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原発再開問題はもっとまじめに 政界も産業界も「欲しい」だけでは子供

原発再開問題はもっとまじめに 政界も産業界も「欲しい」だけでは子供

福島原発が爆発した後、ほどなくして「電力はどうするの?」という話になり、「原発は危険かどうかは別にして、電気が欲しいから運転しなければならない」というかなり乱暴な議論が出てきました。2011年の5月ぐらいの時期で、菅首相の時代です。

これまでの審査を通ってきた福島原発が爆発したのですから、安全審査に問題があったことは間違いなく、従って、「人も方法も同じ」では再開はできません。そこで「ストレステスト」というヨーロッパを中心として行われている方法をつかって政府は乗り切ろうとしました。

でも、もともと今回の事故は、地震と津波で破壊されており、ヨーロッパやアメリカのほとんどの原発のように地震も津波もないところで作られたストレステストでは全く役に立たないことは当然です。

何か政治的な問題が起きたとき、日本の政府や役人は国民が英語が弱いのを利用して、わかりにくい英語を使うのが普通です。たとえばインフォームド・コンセント、メタボリック・シンドロームなどはそうで、「親身の相談」とか「ダイエット」と言えばそれですむのですが、このような小細工をしてくることが最近の傾向でもあります。

ストレステストというと何か特別なことをするように思いますが、「このぐらいの地震が来たらどうなるか?」というのを個別に検討するというだけですから、今までと変わりません。またストレステストという概念はもともと金融の健全化を調べるために出てきたもので、これはすでにアメリカとヨーロッパの金融危機を防ぐことができなかったのですから、あまり感心したものではないのです。

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ストレステストが通らないとなると、政府は「暫定的な新基準」というのを持ち出しましたが、原子力安全委員長は「我々は原発の安全を審査するのではない」という発言をして、さらに信頼を失いました。安全委員会の設立の時の規則の表現のことを言っているのですが、国民が安全委員会に期待していることはまさに「原発の安全性の是非」なのですから、これは実に奇妙な発言なのです。これで国民は「推進側の経産省組織」しか安全を守ることができないと言うことになりました。

このようなごたごたを続けている中、今度の原発事故の最も重要な問題は、1)これまで「固有安全性がある」としてきたのに、それが無かったが、それに対してどうするのか? 2)これまで「多重防御」をしていると言ってきたのに、それがウソだったことがわかったのだが、それをどうするか? 3)事故時の対応策(危機管理:大型客船の救命ボート)がないことがわかったが、それをどうするのか? などが再開にあたって直接的に明らかにしなければならないものです。

さらに、1)廃棄物貯蔵所も作れない状態で、今後も原発を続けるのか、2)地震や津波、テロなどの危険性の見方が間違っていたのではないか、などの根本問題もあります。せめて、再開するなら廃棄物貯蔵所を作ることを国会で合意をする必要があります。核廃棄物貯蔵所は「危険だから先送り」ということでは、これも事故の遠因となります。さらに、仮に将来、原発を作るとしたら東京の電気は多摩川、荒川などの河畔に作り、東京に廃棄物貯蔵所を置くこと、名古屋は木曽川、大阪京都は琵琶湖などと決めておく必要があります。

「日本のシステムとしてお金は東京が吸い上げ、危険なものは吸い上げたお金を地方に出して、地方に危険を背負わせる」という基本的な政策を変えて、「日本人は皆同じ国民(それこそ思いやり)」(絆=家畜の自由を奪うことという意味だから使いたくない)であることを確認しないと、また同じことが起こるでしょう。

危険もいやだ、ゴミを片付けるのもいやだ、ただできだけ欲しいというのだったら、政府も経済界も子供同様ですから、もっとしっかりした魂を持ってください。本日、これからガリレオ放談「原発緊急報告」を収録に行きます。そこでこの問題を詳しく解説します。







中部大学武田邦彦
(平成24年4月6日)

(原発)責任ある人たちの法律的・倫理的問題点(2) 被曝を勧めた医師の進退

(原発)責任ある人たちの法律的・倫理的問題点(2) 被曝を勧めた医師の進退

「1年1ミリ以上の被曝をしてもよい」という意味のことを発言したり、書いたりした医師は、ご本人が自主的に医師免許を返納するか、もしくは医師会がその医師の返還を勧告する必要があります。これはごく簡単なことですので、すぐにでもお願いします。

