五宝滝 岐阜県加茂郡八百津町 | 偽クレモンのブログ

偽クレモンのブログ

ブログの説明を入力します。

名古屋ローカルのTV番組で’道との遭遇’ってのがある。タレントでも学者でもない道マニアの面々が週替わりでホストを務め、変な道や道に関わる建造物・構造物をロケで紹介するって塩梅だ。タモリ倶楽部やブラタモリ亡き今、その手のマニアの欲求を唯一満たしてくれる貴重な番組だ。名古屋ローカルだけに東海三県での紹介がしばしばで、若いころバイクで奥三河や美濃地方を隈なく走り回っていた私の旧知の物件も少なくなく、懐かしさと面白さで視聴を欠かすことができない。

さて、一か月ほど前、同番組で岐阜県八百津町の物件がいくつか紹介され、その中に’五宝滝’があった。’滝’なので、直観的には道関係ねぇ!と言いたくなるが、この日は’橋’に重点を置いたガイド。五宝滝に掛かる橋がポイントなのであった。私は30年以上前にバイクで五宝滝は訪れたことがあるのだが、橋の記憶がまったくない。それで改めて確認のために八百津と五宝橋を訪問することとした。

 

我が家から八百津までは東名-中央道と乗り継いで多治見で降りて北上。タラタラ運転しても1時間半で到着する。まずは南方からのビジターを迎え入れてくれる八百津橋。木曽川に県道83号線を渡す新旧2つの鉄橋が掛かっている。白の新は1991年竣工の鋼ニールセンローゼ橋。アーチと補剛桁の間に斜めにケーブルが張ってある形式とのこと。今、調べた。

 

そして1954年竣工の赤の旧八百津橋。下路式_平行弦_ワーレントラス橋。鉄橋としてもっともよく見る形式と思う。歩道橋として残してあるのが粋である。

 

地味な物件だが、この橋が’道との遭遇’で八百津が紹介されるキッカケとなった。そのわけは、同番組のファンである能町みね子さんが、飛行機から眼下にこの橋を見かけて、’カッコいいからいつか訪れたい’、とXにポストしたのをスタッフが見つけ、能町さんをゲストに迎えて八百津を巡る企画をしたとのことだ。

 

橋の袂には筏師(?)のモニュメント。その昔、木曽の奥地で伐採された木材はここ八百津で筏に組まれ、さらに木曽川を下って伊瀬湾に一旦出て、堀川をちょっとだけ上って白鳥に貯木された。八百津の’津’は港・船着き場の意。八百って言うくらい多くの船着き場がここにあったことを表している。その名残を探してみたが見つからなかった。

 

八百津の街から15分程度で五宝滝の駐車場に到着。観光地として整備されているのでトイレも売店もあり接しやすい。人気ローカル番組で紹介されたとはいえ、平日の午前中は流石に私ら1組だけか・・・・

 

かつては民宿もあったようで廃墟が残っていた。売店は閉店中だったが土日は開店しそうだ。下の写真は売店に併設されたバーベキュー場。店主の人柄が滲み出た、所謂’パラダイス系(探偵ナイトスクープ)’だ。

 

五宝滝に向かう遊歩道。渓流は昨夜の大雨で若干濁っているが、水量は豊富。

 

ジオラマ立体案内板。劣化によりほぼ読めないが、どうやら左に行った方がよさそうだ。

 

滝なので自然に写真は縦になるが、相変わらずこのブログで縦にする方法が判らない。それはさて置いて。

五宝滝である。全長80mで3段で構成される。んで、問題の橋だ。堂々と滝のど真ん中に横たわる太鼓橋。どうですか?普通なら、こんな風光明媚な景勝地に四角四面な建造物を横たえやがって!となるところ。これは何か許せる。どころか、むしろバリューアップに寄与していると感じるのは私だけ?いや、’道との遭遇’でホストを務めた鹿取さんもそのように仰っていた。この橋は飾りではなく、遊歩道を伝って渡ることができる。いや、これを渡らないと弐の滝、壱の滝に到達できない。

 

弐の滝の滝つぼより。あぁ、写真を立てたい!

 

更に先へと好き者を誘う赤く急峻な階段。膝は笑いかけているが、ここでくじけてはいけない。壱の滝が一番素晴らしいからだ。

 

壱の滝。写真が横なこともあるが、スケール感・清涼感がまるで感じられない。マイナスイオンは知らないが、程よいミストが気持ち良い。この日の美濃地方は27度。日差しは既に暑いが流石に滝つぼは肌寒いほど。このブログを読まれた暁には、現地に是非行ってください。接しやすさと景観を両立したお勧めの瀑布です。

 

壱の滝の滝つぼ地点がピークの場所で、そこから更に山を登る赤い階段が続いているが、その先は労力の割に何も得るものがないことは、TVで鹿取さんが仰っており知っていた。でも、どのくらいダメなのか確認したくなるのが人情というものだ。で、行ってみた。こんなだ。確認できて安心した。

 

チナミニ、赤い階段は場所によっては足が半分はみ出る窮屈さ。特に降りる時は気をつけたい。歳取ったら風邪ひかない・食べ過ぎない・転ばない。思いっきりビビリながら一番下層の参の滝に戻った時には1組のご夫婦が推参して居た。帰りの遊歩道でも2組とすれ違った。駐車場の車は5台に増えていた。平日なのに。道との遭遇効果、著しい。

 

蛇足;八百津で一番のお勧めは、旧八百津発電所だ。明治44年竣工のモダンな建築で、30数年前は内部も公開されており、ほぼ稼働時そのままの豪放な設備の数々は見応えがあった。が、現在は耐震性の問題で内部未交換とのこと。是非とも耐震補強の上、再公開してほしいものだ。