健康食品の表示の緩和に対応して武装せよ | 科学のために科学を科学的に笑うべし

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健康食品サプリメントは法律上は食品であって薬ではないので、
広告などで効果効能をうたう事はできません。
つまり、
×「視力を回復させます」
×「体脂肪を減少させます」
×「バストアップ」
×「血圧を下げる」
×「ガン細胞が消える」
などの表現は禁止されています。

ただし特定保健用食品(トクホ)は例外で、
これは試験に基づいた審査を経て認可されているので、
ある程度は効果効能をうたうことができます。

比較広告も禁止されています。
つまり具体的効能を説かなくても
× 「この健康食品は薬より効きます」
というような表現も認められません。

しかし現在、消費者庁を中心(*1)に、これを緩和しようという動きがあります。
販売側が十分な科学的根拠(evidence)を提示できるなら、
健康食品等にも効能表示を認めようという方針です。
7月末に具体的なガイドライン(*2)もまとまりました。

(*1)食品の新たな機能性表示制度に関する検討会
http://www.caa.go.jp/foods/index19.html
(*2)
食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書 概要
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/140730_3.pdf
食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書 (全文)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/140730_2.pdf


例えば、現状では認められない以下のような表現が、
十分な根拠があれば容認されるようになるかもしれません
? 「免疫力が向上」
? 「抗酸化の作用がある」
? 「しわが減少する」
病気の治療にかかわる表現、例えば「ガン細胞が消える」は
緩和後も認められないでしょう。

しかしこの科学的根拠というのは、
かなり危うさをはらむのではないかと感じています。
この規制改革以前の現時点にしたって、
企業側はカネが入ってくるのですから組織ぐるみで必死で消費者を騙しつづけ、
医学・薬学・生物学等の知識がない消費者は騙され続けています。
機能性表示の規制が緩和されれば、
消費者はさらに巧妙に騙されることになるはずです。


消費者は弱い立場です。
企業側といえば、大量の資本を投下して広告方法を研究し、
組織だって多くのメンバーが連携して行動し、
しばしば業界ぐるみになり、
さらには政治を巻き込んで自分たちの有利な方向へ社会を動かしてしまいます。
消費者は、ひとりでこれに立ち向かわなければなりません。

しかし消費者を単純に擁護するつもりもないです。
騙すほうも悪いですが、
何べんも何べんも繰り返し騙される方だって、かなり悪いでしょう。
騙された人間が、いつしか騙しに加担して、
周囲に悪を振りまいてしまうことも起きています。