生活短信2011・11・11
生活短信2011・11・11
1) 水:田畑の表面の線量を下げようと畑の土を上下、ひっくり返したり、水路に放射性物質が流れるのに任せていることが続いているので、地下水の汚染が心配です。ご自宅で地下水を使っている人、地下水を水源に使っている水道局は注意をしてください。しかし、富士山関係の水、中部地区以西の水など安全なものも多いので、地域で判断してください。
2) ガイガーカウンターについて
福島原発が起こってから時間が経っていないときには、自分のまわりに放射性物質が来たかどうかが問題でした。だから0.1マイクロシーベルトか、2マイクロかということでしたから5万円から10万円程度のもので良かったのですが、事故後8ヶ月たち、もう少しきめ細かく測定をする必要がでてきました。
私が今まで「自然放射線量」の測定のことをあまり言わなかったのは、0.05マイクロシーベルトなどを考えるより、もっと危険なところに注目しなければならなかったからです。
でも、現在では0.1か0.15かが問題の時期になりました。そこで正確で「校正」された測定機器が必要です。そうなると個人では難しいのでなんとか共同とか公的なところで準備した物を使うとか、測定会社に頼むなどの方が良いと思います。
3) キセノン、ストロンチウム、プルトニウム
これも事故直後と少しずつ変わってくるものですが、事故当時はヨウ素が主でセシウムの2倍はあります。だから、{セシウムがこのぐらい}ということがわかると、それを3倍すると4月ぐらいまでの被曝を計算できます。
また、ストロンチウムはセシウムの10分の1と考えて良いと思います。ストロンチウムは化学的にはセシウムと双子の関係ですが、沸点、融点などが違うので原子炉が爆発すると空気中にはセシウムの10分の1ぐらいがでると思われます。水中は不明です。原子炉出口から海水に放出されたセシウムとストロンチウムの値は測定されていると思いますが、発表されていません.その点、サカナは北海道の太平洋側から静岡までダメです。
キセノンは人間の体を素通りしますから外部被曝と同じ取り扱いで、ものすごい量が放出されましたが、今ではどこに行っているのか不明です。
プルトニウムは海以外はそれほど危険性はないと思います。ただ、プルトニウムを9%含んだ燃料を使っていた3号機の爆発の時に大きな物体が吹き飛んでいて、それに対する調査がされていないので若干、問題を残しています。
全体的に見て、「セシウムの2倍」ぐらいに考えると現時点では良いと思います。
4) 鼻血、下痢、マイコプラズマ肺炎など
福島原発以後、鼻血、下痢の子供が多かったのですが、報道も医学会も取り上げませんでした。その頃、質問してこられたお母さんには「病院にいっても相手にされないから、お子さんの健康により注意してあげてください」と言いました。かつて「シックハウス病」の時に最初は訴える人にたいして病院はとても冷たかったからです。
病院は「判っている病気を治す」のが本職ですから、「今までに無かった病気」を親切に診察して患者とともに悩んでくれる医者はとても少ないからです。しかし、そのことを覚悟して病院に行けば少しは良いというアドバイスでした。
最近は鼻血、下痢について報道も行われるようになり、さらにマイコプラズマ肺炎の流行にも注意が払われるようになりました。
実は、福島原発事故では「微生物を突然変異させる可能性」があります。だから今年の流行には特に注意が必要で、感染症関係の人は気を配って貰いたいし、お母さんはお子さんの体力をつけて無用な感染症にかからないように注意が必要です。
5) 汚染の程度を自分で判定する
個人でセシウム濃度(ベクレル)を測定されてご判断される時には次の指標が便利です。
【ケース1】1キログラムあたりのベクレルを測定した方
セシウムは1キログラムあたり10000ベクレル以上になると「放射性物質」になり、厳しく管理され、普通の人は扱うことができません(できないほど危険)
現在はセシウムしか測っていませんが、原発事故の時には複数の放射性物質がでるので、セシウムの値を2倍する必要があるので、セシウムだけなら5000ベクレルが「ハッキリ危険」ということになります。