被曝に関する日本の法律と医師の普遍的な倫理によるもので、このようなことを曖昧にすると日本の医療の信頼は得られません。医師は社会的に指導的な立場にあって、6年間に及ぶ医学教育と国家試験の合格者でありますし、かつその後も医師としての教育を継続的に受けてきているのですから、このような簡単なことを知らないとか自分独自などと言うのは許されません。

なぜ、1年1ミリを超える被曝を許したり、勧めたりすると医師をやめる必要があるかというと、発言をすれば患者さんを治療することができないからです。その理由を明確にしておきますので、医師会なども体裁などにとらわれず、この際、日本の医療のためにはっきりした態度を示してもらいたいと思います。

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1) 国際的にも国内的にも、被曝は1)自然放射線による被曝、2)原発などからの人工源からの被曝、3)医療被曝、の3つからなっており、原発などからの被曝に対して医師の発言の権利は及ばない。医師は殿様でも神様でもなく、被曝に関する権限は「医療用」に限定される。医師は時に患者の両足を切断することがある。このように他人の体を傷つけても罰せられないのは、それが医療行為だからである。医師が医療行為で何ミリシーベルとを患者に施してもそれが正当な医療行為であるときだけ認められる。
また、医師が「自分は両足を切断しても罰せられないから、東電もお客さんの両足を切断することは許される」旨の発言は犯罪である。「自分の医療の学問や経験から、1年1ミリ以上の被曝は問題ないから、従って原発からの被曝は許される」との発言は医師として著しくその権利を逸脱している。

2) 医師が患者の両足を切断しても罪に問われないのは、日本社会が医師の専門性とその権限を医療に関して認めているからである。最高裁判所の裁判官が、「自分は社会的に尊敬される存在であるにもかかわらず、被告を殺す(死刑)にしてもよいことから考えて、人を傷つけることぐらい許される」などと発言することができないことと同じである。
現代社会はその社会の発展と維持のため、特に国家的に認めた人たちに特別の権限を付与することがある。しかし、それは患者、被告などに対して、一定の手続きを経て行えるものであり、その他に敷衍することは許されない。

首相や都知事は日本国憲法の前文で定められている通り、国民の信託を受けてその代理業務をやっているのですから、法律に基づき、選挙してくれた国民を尊敬してその業務にあたることは当然です。もちろん、民主主義ですから全権を持った殿様ではありません。

これと同じように医療を行うことができる人たちも、国民の信託を受けて、特別な行為が許されているだけであり、その行為は医療行為に限定されます。それを管理している厚労省は、国民の代わりに監督の責任がありますし、専門家のギルドとして機能する医師会は不良な言動に対して必要な勧告を行うことが求められます。

もちろん、私がここに書いたことは普通の日本では行うようなことではありませんが、今回の原発事故における福島医大や東大に所属する医師の言動は、今後の日本の医療のためにどうしても処分、あるいはなぜこのようなことが許されるのかについての説明をする必要があります。

被曝に関して医師が発言しうる最大限の範囲は、「医療においては1年1ミリシーベルト以上の被曝を患者にさせることがあるが、医療以外の分野で人工的な被曝は1年1ミリシーベルトに限定されている。これらの被曝を将来合理的・学問的根拠を持って統一する必要がある」ということでしょう。

日本の医療の将来と、日本の専門家の倫理を保つために、厚労省、医師会、そして医師本人の誠意に期待します。言うまでも無いことですが、厚労省は国民のため、医師会は患者のために存在し、医師の利益代表でも無いと思いますし、さらに医療の正常化はこの二つの機関の最も大切なことと思います。「村の掟」ではなく、近代国家の「法律と倫理」のもとづいた行動を望みます。

繰り返しますが、「健康」に関することだからと言って医師は万能ではありません。患者さんを相手にした治療以外に、医師がどの範囲で発言しうるのか(医師として)、まだ社会的な合意は進んでいません。そのこともよくお考えになり、前向きな議論を展開することを期待します。


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中部大学武田邦彦
(平成24年4月2日)

10兆ベクレル、岩手米、セシウム再飛散、瓦礫・・・混乱する日本列島

10兆ベクレル、岩手米、セシウム再飛散、瓦礫・・・混乱する日本列島

千葉で10兆ベクレルが予想されたというスピーディのデータが隠されていたことが明らかになったり、「兵庫米」と表示された米袋の80%が岩手米だったり、福島でセシウムが相変わらず100ベクレル(1平方メートル)が再飛散したり、瓦礫の搬出に反対する人を非国民と呼んだり・・・マスコミは暗黙の協定で「政府が沈静化に懸命なのだから、国民が知りたくても報道しない方が無難だ」という態度に終始しています。

