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【ウォール街占拠】 1%の側につく嫌われ者 Fox TV

tanakaryusaku

 「えっ!フォックステレビが“Occupy Wall Street”の現場取材に来た?」。強欲資本主義に抗議して庶民が占拠を続けるニューヨーク・ズコッティ公園に、「Fox News」のニュースクルーが……。しかもホームレスらしき男性にインタビューまでしている。
 フォックステレビは、超格差社会を作り出したネオコン・ブッシュ政権の御用放送局でもあった。「心を改めたのだろうか?」「貧乏人をバカにするために取材に来たんだろうか?」。筆者の頭は混乱した。
 近寄ると謎は解けた。「Fox News」と書かれたテレビカメラもマイクも張りぼてだったのだ。“フォックス取材陣”をパロったクリスさん(41歳・デザイナー)が心境を語る―「フォックスは金持ちのための報道しかしない。社会の現実をちゃんと見つめろと皮肉を込めてのパフォーマンスだ」。
 別の一角では老人がフォックステレビを批判するプラカードを掲げていた。「金持ちだけのためにあるフォックスが嫌いだから」。老人の静かな口調の中には、怒りが込められていた。庶民に忌み嫌われても放送局として続くところが、1パーセントの富の凄さだ。
 日本にも無知蒙昧な解説委員が国民生活などお構いなしに「消費税増税」「TPP推進」をシャアシャアと語る放送局が存在する。国家前での座り込みや日比谷野音での抗議集会で「フジテレビ」の張りぼてが登場しても面白い。

【ウォール街占拠】 強欲金融資本から金を引き出し、預け替えろ

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 日本でも「脱原発」を宣言した信用金庫に預金を移し替えようという動きがあるが、アメリカでは大銀行からの預金引き出しが全米規模で広がりつつある。
 今日(現地時間5日)は“Bank Transfer Day ”。全国200以上のクレジットユニオン(※)が参加して、大銀行からそれぞれのクレジットユニオンにお金を預け替えようと呼びかける日だ。
 超格差社会に抗議して庶民が占拠するウォール街ズコッティ公園。Bank Transfer Dayの拠点だ。冬の冷たいビル風が吹き付ける公園にヘルメットを被った男性の姿があった。ポール・アームストロングさん(48歳・建設現場労働者)。
 ポールさんは「バンク・オブ・アメリカ(通称:バンカメ)」に預金している1万6,000ドルを全て引き出して、ニューヨークのクレジットユニオンに預け替えるつもりだ。
 ポールさんはバンカメへの不満をぶちまけた。「デビッドカード(ATMカードでの買い物)を1回使うたびに5ドルの手数料を取られる。現金を下ろせば2ドルの手数料。口座を見ると手数料ばかり取られているようで腹が立つ。金持ちは(小切手を使うので)ATMを多用しないが、貧乏人やミドルクラスは支払いごとに手数料を巻き上げられる」。
 マサチューセッツから訪れたのはマット・アルグレンさん(18歳・大学生)だ。アルグレンさんは「Occupy(占拠)行動」が起きる前から、地元のクレジットユニオンに預け替えをしている。理由を次のように語った――
 「資本は合併を繰り返し大資本となることしか考えていない。消費者のことなど頭にない。クレジットユニオンは地元に金が残り、地元の経済発展に貢献している」。
 大銀行への反発は、先日まで高校生だった大学1年生にまで及んでいるのである。米社会は強欲金融資本によって浸食され、壊死しかねないほどの病にかかっているのではないだろうか。

  ズコッティ公園でクレジットユニオンへの加入を呼びかけるピーター・ブライ氏(ニューヨーク市金融ネットワークアクション・コンソーシアム)によれば――
 「9月29日から今日(5日)まで、65万人が大銀行からクレジットユニオンへの預け替えを行った。クレジットユニオンの加入者は全国で9千万人にも上る。クレジットユニオンに来る人たちは主に低所得者層だ。」
 小泉政権下、竹中経済財政担当相は不良債権処理を名目に信用組合、信用金庫を片っ端から潰していった。一方で都市銀行には吸収合併を促しメガバンクが主流となった。結果、日本企業の90%以上を占める中小零細企業は融資を受けることができなくなり、倒産の嵐となったのである。失業者が巷にあふれ、自殺者が相次いだ。
 日本の教訓にならったわけではないが、強欲金融資本から我が身を守るために町場の金融機関を活かそう、と米国市民が立ちあがった。
 日本の市民もTPPに突き進む財界や財界に出資する都市銀行から預金を引き出して、預け替えることを真剣に考える時ではないだろうか。
(※)
クレジットユニオン:日本の労金などに類する地域に密着した非営利の金融組合。
預金者は少額の出資をしてクレジットユニオンの組合員となり、預金サービスのほか融資なども受けられる。対象となるのは「低所得者層」「移民」「銀行から融資を断られた人」「身体障害者」など。――ニューヨーク市金融ネットワークアクション・コンソーシアム『ファイト・フォー・ファイナンシャル・ジャスティス』のパンフより

【ウォール街占拠 取材後記~上】 アラブの春風がNYに吹いた

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 今回の取材行ほど世界の狭さを感じたことはなかった。米金融資本の総本山「ワールド・トレード・センター」にアラブ人テロリストがジャンボジェット機で突っ込んだ「9・11」事件。
 
 全米各地に広がる「Occupy(占拠)行動」発祥の地であるズコッティ公園は、このワールド・トレード・センター跡地から直線距離にして50mと離れていない。99%の庶民が1%の富裕層のお膝元で、「もう搾り取るのはやめてくれ」と抗議を続けているのである。

 「Occupy(占拠)行動」は「アラブの春」の影響を受けているといわれる。富と権力を一手に握る独裁者を民衆の力で倒したのが「アラブの春」だった。
 ウォール街のど真ん中にあるズコッティ公園は、夕方ともなれば仕事を終えた人々で膨れ上がる。激しく打ち鳴らされるパーカッションのリズムのなか、占拠者や飛び入りの参加者たちは思い思いにシュプレヒコールをあげる。内容は「強欲資本主義」への批判に収れんする。エジプトのムバラク独裁を打倒した「タハリール広場の蜂起」と同様の熱気だ。
 占拠者の男性(40代)は「『Occupy行動』は『アラブの春』にヒントを得た。アナキズムでも反資本主義でもなく直接民主主義だ」と語る。
 「Occupy行動」は国際社会の脚光を浴びるようになり、アラブ世界からの“応援団”も目につくようになった。移民の国アメリカといえどもスカーフ姿は人目を引く。30代のエジプト人女性は、連帯を訴えてアメリカまでやって来た。
 「『エジプト市民革命』と『Occupy行動』には共通するものがある。政府に対する怒りとフラストレーションだ。私はエジプトの市民運動とアメリカの「Occupy行動」を連動させたい。米国の納税者は中東の軍事援助のために税金を払いたくないはずだ」。女性は真っ直ぐに相手を見つめながら語った。
 カリールさん(男・29歳)は、ニューヨーク・ウォール街の「Occupy行動」をひと目見ようと友人4人と共にカイロから訪れた。「アメリカには完全ではないが民主主義がある。だが、人々は恩恵を受けていないようだ。金は裕福な人のポケットに入り、庶民は最低限の賃金に甘んじている。『0ccupy行動』は大資本に対する運動で性質は違うが、『エジプト市民革命』と同じ意識を感じる」。
 民主主義の本場アメリカは、その足元が大きく揺らぐ。「9・11」から10年が経ち、中東から「アラブの春」となって民主主義が“逆輸入”されてきたことは皮肉である。 (つづく)