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【カイロ蜂起・第2幕】エジプト民主化 行く末決める軍の動向

tanakaryusaku

 救急車がサイレンを鳴らしてけたたましく走り、負傷者が野戦病院に運び込まれる。広大なタハリール広場を埋め尽くす人の波も熱気も前回(今年1月~2月)の市民革命とほとんど同じだ。
 違うのはスローガンだ。「ムバラク(大統領)去れ」が「タンタウィ(軍トップ)はノー」に変わったことだ。この違いはあまりにも大きい。前回の市民革命では、軍は静観を決め込んだ。連日1万人を超える民衆が打倒ムバラクを叫んで、タハリール広場を占拠したが、軍は一切、手出ししなかった。

 軍は腐敗しきったムバラク政権を見限っていたのである。占拠から18日目、民衆はムバラク大統領を辞任に追い込んだ。軍が無言の“援護射撃”をしたおかげとも言える。
 30年にも及ぶ独裁政権を民衆の力で打倒したことは「アラブの春」と持て囃された。全米に広がる「Occupy行動」は、アラブの春に影響を受けたものである。
 だが、お膝元では春風はほんの上っ面を撫でただけだった。人々を締め付ける大本である軍の特権は維持されたままだった。
 タハリール広場を埋める民衆蜂起第2幕は、軍に特権の放棄を迫るものだ。エジプト最大の産業である軍が特権を捨てて、果たして自らを維持できるのか。
 とはいえ軍の動向がエジプト民主化の行く末を決めることになる。28日から始める議会選挙をはさんだ、ここ1週間がヤマ場となるだろう。

なぜ、医師の発言が禁止されるか(2)・・・予防原則適応時に許される行為

なぜ、医師の発言が禁止されるか(2)・・・予防原則適応時に許される行為

多くの人は学校教育の内容が不正確であることもあって、「水俣病」というのは「企業が水銀が毒物と知っていながら、垂れ流した」と思っています。でも、企業は国や熊本県が認可した排水基準を守っていました。

つまり、時として企業は収益に走り、国民に被害を与えることがあるので、県や国が審査をして法律などに合格すれば認可をするのです。自分がその工場の人だったとします。あるものを使って運転をしようとして計画し、書類を役所に出して認可を受ければ、それを守って仕事をすることで非難されることなど考えないでしょう。

水俣病が「水俣病」という名前がついているのは、水銀で本格的な病気が発見されたのが、水俣が初めてだったからです。それまで、女性のおしろいは酸化水銀、神社の鳥居の朱色は硫化水銀、そして歯医者に行くと水銀アマルガムを詰められました。水銀は普通に使われていたのです。

今でも、「水銀」というものが常に毒性を持つのか、メチル水銀などのある状態の水銀が毒物なのか、ハッキリしないところがあります。しかし、人間はあることが起こる度に、反省し、知識を増やして、より安全で快適な社会を作ってきました。その一つが「予防原則」です。

水俣病の時に、水銀が毒物であるということが学問的に判ったのは最初の患者さんが出てから6年後でした。その時に、漁民は操業の停止を求めたのですが、水俣市民の多くは操業を続けることを望んだのです。つまり、法律もなく、学問的にも不明で、患者さんが出ているという状態で仮に操業を止めさせた場合、その損害を誰が補償するのかハッキリしないからです。

そんな経験を経て、1992年の環境サミットで「原則15:予防原則」が世界的に合意されました。その趣旨は「科学的に因果関係が不明な場合でも、怪しいときには予備的に規制することができる」というものでした。これが人間の知恵というものです。

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1年1ミリシーベルトというのは、予防原則の思想で決められています。学問的にハッキリするまで待っていたら、被曝による被害者が出るかも知れないので、予防的に合意をしたのです。自然界から受ける自然放射線は仕方が無いのですが、原発からの放射線は「余計なもの」です。もし日本に原発がなければ、1年1ミリなどと言う規制もほとんど要りません。

福島原発の事故が起こると、多くの医師が「1年1ミリを守る必要はない」と発言し、今でも言い続けています。でも、医師の人は「予防原則」というのが悲惨な多くの犠牲のもとに、人間の知恵で創り出したものであることを勉強してください。