どれもこれも東電の原発事故以来、日本が大切にしてきたものが破壊されています。「環境無視」、「安全無視」、「東電擁護」、「バッシング」、「見ザル聞かザル言わザル」を決め込んでいるようです。やや暗かった日本が真っ暗闇になりそうな気配です。でも、それには負けてはいけません。考えてみれば、あまりにも楽な社会だったかも知れませんし、一条の光でもあれば社会はなんとか突破口を見いだせるものです。

・・・・・・・・・まず、10兆ベクレルから・・・・・・・・・

一部マスコミが10兆ベクレルを報道しましたが、これが10億ベクレルでも、100億ベクレルでも「えっ!」と思うでしょう。つまり、10兆ベクレルということだけでは、普通の人はそれが危険なのかどうかわからないからです。そこで計算をしてみます。

千葉県の状態から計算してスピーディーは、「福島原発から1時間あたり10兆ベクレルの放射性物質が放出されている」と推定しました。1時間だけ漏れることもないので、一応10時間漏れて100兆ベクレルとします。この放射性物質が福島原発から南に向かって流れ、茨城県に落下したとします。

茨城県は全部で6000平方キロメートルですから、その6分の1に放射性物質が降下したとすると、1000平方キロメートルになります。100兆ベクレル(10の14乗ベクレル)を1000平方キロメートル(10の9乗平方メートル)で割ると、10の5乗ベクレル、つまり1平方メートルあたり10万ベクレルになります

一方、土壌汚染の限界は1平方メートルあたり4万ベクレルで、直ちに汚した人が片付けなければならないと法律で定められています(いつもの電離放射線障害防止規則第28条)。スピーディーの結果を公表すると茨城県から千葉県の土地を東電にいって除染させなければならないので、それをビビッたのでしょう。

でも、隠すのは問題です。だいたいスピーディーは税金で開発したもので、政府の高官が私費を出したものではありません。それを政府高官だけ見て、国民には見せないのだったら、スピーディーと関連ソフトの開発費約400億円を現政府が出して弁済しなければなりません。

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ところで、もう一つやっかいな問題があります。これは瓦礫に関係するのですが、福島原発から漏れた量は政府発表で80京ベクレル、およそ100京は漏れているでしょう。そうすると、今度発表された100兆ベクレルというのは、膨大な漏れ量ですが、それでも「全体の1万分の1」と言うことです。

残りの99京9900兆ベクレルはどこに行ったの??これがはっきりしないと瓦礫ばかりではなく、何も搬出はできないのです。99京9900兆ベクレルの行方が問題で、これがこれからの子供たちを守るのにもっとも重要な情報です。それがわからないのに、「瓦礫を搬出しても大丈夫」という「大丈夫」とはなにを言っているのでしょうか? 一回だけならとか、風が吹かなければとか、国民を危険にさらす仮定を置かないとだめなのは、今度の千葉の10兆ベクレルでよくわかります。

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ところで、岩手産の米を兵庫米として(袋の表紙だけ。裏には「岩手産の米とブレンド」と書いてあり、実際には80%が岩手産)販売した問題は、岩手の人がかわいそうです。米というのは日本人の魂ですから、魂を偽るのは実に悲しいことです。岩手米は岩手米で、ベクレルを測定し、1キロ40ベクレル以下のお米を堂々と販売するのが良いと思います。

人間はお金より魂です。特にお米を作っている農家の方の守るべきものは、神棚に飾るほどのお米ですから、ウソ偽りなく、堂々と、もしそれが不当な取り扱いで売れなければそれはそれで仕方が無いことです。

「農家」という定義は「農家で作ったものが安心して食べることができる」ということであり、産地を偽装、あるいはわかりにくくして販売するのなら、それを出荷する家は農家とはいえないでしょう。私もベクレルが測定されている岩手米をおいしく食べています。安全なものは安全ですが、偽って販売するものはたとえそれが安全でも危険と見なされます。

風評で売れなければ私たちがカンパします。日本の米、日本の土地、日本の子供は私たちの宝です。安全な岩手米が売れないなら、私たちが買います。危険な岩手米なら売るのは農家ではありません。


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中部大学武田邦彦
(平成24年4月4日)