とうよう師が選ぶ大衆音楽100選-10 M.M.誌創刊20周年企画’89 | 偽クレモンのブログ

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〇Les Plus Grands Succes/Les Compagnie Creole<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の6>

ラ・カンパーニュ・クレオール(で、合ってる?)は1970代にフランス領ギアナとフランス領西インド諸島(マルチニークとか)出身のメンバーで結成された、フレンチ・カリビアン・ポップのバンド(英wikiによる)。名前は聞いたことあって、とうよう師が推していたのも何となく覚えているが、音に接したことなかった。とうよう師曰く、’コアなラテンファンからは支持されないが、僕はこのバンドのええ加減さが好きだ’。じゃ、聴いてみる。

La Compagnie Créole - Ba Moin En Ti Bo (Clip officiel) (youtube.com)

 

適当にリンクしたが、聴き馴染みのある曲だった。この曲はバ・ムウェ・ユン・チ・ボ(きみの可愛い唇をぼくにおくれ)というマルチニークの古いスタンダードで、所謂’ビギン’の草分け的な曲だ(多分)。それをモダンにアレンジしている。この頃流行っていたズーク調なのだろうけど、このバンドはほぼ生演奏ということもあり、原曲の古臭さも上手に醸しており、なかなかのものだ。

 

じゃ、もう1曲。

La Compagnie Créole - Vive le Douanier Rousseau (Clip officiel) (youtube.com)

良い。打ち込みはドラムだけで、ベースと2本のギターがサウンドの要になっているのが乙。ギター2本が、ワザとかどうか判らんが、微妙のノリが違って左右から耳に入ってきて、クロスビートのように聞こえるのが非常に面白い。クロスビートとは?インドネシアのクロンチョンで使用される手法で、2本の小型弦楽器で1本は頭打ち、もう1本は後打ちのリズム刻んで独特のノリを出すもの。クロンチョンの場合はよ~く耳を凝らさないと判らない隠し味的な場合が多いが、この曲はクロスビート(もどき)が肝になっていて気持ちいい。また、途中からもう1本のギターがアフロ的なメロディ弾きで入ってきて、更に重層的なサウンドになりよいよい。確かにノリは軽いが、ただの薄っぺらいバンドではない。だからこそとうよう師が支持したのだろう。私も当時にカバーしておけばよかった。他のズークのバンドがあまり面白くなかったから敬遠していた。

 

〇ノック・デム・デッド/アロウ<現時点(1989年現在)での断面図を見せる50枚、の7>

アロウはトリニダード出身の、ソカ(ソウル・カリプソ?でよかったか?)の旗手的なアーティスト。カリプソとは?トリニダードの古い大衆音楽で、リズムはアフロ由来の2ビートながら、西欧のダンス音楽なJAZZの影響を良い方向に受け、1940年代において他の大衆音楽を凌駕するモダンさを醸していた。そんなカリプソも’60、’70にはロックに押されて廃れていたが、’80になってそれではならじと、打ち込みビシビシのダンスビートを導入して蘇らせたのがソカだった。私も’90前後、多分このアルバムをレンタルして聴いたことがある。カリプソは好きだったから。でも、あまりの’90ダンスビート化を由とは思えず、1回聴いて放り出した記憶だ。改めて聴いてみる。

Arrow - Groove Master (youtube.com)

悪くない。なんで当時は放り出したんだろう。確かに古カリプソのモダンな洒落っけは皆無だが、別物と考えたら全然聴ける。汎カリブの指向性があまりに大きすぎて、当時の頑なだった私の耳が拒絶したんだな。いやはや南友お恥ずかしい。シンプルで明快なビートだが、アレンジはとてもよく練られた感があり、だから踊らなくても全く飽きずに聴くことができる。

 

今日はここまで、さぁ曲作るぞ。