さらに、放射線の取り扱いでは、危険領域の10分の1になると「注意(黄信号)」になるので、結局、「1キログラムあたり 500ベクレルで黄色信号、5000で危険」と考えて良いでしょう。
【ケース2】1平方メートルあたりのベクレルの場合
法律で、危険領域をハッキリと「4万ベクレル(アルファ線が含まれない時)」となっていて、40万ベクレルを超えると法律に違反します。つまりこの場合は、4万ベクレルですぐ東電に連絡をしなければなりませんし、お役所は東電を呼んですぐに片付けさせる義務があります。
中部大学武田邦彦
(平成23年11月11日)
1) 水:田畑の表面の線量を下げようと畑の土を上下、ひっくり返したり、水路に放射性物質が流れるのに任せていることが続いているので、地下水の汚染が心配です。ご自宅で地下水を使っている人、地下水を水源に使っている水道局は注意をしてください。しかし、富士山関係の水、中部地区以西の水など安全なものも多いので、地域で判断してください。
2) ガイガーカウンターについて
福島原発が起こってから時間が経っていないときには、自分のまわりに放射性物質が来たかどうかが問題でした。だから0.1マイクロシーベルトか、2マイクロかということでしたから5万円から10万円程度のもので良かったのですが、事故後8ヶ月たち、もう少しきめ細かく測定をする必要がでてきました。
私が今まで「自然放射線量」の測定のことをあまり言わなかったのは、0.05マイクロシーベルトなどを考えるより、もっと危険なところに注目しなければならなかったからです。
でも、現在では0.1か0.15かが問題の時期になりました。そこで正確で「校正」された測定機器が必要です。そうなると個人では難しいのでなんとか共同とか公的なところで準備した物を使うとか、測定会社に頼むなどの方が良いと思います。
3) キセノン、ストロンチウム、プルトニウム
これも事故直後と少しずつ変わってくるものですが、事故当時はヨウ素が主でセシウムの2倍はあります。だから、{セシウムがこのぐらい}ということがわかると、それを3倍すると4月ぐらいまでの被曝を計算できます。
また、ストロンチウムはセシウムの10分の1と考えて良いと思います。ストロンチウムは化学的にはセシウムと双子の関係ですが、沸点、融点などが違うので原子炉が爆発すると空気中にはセシウムの10分の1ぐらいがでると思われます。水中は不明です。原子炉出口から海水に放出されたセシウムとストロンチウムの値は測定されていると思いますが、発表されていません.その点、サカナは北海道の太平洋側から静岡までダメです。
キセノンは人間の体を素通りしますから外部被曝と同じ取り扱いで、ものすごい量が放出されましたが、今ではどこに行っているのか不明です。
プルトニウムは海以外はそれほど危険性はないと思います。ただ、プルトニウムを9%含んだ燃料を使っていた3号機の爆発の時に大きな物体が吹き飛んでいて、それに対する調査がされていないので若干、問題を残しています。
全体的に見て、「セシウムの2倍」ぐらいに考えると現時点では良いと思います。
4) 鼻血、下痢、マイコプラズマ肺炎など
福島原発以後、鼻血、下痢の子供が多かったのですが、報道も医学会も取り上げませんでした。その頃、質問してこられたお母さんには「病院にいっても相手にされないから、お子さんの健康により注意してあげてください」と言いました。かつて「シックハウス病」の時に最初は訴える人にたいして病院はとても冷たかったからです。
病院は「判っている病気を治す」のが本職ですから、「今までに無かった病気」を親切に診察して患者とともに悩んでくれる医者はとても少ないからです。しかし、そのことを覚悟して病院に行けば少しは良いというアドバイスでした。
最近は鼻血、下痢について報道も行われるようになり、さらにマイコプラズマ肺炎の流行にも注意が払われるようになりました。
実は、福島原発事故では「微生物を突然変異させる可能性」があります。だから今年の流行には特に注意が必要で、感染症関係の人は気を配って貰いたいし、お母さんはお子さんの体力をつけて無用な感染症にかからないように注意が必要です。
