最近、「物理学を用いて化学をより正確に理解する」ということをやり始めたらとても楽しい。


 例えば、原子の三つ目の殻からは、s orbital, p orbitalの他にd orbitalが出てきて、

電子が入る順番が(一つ目の殻のs orbitalを “1s”と表記するとすると)、

1s → 2s → 2p → 3s → 3p → 4s → 3d …

となる。3dより4sの方に先に電子が入るのは、4sのほうがエネルギーが低いからで、4sのあとに3dを埋めていく時、最外殻電子の数は変わらない。故に遷移元素の化学的性質は似ている。なぜ、3dより4sのほうがエネルギーが低いのか、というのは、電子の存在の確立分布の問題で、物理の「電子は『粒子』であり、『確率の波』である」ということを理解していなければ、飲み込みづらい部分だ。

小3〜小4くらいで息子が化学にハマった時は周期表のCaまでは電子配置を理解していたが、その先の山は越えられなかった。今回の化学ブーム再燃では、物理の理解が進んだので、その先に進めた。


 具体例二つ目は、水の三態を理解する時、物理学で「運動エネルギー」「位置エネルギー」、エネルギーの移動である「熱」をきちんと理解すると、より詳細に分子の動きがイメージできる。例えば沸騰している間、水の温度が変わらないのは、「熱」の形で与えられたエネルギーが分子の「運動エネルギー」ではなく「位置エネルギー」に変換されているからだ。ここでの「位置エネルギー」とは、分子が、水分子間に働くクーロン力に逆らって、水分子同士の距離を取るためのエネルギーのことだ。

小学校低学年の時にも水に熱を与えたり奪ったりした時の三態の分子イメージはざっくり見せていたし、おおまかな理解はしていた。しかし物理が理解できている今はより詳細にイメージを持ち、説明できるようになった。


 こんな感じで、化学を物理を用いて一段深い理解へと進めるのが楽しい。リビングの壁一面のホワイトボードに息子と描いてみるのが楽しい。今まで理解していなかったことを理解すると「気持ちいい!」と息子は言い、その感覚が私にもわかる。この高揚感が息子(と私の)学びの原動力だ。