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お医者さんの窓から見た社会・・・タバコを医師が禁止する理由

お医者さんの窓から見た社会・・・タバコを医師が禁止する理由

お医者さんの多くが「タバコはダメだ」と言います。ところがこのブログで示したようにタバコを吸う人が減ると肺がんが増える(年齢調整後も)という事実もあります。この2つの事実を無理なく説明することは出来るでしょうか?

というのはお医者さんとタバコのことを話してみると、決して利権とか名誉などではなく、真剣に患者さんの健康を心配されていることは明らかなのです。お医者さんと私はともに科学者同士ですから、タバコを禁止したいというお医者さんと膝をつき合わせてお話しすれば、かならず意見は合うと思っています。

科学は予見、先入観、感情、意見などを廃して、論理的客観的に事実を整理し、まとめるものです。だから、もしお医者さんと私の意見が違えば、それはデータか、データの整理か、あるいは私が先入観に邪魔されているか、あるいは私が先入観に邪魔されているかなのだからです。

そのような気持ちでお医者さんの読者の方から寄せられたメールをじっくり読んでみますと、今の私には「おそらくこうだろう」という一つの考えに到達しました。

それは、
1) お医者さんは患者さんを通じて社会を見ているし、タバコも評価している、
2) それに対して私は患者さんではなく、タバコを吸う人全体を見ている、
3) 私にはタバコを吸う人4000万人が見えて、その中にわずか4万人ほどの人が肺がんになっているのが見えない(私には1000人のうち、999人がよく見える)、
4) お医者さんは病院に来る患者さんを見ているので、999人はよく見えず、タバコを吸って肺がんになった人、お一人が目に入る、
5) 本来、お医者さんが言いたかったことは、タバコを吸い始める人のうち、将来、肺がんにかかる人に呼びかけたい。つまり、1000人の人がタバコを吸い始めたとき、もしお医者さんが神様で将来、ガンにかかって死ぬ人がわかれば、その人に注意すれば良いのだが、神様ではないのでわからないので、その他の999人にも呼びかける、
6) 私が「タバコを禁止するのは不当だ」と言っているのは、この999人に対してである。この人たちはタバコを吸っても肺がんにならないのだから、楽しみを奪ってはいけないと私は言う、
ということらしいのです。

これが副流煙になるとさらに極端で、平山論文の例では、夫がタバコを吸う530人のうち、妻が肺がんにかかったのは1人だから、それ以外の529人には「夫婦げんかをしてまで、夫にタバコを止めさせることはありません」と言うべきでしょう(先回の計算でミスがあり、本文も修正しました)。

ただ、タバコは自由意思で吸うものですから、タバコを吸って税金を払い、1000人とか500人に1人がガンになっても、その情報が正しく伝わっていたらあとは本人に任せれば良いのではないかと思うけれど、副流煙は自分の意思ではないから、どのぐらいの危険なら社会的に禁止すべきか、まだ議論は不十分と思います。

さらに、タバコの煙に特に敏感な人、気管関係の弱い人などについての特別な配慮も必要です。

・・・・・・・・・

私はお医者さんが患者さんを通してだけ社会を見るだけではなく、タバコを吸っていて健康な人をご診察されるのが良いと思うけれど、それには時間が無いと思います。逆に私はタバコを吸う人全体を見て、患者さんを見ていません。だから違う感想になるのは当然のように思います。

でも、いずれにしても「喫煙と肺がん」について、それを理由にタバコの追放運動をするのは行きすぎで、自治体はもちろん、お医者さんも含めて、もう一度、人の基本的人権と人間の一生の意味がただ「体だけが健康なら良い」と言うことなのかについて、かなり低い肺がんの確率を考えて、禁煙についての言動の修正することが良いと思います。今の日本の禁煙運動は「良心的」とは言えない状態です。

(注)私が言う「ためにする」行為はこれまでの私の論理に入っていない。たとえば、1)妻がタバコ賃がもったいないので夫に健康を理由に吸うなという、2)知事が自分の票を取りたいので禁煙運動を進める、3)厚労省の調査担当者が出世するために調査を行う、4)タバコは肺がんは少なくても、歯の病気、気管支系の病気、血管系などあらゆる病気の元になるので、肺がんではなくても肺がんと言えば良いという医師の論理、などはこの論議には入っていない。あくまでも一つ一つを誠実に考えなければ、日本の再生は無理と思うからです。