5) 汚染の程度を自分で判定する
個人でセシウム濃度(ベクレル)を測定されてご判断される時には次の指標が便利です。
【ケース1】1キログラムあたりのベクレルを測定した方
セシウムは1キログラムあたり10000ベクレル以上になると「放射性物質」になり、厳しく管理され、普通の人は扱うことができません(できないほど危険)
現在はセシウムしか測っていませんが、原発事故の時には複数の放射性物質がでるので、セシウムの値を2倍する必要があるので、セシウムだけなら5000ベクレルが「ハッキリ危険」ということになります。
さらに、放射線の取り扱いでは、危険領域の10分の1になると「注意(黄信号)」になるので、結局、「1キログラムあたり 500ベクレルで黄色信号、5000で危険」と考えて良いでしょう。
【ケース2】1平方メートルあたりのベクレルの場合
法律で、危険領域をハッキリと「4万ベクレル(アルファ線が含まれない時)」となっていて、40万ベクレルを超えると法律に違反します。つまりこの場合は、4万ベクレルですぐ東電に連絡をしなければなりませんし、お役所は東電を呼んですぐに片付けさせる義務があります。
中部大学武田邦彦
(平成23年11月11日)
【ウォール街占拠 取材後記~下】 ごく普通の人々が反乱 TPPが招く米国の“二の舞”
tanakaryusaku
炊き出しに列をなす生活困窮者と居並ぶテントは、日比谷公園の派遣村(08年末~09年1月)と重なる。日本が先取りしていたのである。
就職難も同様だ。“Cold Weather Donation Money(寒い、金くれ)”底冷えのするズコッティ公園にプラカードを持って座る青年はジョーさん(26歳)。
ジョーさんは大学で水産学を専攻し魚の養殖会社に勤めていたが、3年前解雇された。パートで食いつないでいたが、それも数週間前に失った。現在はホームレスだ。
8日付『ウォールストリート・ジャーナル』はGeneration Jobless(職なき世代)というタイトルで特集を組んだ。アイビーリーグを卒業しても訪問販売ぐらいしかない。高い授業料を払ってスチューデントローンの借金で苦しめられるより、授業料の安い公立大学を選ぶ。日本でも地方の公立大学に人気が集まるようになった。これもアメリカに先だつ。
16歳から24歳までの失業率は16・7%にものぼる。うち大卒は7・7% 高卒は21・1%。6人に1人が職を持っていないのである。(2011年10月、米政府統計)
若者に仕事がない。体の具合が悪くなっても病院にもかかれない。「Occupy行動」が全米各地に広がる社会的背景だ。ごく普通の人々が反乱を起こしているのである。
超格差社会を作り出した米金融資本は、自国庶民の富を食い尽くし、次は世界最高水準にある日本の個人資産に狙いを定めたようだ。
オバマ大統領の再選戦略が、米国の対日政策をさらに強硬なものにする。雇用状況の改善は喫緊の課題だ。TPPに加盟し米国の自由主義が持ち込まれたら、競争力のない企業の倒産が相次ぎ、失業者は巷にあふれるだろう。国民皆保険も崩壊を免れまい。
ズコッティ公園で起きていることが日本の将来の姿だ、とは思いたくない。
(終わり)
炊き出しに列をなす生活困窮者と居並ぶテントは、日比谷公園の派遣村(08年末~09年1月)と重なる。日本が先取りしていたのである。
就職難も同様だ。“Cold Weather Donation Money(寒い、金くれ)”底冷えのするズコッティ公園にプラカードを持って座る青年はジョーさん(26歳)。
ジョーさんは大学で水産学を専攻し魚の養殖会社に勤めていたが、3年前解雇された。パートで食いつないでいたが、それも数週間前に失った。現在はホームレスだ。
8日付『ウォールストリート・ジャーナル』はGeneration Jobless(職なき世代)というタイトルで特集を組んだ。アイビーリーグを卒業しても訪問販売ぐらいしかない。高い授業料を払ってスチューデントローンの借金で苦しめられるより、授業料の安い公立大学を選ぶ。日本でも地方の公立大学に人気が集まるようになった。これもアメリカに先だつ。
