映画シティーハンターは1985年から少年ジャンプに連載が開始された漫画の実写化作品。
制作:Netflix
原作:北条司(週刊少年ジャンプ:累計発行部数5000万部)
監督:佐藤祐市(代表作:シムソンズ/キサラギ)
時間:104分
出演:鈴木亮平/森田望智/華村あすか他
おすすめ度 ★★★★☆ 星4.3 日本の実写化の進化が凄い。
お子様度 もっこり言いますけどもっこりシーン無しなのでオススメ!
速報トマトメーター
<ストーリー>
ある日の新宿。裏社会のトラブルを処理するスイーパー(始末屋)の冴羽リョウ(鈴木亮平)は、失踪した有名コスプレイヤー・くるみ(華村あすか)の捜索依頼を請け負い、相棒・槇村秀幸(安藤政信)と彼女の足取りを追う。そのころ街では謎の暴力事件が多発しており、リョウと腐れ縁の刑事・野上冴子(木村文乃)が調べを進めていたが、槇村が新たな犠牲者となる。現場に居合わせていた槇村の妹・香(森田望智)から事件の真相を調べてほしいと懇願されるリョウだが、その背後では強大な悪がうごめいていた。<シネマトゥデイより>
結構ネタバレがある予告編なので注意が必要です。
◆ネタバレ無しの感想
最近の日本のコンテンツはものすごく勢いがあり、アカデミー賞でゴジラマイナスワンと君たちはどう生きるかがダブル受賞し、「アニメも怪獣映画も全然行ける日本!」といういい流れが作られています。今年は更に、TVドラマ「将軍」がエミー賞を受賞するだろうと思います。やはり映画は時間と予算をかけないとだめな事が証明されました。今までの実写化のダメっぷりは低予算でお金も時間もかけず知名度で、金儲けを企む企業姿勢が悪かったのです。日本の漫画は磨くとぴかぴか光る宝石なのです。
◆新宿で撮影できるの?
まず驚くのが、新宿でこんな撮影ができること、これは故石原都知事が「良い映画を作るためには都は積極的に協力する」という発言がありましたが、それがいよいよ現実化したと思いました。やはり作られた新宿ではなく何もかも本物の新宿で撮影できるのでは出来上がるものが違いますね。世界中で配信されるので新宿を中心とした美しい日本の都会を見てほしいですね。
◆鈴木亮平さんの異常なまでの原作愛
漫画の実写化に一番必要なのは原作愛!他のキャストから監督と呼ばれていたそうです。槇村秀幸役の安藤政信さんは、鈴木亮平さんから人物像から演じ方まで教えてもらっていたそうです。
◆素晴らしいキャスティングと演技
鈴木さんはもちろんですが、森田望智さんの意思は強そうだけど闘志が空回りするところのダメっぷり演技力が絶妙。寮とバディーを組んでからは気丈で寮をうまく押さえつける女性になるのだろうけど、それまではこんな感じだと思わせる現実的な演技。華村あすかさんも東横ガールでコスプレヤーという難しい役どころを見事に演じきっていました。
◆ストーリーが良い
令和の新宿駅に掲示板は無いですが、掲示板がなければシティーハンターじゃないですからお約束ですね。それを除いて完璧に昭和の話を令和に落とし込んでいます。
◆フランス版のシティーハンター
フランス版のシティーハンターの評判はかなり良かったですが、やはり本場で作るからには負けられないですね。おそらくそのうちyoutubeでフランス人のコメントが聞けると思います。※欧州ではフランスだけ1位発進でアメリカ・イギリスではベスト10にも入らず。アジア圏内は韓国・台湾・インドネシア・香港など1位発進。
◆続編希望
いつもならドラマ形式で8話または5話でしたが、映画形式で単発にして104分にまとめました。
これはある意味、話を一挙に続けて放送すると、待たされお預け状態がなくなります。映画形式にすれば待つ喜びにより楽しさが倍増しますので、なかなか良い判断かと思いました。この程度の予算でこれだけ視聴率稼げれば(実はこの時点では予想w)Netflixなら次回作は屁でも有りません。続編が見たければ口コミ作戦か何回も再生作戦で応援しようじゃありませんか!
