こんにちは、培養部門です。

 

本日は、融解胚移植後の血液中のhCG値とその値から予測される妊娠継続率について説明します。

受精卵を移植し、子宮内膜に着床すると胎盤になる部分からhCGというホルモンが分泌されます。妊娠判定はこのhCGが検出されるかどうかによって判定されます。

妊娠判定のためにhCGを測定する方法には尿中のhCG値を測定する尿検査と血液中のhCG値を測定する血液検査の2種類が存在します。市販で購入可能な妊娠判定薬は、尿中hCGを測定する簡易的な方法です。

当院の方法は胚移植血液検査で妊娠判定を行っています。血液中のhCGを測定するメリットは、子宮外( 異所性 )妊娠の早期発見、妊娠継続おおよその予測を立てられるという点にあります。

 

インターネットには妊娠継続率を算出できるサイトがあると思います。目安として参考してもよいと考えますが、誤った使い方をしてしまうと過剰な不安をいだくことや誤った行動をとってしまうことになりかねません。

 

血液中のhCGの検査結果の見方を詳しく説明してゆきます。

血液中のhCG値は着床した後から分泌され徐々に増加してゆき、10週頃にピークに達しますよって、血液中のhCG低く検出される場合は妊娠継続率が低く、高く検出される場合は妊娠継続率が高いことを予測することができます値が高すぎる場合は多胎妊娠や胞状奇胎の疑いがありますので慎重な対応が必要です。

しかしながらhCG採血を行うタイミングや移植を行うタイミング、移植の際に用いる薬剤など病院によってさまざまであるため明確な基準は定まっておりません。

そのため、血液中のhCG値が低いからといって必ずしも妊娠できていない、妊娠が継続できないというわけではありません。血液中のhCG値が低値であっても、約2日毎に血液中のhCG値が倍増していれば妊娠は順調といえます。血液中のhCG値が低くても、慎重に医師の診察を受けることが重要です。

血液中のhCG値は測定したタイミング( 採血したタイミング )によって大きく変わります。血液中のhCG値は採血日が非常に重要です。よって、判定日が採血日であるのか、判定日よりも前に採血を行ったのか把握することでより正確な妊娠継続率を算出できます。

 

妊娠初期は不安になられることが多いと思いますが、インターネットの情報よりも医師の判断やアドバイスを聞いて守っていただくことが大切で。診察の際にはご遠慮なさらずにご納得ゆくまでご質問していただければと思います。

 

クリニックママのホームページ

 

不妊治療卒業メッセージとしてたくさんの方からメッセージをいただいております。

是非、ご覧いただければ幸いです。

不妊治療卒業メッセージ

 

お知らせ

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

 

詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A 染色体異数性検査 )の要件が変わりました

 

PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 

 〔生殖医療専門医〕古井憲司