16歳から24歳までの失業率は16・7%にものぼる。うち大卒は7・7% 高卒は21・1%。6人に1人が職を持っていないのである。(2011年10月、米政府統計)
若者に仕事がない。体の具合が悪くなっても病院にもかかれない。「Occupy行動」が全米各地に広がる社会的背景だ。ごく普通の人々が反乱を起こしているのである。
超格差社会を作り出した米金融資本は、自国庶民の富を食い尽くし、次は世界最高水準にある日本の個人資産に狙いを定めたようだ。
オバマ大統領の再選戦略が、米国の対日政策をさらに強硬なものにする。雇用状況の改善は喫緊の課題だ。TPPに加盟し米国の自由主義が持ち込まれたら、競争力のない企業の倒産が相次ぎ、失業者は巷にあふれるだろう。国民皆保険も崩壊を免れまい。
ズコッティ公園で起きていることが日本の将来の姿だ、とは思いたくない。
(終わり)
【ウォール街占拠】 排除命令待つNY市警 全米根こそぎは不可能
tanakaryusaku
「強欲資本家に富が集中し自分たちは病院にもかかれない」。金融の国家支配に抗議する庶民がズコッティ公園を占拠して50日余りが経つ。広さ1,250㎡余りの公園にはテントがひしめく。日を追うごとにその数は増え、通路を除けば空きスペースはほとんどない。
ニューヨーカーの最大関心事は市警察がいつ占拠者の排除にかかるか、だ。
一般紙『ニューヨークポスト(3日付)』は、1面トップと社説でブルームバーグ市長に宛て「占拠はもうたくさんだ。公園とニューヨーク市の威厳を取り戻す時期に来た」と排除を催促した。
ニューヨーク市警は今すぐ実力行使にかかる気配はないが、占拠者に対してジワジワとプレッシャーをかける。パトカーがまるで示威行為のように公園脇にズラリと並ぶことも珍しくない(写真)。有人監視台は24時間体制で見張る。7日には公園の手すりや樹木に括り付けた旗、プラカードをほんの一部だが、撤去した。
公園内に設けられたメディカルセンターのマリア看護師(22歳)によれば「警察からかけられるプレッシャーで頭痛を訴える患者が多い」という。
筆者は口の軽そうな警察官をつかまえて「いつ排除するのか?」と尋ねた。
「したいね…だけど市長の決断待ちだ」。30代後半と思われる警察官は、ガムをくちゃくちゃ噛みながら語った。その目は公園の占拠者をいまいましく見つめていた。
かりにズコッティ公園だけを排除しても、全米各地に広がる「Occupy(占拠)」を根こそぎにすることは不可能だ。まっとうに働く人々が人間らしく暮らせる社会を、政府が取り戻さない限り、第二第三の「Occupy(占拠)行動」が現れるだろう。
「強欲資本家に富が集中し自分たちは病院にもかかれない」。金融の国家支配に抗議する庶民がズコッティ公園を占拠して50日余りが経つ。広さ1,250㎡余りの公園にはテントがひしめく。日を追うごとにその数は増え、通路を除けば空きスペースはほとんどない。
ニューヨーカーの最大関心事は市警察がいつ占拠者の排除にかかるか、だ。
一般紙『ニューヨークポスト(3日付)』は、1面トップと社説でブルームバーグ市長に宛て「占拠はもうたくさんだ。公園とニューヨーク市の威厳を取り戻す時期に来た」と排除を催促した。
ニューヨーク市警は今すぐ実力行使にかかる気配はないが、占拠者に対してジワジワとプレッシャーをかける。パトカーがまるで示威行為のように公園脇にズラリと並ぶことも珍しくない(写真)。有人監視台は24時間体制で見張る。7日には公園の手すりや樹木に括り付けた旗、プラカードをほんの一部だが、撤去した。
公園内に設けられたメディカルセンターのマリア看護師(22歳)によれば「警察からかけられるプレッシャーで頭痛を訴える患者が多い」という。
筆者は口の軽そうな警察官をつかまえて「いつ排除するのか?」と尋ねた。
「したいね…だけど市長の決断待ちだ」。30代後半と思われる警察官は、ガムをくちゃくちゃ噛みながら語った。その目は公園の占拠者をいまいましく見つめていた。
かりにズコッティ公園だけを排除しても、全米各地に広がる「Occupy(占拠)」を根こそぎにすることは不可能だ。まっとうに働く人々が人間らしく暮らせる社会を、政府が取り戻さない限り、第二第三の「Occupy(占拠)行動」が現れるだろう。