あなたの保険大丈夫ですか?将来の年金支給額知ってますか?直ぐに計算出来ますよ -145ページ目

好きな言葉・・・今日も朝

好きな言葉・・・今日も朝

時間というのは実におもしろいものです。東京から大阪に行くと、大阪から東京に帰ることができるのに、昨日から今日になると、今日から昨日に戻ることができないのです。

時間が過去から未来へ流れて元に戻れないのは、宇宙が爆発して膨張しているからと考えられています。望遠鏡で宇宙を見ると、今から1万年前にでた光を見ることができるのですから(1万光年の彼方の星の光は1万年前に出た光)、1万年前に宇宙が合ったことが判ります。

でも、宇宙のどこを見ても未来の光はありません。だから、「過去はあったし、目で見ることもできるのに、未来は見えない」ということです。地球上に住んでいると「過去を見ることができない」と思いますが、もし地球から10光年離れたところに受光器があり、そこで光を受けて増幅し、そのまま地球に送り返す装置があったら、自分の20年前の姿が、20年後の自分と同じように見ることができるでしょう。

ところが、未来はどこにもないのです。「どこにもない」のではなく、「まだ、未来は誕生していない、存在しない」のではないかと思います。つまり、「明日が来るかは判らない」ということです。

今の物理学の計算では、「宇宙の膨張の力」は150億年後に無くなるとされていて、そこからは時間が逆転する可能性が高いのですが、この計算が間違っていて、明日、宇宙が膨張する力がなくなると明日という日は来ないはずなのです。

「明日は当然のように来る」と思うと、欲がでますが、明日の朝、起きたとき、「ああ、今日もあったか。宇宙も俺も生きていたか! ありがたい」と思えば、またその一日を大切にすごそうと思うような気がします。

だから、本当は「今日も朝があったか」と色紙に書きたいところですが、すこし前で止めて「今日も朝」と唱えることにしています。

「takeda_20120216no.427-(5:59).mp3」をダウンロード

中部大学武田邦彦
(平成24年2月16日)

特約が増えた「医療保険」は魅力なし

 「これは『進化』ではないだろう」。1月にリニューアルされた日本で一番売れている「医療保険」のプレスリリースを見て感じました。

 リリースには「現行商品のコンセプトである『使いやすさ』『分かりやすさ』を維持しつつ、お客様が医療保険に求めるさまざまなニーズにお応えし、より多くのお客様のお役にたてる医療保険へと進化させています」とあります。

 しかし、私は「従来よりも、わかりにくくなった。わかりにくいものは使いやすくないだろう」と思ったのです。

 原因は、追加できる特約が増えていることにあります。

 たとえば、「生存祝金特約」です。契約が続いている期間中、生存していれば3年ごとに3万円のお祝い金が支払われます。一定期間ごとに受け取れるボーナスやお祝い金に対するニーズにお応えするために新設されたとのことです。

 たしかに、「保険に入っている間に、受け取ることが出来るお金があるのは嬉しいものだ」といった声をお客様から聞く機会はあります。

 ただ2点疑問があります。まず、そもそもお客様が払い込んだお金を定期的に返金する仕組みを、「ボーナス」や「お祝い金」と呼ぶのは図々しいと思います。

 3万円を受け取るには必ず3万円に近いお金を払うことになるのです。仮にお金の殖え方が大きい場合でも、特約が付いている本体(主契約といいます)の価格設定で調整されているだけかもしれません。

 また、「3年後の3万円」と、保険本来の存在意義とにどんな関係があるでしょうか? 今日、明日何かあった場合、自力では調達できない金額の保険金が支払われるのが保険の最大の利点です。好みの問題とする向きも認めつつ、もともと無くてもいい特約だと考えます。

 他に改訂された特約には、「総合先進医療特約」もあります。1回あたりの支払限度額と通算支払限度額が2千万円に引き上げられています。先進医療特約については、本連載で昨年10月28日付で書いた記事「『先進医療特約』だけを販売できない理由」をご覧ください。私は特定の治療について320万円まで、通算700万円までとする現行商品の内容のままで構わないと思っています。

 改訂の理由は「高まる『先進医療』に対する保障ニーズにお応えするため……」だそうですが、2千万円を限度としている他社商品があることを意識したものでしょう。

 あらためて思うのは「お客様のニーズに応える」とは、ある意味、便利な言葉だなということです。価格競争を回避する言い訳のようにも感じられるからです。

 次の表をご覧ください。最もシンプルなプランで、2002年の発売当初から2度リニューアルされた商品の内容をまとめてみました。

  2002年版 2009年版 2012年版

入院日額 1万円 1万円 1万円

手術 (種類により)
10.20.40万円

入院を伴う手術10万円
外来での手術5万円
重大手術40万円

入院を伴う手術10万円
外来での手術5万円
重大手術40万円

放射線治療 - 1回につき10万円 1回につき10万円

先進医療 - 1回につき10万円 1回につき10万円

料金

30歳
'02
4620円
4970円

'09
4730円
5020円

'12
4730円
5020円

40歳
'02
6980円
7880円

'09
7900円
7750円

'12
7900円
7750円

50歳
'02
14550円
17240円

'09
17920円
17210円

'12
17920円
17210円

※料金は上段が男性、下段が女性(60歳払い済の場合)

