胚培養の最終結果を聞きに、クリニックへ行った。待合室で呼ばれるのを待つ間も、特段、心理的揺らぎはなかった。一つは、「やるべきことはやった」から。もう一つは、クリニックの培養技術が高く、過去の培養成績を鑑みて、少なくともいくつかは胚盤胞ができているはず、と自然に思えたから。


 3日目で10個あった胚は、全て胚盤胞到達を目指して培養を続けた。

(それまでの経緯はこちら)


その結果、胚盤胞が5つできた。胚盤胞到達率を「胚盤胞数/受精卵数」と定義しても、「胚盤胞数/成熟卵数」と定義しても、50%であった(つまり正常受精率100%)。前クリニックでは、前者は36.36%、後者は26.67%であったことを考えると、このクリニックでの培養成績は異常に良いと思う。

得られたものは以下の通り。

*顕微授精由来

・8G2が3ACに

・9G2が3AAに

・10G3が4BCに

*体外受精由来

・12G3が4CCに

・8G1が4BBに

「4回目の採卵をやって良かった。」

全ては、そう思えたことに尽きる。


 診察では、採卵を続けるか、移植フェーズに入るかを尋ねられた。今は次のことを決めきることをせず、心が動くのを待つことを伝えた。私の脳は単純なので、採卵の痛みを時間の経過と共に忘れる。最終的に頭に残るのは、雑誌記事索引レベルの情報粒度の事項であって、だんだん痛みのリアルな感覚の記憶は消えていく。故に、今、無理矢理にもう一度採卵をがんばることを決める必要もないと思った。ニュートラルな状態が「ニュートラルな気持ち」を産み出してくれる、とも思う。

「(今、まだ何も決めないけれど、)次の次の生理が来る頃にはおそらく『もう一度採卵をしたいです。』とやってくる可能性が高いです。」と医師にも伝えてみた。


しばらくの間、敢えての宙ぶらりんで、心と身体にエネルギーが充填されるのを待とう。


(帰りに食べたキルフェボンのいちごタルト)