食べると、また脳梗塞になる気がする・・・」と母は食事に恐怖を覚えるようです。


肉体的には既に麻痺はなく、普通に立ったり歩いたりできますが、言語のみが多少不自由なようです。


といっても多少の不自由です。反射的に返事をするような内容には即答できるのですが、自分の家族の(僕たちのことです)名前や品物の名前を聞かれたときには「これって・・・あれ、なんだっけなんだっけ・・・う・・・ん・・・もう!」といった感じですぐには思い出せない様子です。また「さ行」の言葉がうまく発音できないようです。


これを大和市の病院ではリハビリで少しずつ元に戻していくといったことを行うのです。


さて、転院当日です。僕と妹は母を連れて大和市の病院に行きました。その病院は軍隊の病院だったために陰気な感じの相模原の病院よりは明るい印象です。入院棟は六角形の妙な構造で、そのために日当たりや風通しを考えた構造になっています。母の部屋は4人部屋なのですが各部屋ごとに窓が設けられ、ぐるりと部屋ごとをカーテンの仕切りによって囲われています。つまり4人部屋といっても個室のようなイメージなのです。


病院ではまず僕と妹と母の3人が面談室に呼ばれて担当医師にいろいろと質問を受けました。


医師は今回倒れた様子から母の病歴やアレルギーなどを細かく聞いていきます。母の応答の様子から病状を確認しているようです。面白いのは質問の最後に「病気をどう直したいのか」「退院したらどうしたいか」と聞かれたのです。


こんなことを聞かれるのは初めてです。こういったことも母の病状や私たち家族の結束性というのを見ているのだなと感じました。質問が質問ですから返答に困るのかと思ったら母は「普通にしゃべれようになりたいです。退院したらすぐに家に帰りたいです」と即答したのを見て僕は驚きました。


そういえば相模原の病院でも「退院したらお母さんの面倒を誰が見るのですか」ということを聞かれました。今回の母の入院を機会に“病院や医者は冷たいもの”だとばかり思っていた僕は反省するのでした。


「10日ほど様子を見て、その後の入院期間などを相談しましょう」と笑いながら医師は部屋を出て行きました。長くて数カ月の入院となるようです。


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右 「豚インフルエンザの真実」(ISBN978-4-344-98128-7)幻冬舎新書 760円+税

地震本の他2冊については後日に触れます


少し前に発行されているのを知らなかったのが恥ずかしくなるくらいに重要な本です。


特に企業の危機管理担当者さんは必読の書です。


著者の外岡さんは北海道出身の医学博士。専門は小児科学、公衆衛生学だそうです。平成5年から世界の英語ニュースサイトからインフルエンザに関する記事をピックアップするサイト「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集」を立ち上げています。


内容は今回の新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に関する4月からのドキュメント記録、世界史を変えるほどの過去に起きたパンデミック、鳥インフルエンザの不気味な予兆、過剰で穴だらけだった日本における今回の新型インフルエンザ対応・・・などです。


専門家なうえにインフルエンザに関して長年研究している著者の全体を通した辛口の文章は、偏見を持った一部を除いては、素人の私など大半が納得できるもので頭が下がるものがあります。


この本についてはまた触れることとしますが、「エスカレーターや電車内で痰のからんだ湿性咳、くしゃみ等をする人が散見された。新型インフルエンザの可能性が否定できないにもかかわらず、ほとんどの人は口や鼻を全く覆うことなく、空気中に飛沫物をまき散らしていた」と著者が書かれるエピローグには、今年の冬に起こるであろう新型インフルエンザの不気味な足音が感じられるのでした。

ミドリ安全さんから“経口補水液”なるものが発売されました。商品名は「OS-1 オーエスワン」 です。


下痢や嘔吐、発熱等での脱水症状の治療に用いられるものです。


たとえば感染性の腸炎や感冒によるもの、高齢者の経口摂取不足(水分を摂取しないと排尿などの代謝物の排泄ができなくなってしまいます)、過度の発汗・・・今の時期の熱中症などによる脱水症状ですね。


補水液は、食塩とブドウ糖によって作られるのですが、ミドリ安全さんの「オーエスワン」は、100gあたり(エネルギー10kcal、タンパク質と脂質は0、炭水化物2.5g、ナトリウム115mg、ブドウ糖1.8g、カリウム78mg、塩素177mg、マグネシウム2.4mg、燐6.2mg)と、電解質と糖質をうまくバランスさせたものとなっています。


凄いのは、ゼリータイプがあることです。ゼリータイプは、そしゃく困難なときや嚥下困難なときに用いることができます。ただし、この場合は医師に相談の上に利用してくださいね。


ここ数日間は暑い日が続いています。まさに猛暑と言っても過言ではないほどです。それなのに猛暑時でも凍死するという推理小説じみた事故が北海道で発生しました。といっても気温が低い高山の上での事故ですからそれほど不思議ではありませんがね。


今回の事故は、北海道大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)と美瑛岳(2052メートル)で登山中に高齢者による二つのパーティーが遭難した事故のことです。パーティーは旅行業者の企画による登山ツアーの方々でした。


北海道警察と自衛隊の救助隊は16日の深夜から17日にかけて両山中を捜索して、トムラウシ山ではパーティー18人のうち男女13人を発見、ヘリコプターで収容したのですが、このうち8人の方たちが死亡しました。


それ以外の5人の方々は同日の朝までに自力で下山しました。


また、美瑛岳のパーティー6人も発見されましたが、女性1人が死亡しました。


さらに、両パーティーとは別に単独でトムラウシ山を登山していた男性1人の遺体も発見され、大雪山系を巡る遭難事故の死亡者は夏山としては異例の10人に上る大惨事となりました。


死因はいずれも高地での気温の低さに合わせて暴風雨などによって低体温症からの凍死であるとみられています。


北海道警察は、このツアーを企画した旅行業者を業務上過失致死容疑で捜査しています。


低体温症というのは恒温動物(周囲の気温に左右されずに一定の体温を保っていられる動物です。この場合はもちろん人間です)が慣例状態におかれたときの総称だそうです。おなじみwikipedia を参照しました。低体温症からの死を「凍死」と呼びます。


症状によって対処方法が異なりますが、ゆっくりと体を温めていくことが肝心なようです。慌てて急激に体を温めると心臓に負担がかかってショック状態に陥ることがあるそうです。アルコールも体は温まるものの眠気を誘ってしまうので事態を悪化させる可能性があるので避けるべきだそうです。


温かい飲み物はいいのですが、意識がはっきりしていないと飲み物で呼吸ができなくなって溺死してしまう可能性もあるので注意が必要です。


ニュースではツアー業者だけが悪く言われていますが、登山ブームに乗って、自分たちが高齢者だということも考えずに行動してしまったのもどうかと思います。それに参加者がばらばらになって下山しているのも腑に落ちません。俄か登山家ではなく、登山の専門家を同行させなかったのは業者の責任ですが、いつだって自然をなめてかかってはいけません。