 今回のリニューアルの実態は、現行商品に付加できる「特約」が増えただけなので、09年版と12年版は同じです。

 問題視したいのは、09年以降の40歳と50歳の保険料です。女性では、若干、保険料が下がっているものの、男性、特に50代男性の保険料が23%以上高くなっています。

 理由は、09年から「お客様のニーズに応え、放射線治療に対応する機能が追加されたため」と説明されるかもしれません。しかし、それでいいのでしょうか?

 近隣業界の方から経費率の高さに驚かれるのが保険業界です。発売から10年もの間に、経費削減等によって、商品の機能が増えても価格は上がらない(もしくは下がる)ようにすることは不可能だったのでしょうか?

 50歳男性が60歳までに保険料を払い終わる設計では、215万円を「医療保険」の基本的な機能だけのために支払うことになるのです

 今回取り上げた会社に限らず、各保険会社には、商品のメーカーとして「特約の改定以前に、もっと利用しやすい保険料に……」というニーズがあるのではないかと、想像をたくましくして欲しいと思います。

知の侮辱(10)・・・コンピュータ君は悲観論者

知の侮辱(10)・・・コンピュータ君は悲観論者

コンピュータ君にはなにも悪いところはないけれど、お金が欲しいという研究者に適当に利用されて、不名誉な計算結果を出し続けている。

● 1970年代初頭、アメリカ・MIT(マサチュセッツ工科大学)のメドウス博士が「地球方程式」を作り、それをコンピュータで解いて「成長の限界」という本を出した。

「人間の成長には限界があり、2010年頃から文明は破壊される」という結果だったが、見事、外れている。その原因はコンピュータにあるわけではなく、コンピュータに数値を入れる人間が間違っていたからだ。

● 1988年6月23日、アメリカ・NASA(航空宇宙局)のハンセン博士が「地球温暖化方程式」を作り、それをコンピュータで解いて「地球は温暖化する」とアメリカ上院の公聴会で証言した。

「人間活動ででるCO2によって温暖化し、2010年には地球の平均気温が1℃あがる」と言う結果を述べたのだが、見事、外れている。下のグラフでハッキリわかるようにハンセン博士が演説した年からほとんど気温は上昇していない。

まったく人騒がせだが、なにしろ「コンピュータ」で計算したというのだから、多くの人がダマされて信じ込んでしまう。でも、方程式を作るのも、コンピュータに近似式を入れるのも(厳密には解けない)、そこで使う数値を入れるのも、みんな人間だから、コンピュータというけれど、人間と言っても良いのだ。

今から5年ほど前、ある専門的な地球温暖化の研究会に出たときに、基本方程式や熱バランスなどの詳しい式の説明があったが、雲の発生、海洋との熱のやりとりなどについて、かなりおおざっぱな数値を使っていた。質問したが、「そこのところは研究が進んでいないので」というお答えだった。

その答えが不誠実であるということではない。研究はその途上で不完全なところを多く含んでいるもので、完璧になってから研究されるものは少ない。だから、研究途上というのはいい加減なものだ。

なにしろ、メドウスの計算もハンセンも、意欲的ではあるし、学問の発展にも寄与したと思うが、結果は間違っていると考える方が普通だ。研究を始めた頃の結果は普通の場合、間違っているものだ。

でも、この頃はマスコミがいるので、「研究の結果はすべて正しい。特に自分の新聞が売れる方向の結果は正しくなければならない」という奇妙な確信を持っている記者が多い。だから、発表から2年も経つと、社会ではすっかり「コンピュータで計算した結果」が正しいことになってしまう。

コンピュータ君にとっては不本意だろう。それに加えてもう一つ、残念なことがあるはずだ。それは「科学の性質から一般的に結果が悲観的になる」、「悲観的な結果しか新聞にでない」という二つの原則があるからだ。

科学は「これまでに判ったこと」から構成されているので、「将来」については無力である。その科学が将来を予測する時には、「過去のことがそのまま続くとして将来は」ということを明らかにしようとするので、もともと原理的に無理がある。だからメドウスは「この計算結果は、現在の状態が何も変わらない場合だけ」と断っているが、それをマスコミが伝えるときに省いた。

コンピュータは人類の発展に役に立つ。だからといって使い方が悪くても役に立つわけではない。将来、コンピュータが自らプログラムを作り、物理や学問を勉強し、自分で入力して計算をするまで、「コンピュータを使って」という表現は慎重にした方が良いだろう。悲観的な結果で社会が右往左往するのは良いことではない。

「takeda_20120215no.425-(5:37).mp3」をダウンロード


中部大学武田邦彦
(平成24年2月13日)