とうよう師が選ぶ大衆音楽100選-14 M.M.誌創刊20周年企画’89 | 偽クレモンのブログ

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〇M'fono Yami/Papa Wemba<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の12>

 

このアルバムは’M.M.年間ベストを聴いてみるシリ^ズ’で取り上げたので、その時と同じ事を書くことになる。

パパ・ウェンバは1949年ザイール(現在はベルギー領コンゴ・・・いつベルギー領になったの?)出身のシンガー、ソングライター、バンマス。キューバ音楽の影響色濃いメロウなアフロ音楽である’リンガラ’の当時の第一人者。実力はあるのに作品(プロデュース)に恵まれていなかったが、このアルバムは当時のワールドミュージック仕掛け人であるマルタン・メソニエのプロデュースを受けて、一皮めくれた印象の好アルバム。持ってたが今見当たらなかった。では表題曲を。

M'Fono Yami (youtube.com)

良い。リズムは西欧化、単純化されているが、西欧に寄り添っている感がない。当時は新しいリンガラの風を感じたし、今聴いても新鮮。サリフ・ケイタと同じ傾向のプロデュースなのだが、感触が全然違うのは何故だろう。たぶんだが、プロデューサーがアーティストのルーツ音楽を理解しているか否かの違いではないか?サリフ・ケイタも一回、マルタン・メソニエと演ればよかったのに。

このアルバムは、パパ・ウェンバの過去の曲をリニューアル録音したもの。おそらく自国向けに録音された同じ曲の別テイクを聴いてみる。

Mfumu Yani (youtube.com)

良い。これもリズムを西欧化した当時の新しいタイプのリンガラだ。良いのだが、なんか曇ったサウンドだ。それがリンガラだ!と言えば言えなくもないが。なにしろ、マルタン版との一番の違いはパパ・ウェンバの声の録り方だろう。彼の一番の売りである声の通りが良くないのが後者の欠点であり、プロデュースのヘタなところだ。前者のパパの声の艶っぽいこと。音楽家が良い作品を残すためには、本人の実力以上に取り巻きが大切なことが良く判る好例だ。

 

〇Shabini/Bhundu Boys<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の13>

 

ブンドゥー・ボーイズはジンバブエのグループで、サイフ・ケイタと同時期にワールドワイドに営業を展開していたと記憶する。しかしサリフの成功とは程遠い成果となった・・・少なくとも日本の知名度はサリフと比べ物にならないほど低い。音は、誤解を恐れず言うと、ジンバブエの初期ロックンロール。とうよう師もレビューで書いているのは’チャック・ベリーや初期キャロルのアフリカ版という気がする’。じゃ、聴いてみる。

(Bantu Melodies) Bhundu Boys - Hupenyu Hwangu (youtube.com)

ロックンロールと聞いて誤解したと思うが、もちろん西欧のR&Rではない。南アフリカのダンス音楽の影響色濃い5人組ギター・バンドだ。民族楽器は入れていないのに、そこはかとなく親指ピアノの感触を醸す気がするのは、私の気のせいだろうか。改めて聴いてとても良い。買おかな。あるかな?最後に、よりジンバブエ色の強いハチロクの曲を。これも良い良い。

(Bantu Melodies) Bhundu Boys -Zvandinetsa (youtube.com)

 

では、連休中、お出かけの方は事故に気をつけて。バカは無視して近寄らないように。