というのは、「1年1ミリを守る必要がない」と言っている医師、テレビや新聞などの記者はどうも、これまでの公害の歴史、予防原則、人間の知恵について、よく知らないようなのです。でも、社会に責任を持って発信するためにはこのぐらいは知らなければなりません。

私が「なぜ、1年1ミリか」というのを科学的に説明せず、「法律、合意」として示しているのは、それが「予防原則」ですから、もともと科学的な根拠を議論できないものだからです。

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ところで、私は「人を批判せず、内容を批判する」ということを守ってきました。今まで、首相、大臣、東大総長、特定の権力者を別にすると個別の名前を挙げて批判することはしませんでした。でも、今は福島をはじめとした子供たちが被曝しています。この被曝を止めるために、今日から個別の名前を出すことにしました。

流山市長と福島の「順一」(聞くところによると塾の先生)という人が、「1年1ミリを守る(法律を守る)必要はない」という趣旨と、私を関係の無いこと(私がバナナを食べたことがないと推定していること)で個人的に批判しています。私の批判などはどうでも良いのですが、この二人の言動の目的は福島の子供たちに余計に被曝させることなので、放置できません。予防原則を勉強して、すぐ子供たちを被曝させることを止めてください。子供の健康はあなたたちのものではありません。

中部大学武田邦彦
(平成23年11月25日)

もう一度、思い出そう:原子力基本法の「ダダ漏れ原則」

もう一度、思い出そう:原子力基本法の「ダダ漏れ原則」

日本が原子力の開発に乗り出すにあたって、当時の政府は国民に大きな約束をしました。それが「自主、民主、公開」です。アメリカの指示を受けず、どんな手続きも民主的に、そしてすべてを公開することを約束したのです。

このような民主的な手続きが国民と政府との間に取り交わされた場合、それを守る誠意こそが民主主義を発達させ、こそこそと破るようなことがあれば、それは民主主義を崩壊させることになるでしょう。

このとき、日本学術会議は声明を出し、「この場合の「公開」とは、原子力についてのすべてのことを公開することであり、それは例外を許さない」ということでした。

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当時から見ると、日本社会はかなり弱くなっているようです。政府は断固たる態度をとっていません。民主党政権の中にはかつて社会党で原発に反対した人が多いのに、東電の「片付けない、お金を出さない、被曝させる」という基本的な態度を指示しています。

日本学術会議(学者の集合体)も今度の事故で動かないというより、逆方向の言動が目立ちます。気象学会は事故直後、「誤解を招くといけないので、福島の風向きの研究は発表するな」と憲法に違反する疑いのある指令を理事長から出しますが、学会を監督する立場の学術会議は動きません。

また、横浜市が1年5ミリまで被曝する食材を提供して良いという市報を出すときに、日本学術会議の幹部を名乗る東大教授が「被曝は大丈夫」との解説をします。オープンで国民のための原子力という日本の方針は有名無実になっていました。

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もう一度、「原子力は公開」、つまり「ダダ漏れ」であることを再確認したいと思います。東電が原子力発電を使った商売をすることができるのは「公開の原則」を守るという前提付きです。決して、一般の商売のように「ビジネス上の秘密」などを作ってはいけないのです。

それでは「東電が蓄積したビジネス上の秘密を保護しないと、日本のためにならない」という反論があるでしょう。でも、その反論だけではダメなのです。原子力というビジネスをする前提条件は「公開」です。だから、「公開の原則を守りつつ、会社が蓄積した知識などを守るにはどうしたらよいか」ということを実施者(東電)自身が研究して、開発しなければなりません。

つまり、原子力を商売にするのは良いのですが、商売する人が自分の儲けのために、あるいは勝手に「日本のため」ということで「秘密にして良い」と自分で決めることはできませんし、政府も国民の了解なしに勝手に「これは秘密にしてもよい」などと決めることもできないのです。

日本は主権在民ですから、首相はお殿様ではありません。

中部大学武田邦彦
(平成23年11月25日)