中部大学武田邦彦
(平成24年5月6日)

原子力、被曝の重要ニュース

原子力、被曝の重要ニュース


1) 原子力委員会の議題が官僚の妨害で議論できず

これは毎日新聞のスクープで、他の新聞やテレビではあまり報道されていませんが、原子力委員会でこれからの原子力の主たる政策を議論するための議題が、「原発再開の妨げになる」という理由で事務方(官僚)がストップをかけて推進派の機関に修正を依頼していました。このようなことを認めていると、完全な官僚支配になります。原子力委員会の委員は首相の任命になるもので、官僚がその上にいるわけではありません。


2) 環境省とNHKが中学校で教育??

環境省(大臣官房長)とNHKの撮影部隊が都内の中学校にでむき、「瓦礫を引き受けるか」の教育を担当した。教育は政治と独立であることが日本国憲法の大前提であり、今、政治的に厳しい状態にある瓦礫問題を、一方的な情報をもとに中学生に考えさせるということが起こった。
1キロ100ベクレル以上の瓦礫(焼却後の灰も含む)は「核廃棄物」であり、その説明はされていないと考えられる。NHKも放送するとはとんでもないことだ。


3) 南相馬市で規制値の100倍以上の土壌(ほぼ報道されず)

南相馬市の大山さんのブログは個人的にもご連絡をいただいていたのですが、1キログラムあたり550万ベクレルなどの汚染物(土壌と乾燥した藍藻類)が見つかっています。おそらくこれだけではなく、かなり汚染されたものが多く散乱していると思います。線量計でしっかり測定して子どもを守りましょう。
[カメラBandicam_20120511_132711784]


4) 日本の電気代が高い理由の一つ

大阪市が関西電力から市立科学館の経費73億円の寄付をもらっていた。電気料金の流用にあたり、こんなことをしなくても良いのだから、なにかの目的がある。目的がなくて電気料金を流用するのは犯罪になる。このように「自分の勢力を保つため」にお客さんからの電気料金を目的外に使うので、日本の電気代はアメリカの2倍になる。利用者から「独占で」高い電気代を取り、それをまるで自分たちのお金のように自由に配ることは、今度の原発事故を境に全部、中止してもらいたいし、なにかの法的な措置ができるようにしなければならない。


5) 名古屋大学教授が審査直前に1100万円をもらって審査

浜岡原発の防潮堤の安全審査で名大教授が2006年から2008年にわたり中部電力と関係会社から1100万円程度をもらっていた。常識的には審査に当たるときには「審査される会社と利害関係が無い」ことが前提で、最低でも5年は無関係でなければならない。「お金をばらまいて有利な審査をしてもらう」ということが横行しているが、これも法的制限をかける必要がある。


6) 個人バッシングがさらに盛んになる

被曝は危険とか、汚染の事実を報じる人への個人的なバッシングが続いている。匿名なので発信元は不明だが、かなり専門的なものもあり、もしかすると関係機関の関与も考えられる。私のブログで三重県の放射線量の増加を書いたら、これもバッシングの対象になっている。多くの人が「バッシング記事」でさらに知ってもらえるので、良いと言えば良いが・・・。誠意のないイヤな社会になったものだ。原子力や被曝を判断できる力のある人が、違法を勧め、遵法をバッシングするのだから。





中部大学武田邦彦
(平成24年5月11日)

なぜ、年金が崩壊したのか(4) 国に対する長期的な信頼性と年金

なぜ、年金が崩壊したのか(4) 国に対する長期的な信頼性と年金

国が20才の学生に「老後のために年金に入りなさい」と呼びかけている。さまざまな意味でこの呼びかけに違和感を感じる人が多いだろう。私もその一人だ。

まず「老後のため」という言葉から受ける印象は、「自分の老後のため」という感じだが、すでに自分が積み立てて自分がもらう「積立型」の年金は崩壊すると言われているし、現在の年金は「賦課型」(若い人が、その年の老人に払う)であるとも言われている。でも、それさえハッキリしない。増税の議論では「社会保障と税の一体改革」のような表現が使われていて、この社会保障の中に年金が入っているのかも明らかではない。

