とうよう師が選ぶ大衆音楽100選-13 M.M.誌創刊20周年企画’89 | 偽クレモンのブログ

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〇SORO/サリフ・ケイタ<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の11>

出た、出てしまった。アフロミュージック(この括り方もアレだな)で数少ない苦手な人。とうよう師に限らず世間では物凄い高い評価で、私も音楽性の高さは認めるが、好き嫌いは別だから仕方ない。

サリフ・ケイタは1949年、マリ出身のシンガー、ソングライター。王家直径の裕福ば家に生まれながらアルビノだったために一族からも強烈な差別を受けて一族から追放され、音楽で身を立てる以前の生活は苦しかったらしい。苦労人である。かといって支持に回るかと言うとそうは問屋が卸さない。

このアルバムは1987年リリースの、ワールドワイドに向けた1st(だと思う)。M.M.で大絶賛されていて、私もキング・サニー・アデとフェラ・クティでアフロにのめり込んだばかりだったので、即、購入。で、ダメだった。何回聴いても。

Soro (Afriki) (youtube.com)

かなり大丈夫になった。私も歳とってマルクなったな。ヴォーカル、コーラスは何時、誰が聴いても文句なしだが、サウンドがあからさまに西欧に向けたもの。それが若い頃の私にはダメだった。とうよう師も先回のアラブモノのレビューでは西欧に売らんかなを批判的に書いてたクセに、結局、音楽性が高かったらOKなんだから・・・ま、これもとうようイズムか。確かに客観的に聴いて、このサウンドを’87にヒネリだしたていたのは凄いことだ。

 

〇Da Mae Africa/Reflexu's<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の8>

このシリーズを書いていて途中で数が合わずに無理くり修正したが、これが抜けていたためと今、発覚。現時点で’その8’がダブっているが気にしない、、

さて、またまた見たことも聞いたこともないアーティストだ。’レフレシュツ’とでも読むのか?ブラジル・バイーア出身の、当時の新進気鋭グループらしい。とうよう師曰く’期待のジルベルト・ジルもアメリカの毒に当たってビョーキだし、新しい波がバイーアあたりから出てくれないかなぁ、という願いをピタリを叶えてくれた・・・(大意)’。出た、アメリカ毒発言。グレードが高い毒ならOKなくせに。じゃ、聴いてみる。youtubeにフルでアップされていた。

Banda Reflexu's ( Libertem Mandela ) (youtube.com)

インドネシアのカセットか!とツッコミたくなる冒頭。歌が始まると2ビートのアフロっぽさを狙ったダンス音楽と察する。よく見りゃタイトルからそうだった。1990から2000前後にかけて、バイーアから先鋭的なアーティストが多数出てきて楽しかったが、その前にこんなイナタ系を狙ったバンドがあったとは。じゃ、もう1曲。

Banda Reflexu's - Guaratimbiriba (youtube.com)

良い。さらにアフロ色濃い曲。ちょうど上でサリフを紹介したので比較できて面白い。マリ人が西欧に向けて発信したハイセンスな音と、ブラジル人がアフロへの憧憬を込めて自国に発信したイナたい音。好き嫌いだけの問題で、私は断然後者が好きだ。好きだからもう1曲。

Banda Reflexu's - Banho de Beijos (youtube.com)

これも面白い。早い2ビートの後打ちで、そこだけ取ればスカだが、トータルで全然スカっぽくない。ふいご式オルガン(?)がスカビートと無関係にノンビートで弾きまくるのが痛快。ちょっとコロンビアのクンビアを思い起こす。無国籍で楽しい音だ。

 

先に書いたサリフ・ケイタと好対照。マリ人が西欧に向けて発信したハイセンスな音と、アフロルーツのブラジル人がアフリカへの憧憬を込めて自国に発信したイナタい音。好き嫌いだけの話で、今回の二者では、私は後者が断然すきだ。

 

以上。