◆トマトメーター
やはりアメリカでは、リョウの女性好き=女性蔑視と評論家からとられるようです。まぁこれは漫画が原作なのを理解されていないですね。普通のヒーローじゃつまらないから女好き設定なのに。まぁ今やハリウッド映画はポリコレばかりでつまらない作品ばかりです。こういった評論家からの批判が作品をつまらないものにしているのを理解されたほうがよろしいかと思いました。逆に考えればこういった圧力が強いほど日本の漫画アニメはライバル無くどんどん成長しますのでお構いなく・・・逆にそんなポリコレに嫌気がさしてるのはオーディエンスの方達で、89%の人達が満足されているようです。ただ心配はNetflixはアメリカ企業なので制作者に批判が向くと続編なしの可能性があるどころか、女好きじゃない冴羽獠が出来ある可能性すらあります。
ある評論家は「映画の多くが行われる歌舞伎町の設定は、不義の巣よりもテーマパークのように見え、エッジを失っています。」と発言されていますが、日本一の歓楽街歌舞伎町というどろどろした裏の部分が描かれていないという事だと思います。そこに焦点を当てすぎてしまうと別作品になってしまいますし、歓楽街であっても日本の街はテーマパークのように綺麗だから仕方ないです。ニューヨークと一緒にしないで欲しいです。
TM NETWORK エンディングテーマ Get Wild Continual
以下ネタバレ有りの感想
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◆ショッカーのアジト?
仮面ライダーの戦闘シーンで町中で戦っていてたライダーがジャンプして着地すると、突如、山の採掘場みたいな場所になったりしますが、今回もその流れがあります。新宿の地下トンネルの先にあるアジトで戦闘シーンが繰り広げられエレベーターに乗ると、地上部分は都会のビル群の一つだったり、ロケーションが滅茶苦茶です。そもそもビルの中で戦闘シーンを描けばよいのでしょうけど予算がないからどこかの地下トンネルロケなのです。幽遊☆白書もそうでしたし、Netflixの予算のかけ方が中途半端に感じられます。
◆アクションシーン
ガンファイトそのものはスピード感溢れてカッコいいですが、敵の銃がリアルに見えないのは致命的です。見ていて「これあたったら死ぬやつだ」とは到底思えません。やはりガンファイトは銃の本場アメリカには敵いません。ただ、鈴木さんの胸のすくようなガンさばきは今までの日本映画では味わえないレベルです。(※半兵衛は自動小銃や拳銃の射撃経験があります)
◆かなり残念な部分
阿見201(靖士)さんにターミネーターを期待してしまったのか、本来なら戦闘シーンの山場になろう部分が明らかに迫力不足で、なんでここだけ手抜きしたのか疑問です。
◆ウイングガンダムを思い出すラストバトル
通常なら防弾ガラスは弾が貫通しませんが、一度着弾した部分にもう一度着弾するとどんどん削られていき終いには貫通します。これはウイングガンダムが38万キロ離れたL2ポイントからバスターライフルで地上のシェルターの同じ部分に何センチも狂わず何度も当ててシェルターを破壊するあの凄いシーンが思い出されました。こちらの防弾ガラスを突き破るシーンはクライマックスに相応しい最高の見せ場でした。
◆そもそも日本は銃社会ではない
ガンファイトは、そもそも日本ではアメリカの生活に根付いた銃社会とは真逆で映画にしにくいです。主人公がそもそも銃をもっているのもおかしいし、敵の銃ををもった部隊もいません。つまりリアルと程遠いものを如何に現実風に落とし込む事ができるか?だと思います。今回世界的には注目度が高い作品でしたが、本場のガンファイトを見慣れたアメリカ人から見ると日本人がガンファイトを繰り広げるのはニューヨークのど真ん中で刀で切り合うアメリカ人を見る日本人の視点と同じで滑稽に映ると思います。アニメならごまかしが効きますが実写となると課題は山積みだと感じました。いつか本場を越えるガンファイトを見たいですね。簡単な方法は冴羽獠がアメリカで戦うストーリーにすればそもそも違和感はなくなります。タイトルはニューヨークシティーハンターになってしまいますが(笑)