ここで「積立型か賦課型かわからない」とか「社会保障の中に年金が入っているか明らかではない」と言っているのは「今の政府がどう言っているか」ではなく、20才の若者が45年先、あるいは50年先にどのような形で年金をもらうのか、それが「わからない」ということだ。どうせ、今の政府が言っていることを事細かに調べても、いつでもコロッと変わるから調べるだけの意味も無い。

もともと20才の若者で、まだ学校に行っているので収入がない人が「50年後にもらうかも知れない年金」を「親からもらったお小遣い」から払うのが適当なのか、それもよくわからない。しかもこれまでの状態で、「積立型」の年金では物価の値上がりや生活レベルの向上、それに杜撰な年金管理などから20才代に支払った年金はほぼゼロになってしまっている。

最初からゼロになりそうな年金を収入のない学生が意欲を持って納めるにはかなりの無理があるだろう。せめて学生には、1)支給年齢を約束する、2)支給が開始されたときに生活保護費より少しは高い年金が支払われる、3)年金から税金、介護保険料などを差し引かれない、4)20才で年金を払い始める時の約束(たとえば途中で新しい徴収金がでるなどが起こらない)を守る、ぐらいは必要だ。

ただ口で約束するだけではなく、20才の学生が納得するだけの根拠を示さなければならない。たとえば、日本の赤字国債、アメリカの膨大な赤字などが将来にわたって大きな通貨変動をもたらさないことなどについて合理的な説明と政策を示さなければならない。

現在の年金問題は「制度」の問題ではなく、1961年から始まった最初の試みが、1)社会保険庁の使い込み、2)社会保険庁の記載不足、3)焦げ付くことがわかっている融資先への融資、などによって800兆円の年金支給に対して、帳簿上200兆円しか資金がなく、さらに現実的には150兆円が回収不能で50兆円が残っているという現状をまずは説明して、それを克服する具体的な方法を提示するのが厚労省の役割である。

「いつからもらえるかわからない、どのぐらいもらえるかわからない、もらっても徴収されるかもしれない」といういい加減なことで「お金を払え」というのもおかしいし、第一、「働いている人が老人を支える」という「働いている人」に20才の学生(自分)が支えると言っても、親が年金世代のこともあり、その親からお金をもらって年金を払うのも奇妙だ。

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日本人が新しい時代に夢見ることのできる制度=年金も、日本の政治家と官僚が「誠実で善良」でないことによって、かえって夢のない不安な将来を描くことになった。つまり、50年間にわたってお金を払い続けるというようなことが社会システムとしてできるためには、その前提として「政府が変わっても、社会が変化しても、約束は守ってくれる」という前提がなければならない。

しかし現在の日本政府(自民党時代も含めて)は、情勢の変化で不可能になったら簡単に約束を破って「仕方が無い」とか「無い袖は振れない」と言う。それでは50年間の年金をまじめに納める方がおかしいことになってしまう。

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私は福島原発事故で、事故前には「原発からの被曝の限度は、外部内部をあせて1年1ミリ、10万年に1度の事故に限り1年5ミリまで認める」、「1キロ100ベクレル以上は核廃棄物。核廃棄物を処理するには途中で高いベクレルになったら、もっとも高いところを基準にする」、「1平方メートルあたり4万ベクレル以上のところは汚した人が直ちに除染する」と決まっていた「明文化されていた」のに、それを簡単に覆し、社会もマスコミも「政府が国民との約束をはたさなかった」ということに何の抵抗も見せなかった。

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このことを私が重視したのは、「事故前に国民の間で約束したこと(法律)を、いとも簡単に政府が破るようでは年金も含めてほとんどの日本のシステムが崩壊する」と感じたからだ。年金のような長期間にわたる制度に対して信頼感がでるのは、システムの問題ではなく、政治家と官僚、それを監視する役割を持つマスコミが「誠実で善良」であるかどうかにかかっている。








中部大学武田邦彦
(平成24年5月10日)

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