milet Anytime Anywher | 半兵衛のブログ

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Anytime Anywherは葬送のフリーレンのエンディングテーマで、milet(ミレイ)さんによってつくられました。blissは劇中挿入歌として使用され、2024年1月31日にCDが発売されました。

 

 

miletさんは、東京出身のシンガーソングライターです。カナダで過ごした思春期に影響を受けたグローバルな音楽性と、ハスキーで力強い歌声が特徴です。2019年にメジャーデビューし、多くの映画やドラマの主題歌を担当しています。2023年には自身初の日本武道館公演を成功させました。

miletさんの最新作は、MAN WITH A MISSIONとのコラボレーション・シングル「絆ノ奇跡/コイコガレ」です。この曲は、アニメ「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」のオープニングとエンディングになっています。

葬送のフリーレンの第一期のオープニングではYOASOBIの「勇者」が使用され、milet(ミレイ)さんのエンディング・テーマはその影に隠れるような形になってしまいましたが、私はこちらの曲の方にハマっていてヘビーローテーションしています。2期ではオープニングテーマはよるしかの「晴」に代わりましたが、エンディングテーマは引き続きこの曲が使われています。

 

TOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」にてmiletさんが「Anytime Anywher」のインタビューに答えています。

 

 

私は「線路沿いをなぞってく」という歌詞からフリーレンの時代に電車は無いので、直接フリーレンの事を歌っていないのではないか?と疑問に思っていました。しかし、フリーレンに寄り添う目線で書かれた曲でしたので、相手はもちろんヒンメルに宛てたメッセージになります。今まで少しばかりもやもやしていた疑問が晴れてより感動出来る曲になりました。 以下はインタビューの切り抜きです。

 

milet:そうですね。『フリーレン』の世界に住んでいる人のような気持ちで書きました。もともと原作漫画のファンだったんです。ずっと読んでいたのですごく嬉しかったんですけど、この世界が……RPG感もあって異世界ものでもあるんだけど、いままでになかった人の心を映してくるような……。

 

それが、すごくおもしろくて……! 異世界ものが目指すことって、“この世界を救う”だったり、“自分が強くなる”、“誰かを助ける”とかがテーマになっていたり最終目的になっているものが多いと思うんです。

でも『フリーレン』は、“人の気持ちが知りたい”、“自分がどうして涙を流したのか、その気持ちの理由が知りたい”とか、“女神様に褒めてもらいたい”、“死んだあとの世界って、どうなっているんだろう”とか……。そういった自分の内側に迫る、それを目的として物語が進んでいく……そんなものって(いままでに)あったかな、って思って。フリーレンという千年以上生きるエルフ……人間じゃない生きものを通して、人間を見せてもらっているような気がして。

 

私はこの曲を書くときに……エルフで千年以上生きて、周りで仲間が死んで旅立つ姿を見て……「フリーレンは、死ぬことをどう思っているんだろう?」とか、「フリーレンにとって、来世ってどういう意識で考えているものなんだろう」と疑問に思ったりしたんです。

フリーレンは、また新しい仲間と出会って旅を進めていきますけど……自分だけ寿命が長いから、最初のうちは仲間が死ぬのが自然なことだったかもしれない。でも大切な仲間に出会って、来世があったとしたら「またこの仲間に巡り逢いたいと思うんじゃないかな」と思って……。

この「Anytime Anywhere」という曲は、「“また巡り逢いたい”ってフリーレンが思っているのかな?」、「……と、私は思っているけどどうかな?」とフリーレンに問いかけるような歌でもあるんです。「彼女たちを取り巻く空気になりたい」と思って、フリーレンと一緒に旅をする風みたいな気持ちで歌っています。フリーレンって気持ちを語らないじゃないですか。

 

thefirsttimesインタビュー

 

◆MVについて

いつもはMVの原案にちょっと意見するくらいだったんですけど、今回はもう、全編を通して、ゼロから物語を提案させてもらって。QQQという監督さんと作って、CGは完全にお任せしたんですけど、魔法も使えたりするような人間と、ちょっと幻想的な生き物との異種の交わりを描きたかったんです。いろんな見方をしてもらいたいので、そんな具体的には言わないんですけど、二つの種は交わることで、お互いの姿は消えてしまうんだけど、それが星のように大地に降り注いで、命が広がって、花になったりする。自分たちが犠牲になることで、新たに命を産んでいくっていう生命の循環みたいなものを表したいと思って。いちばん最後の花は完全にフリーレンの“蒼月草”のインスパイアですけど、アナザーストーリーのような気持ちで作った話でもあります。

 

山口県の秋吉台をメインに撮りました。景清洞というところでは、ここで映像を撮った人は少ないと言われるほど美しく神聖な場所でした。本当に詰め込んだ撮影だったんですけど、おかげさまですごく壮大な映像を撮ることができました。完成したのを見て、うれしかったですね。思っていたもの以上の形で出来上がったっていうのもありますし、いろんなところに思いを込めたんですよ。衣装一つひとつ、親指、中指、小指に書いたネイルのドットにも全部意味があって。横に広げると、私とあなたと空で一つで繋がるっていう。

 

Anytime Anywher

       作詞:milet

       作曲:milet・野々村洋一郎・中村泰輔

                  唄:milet

 

And you alright

Can you hear me

誰もいない線路沿いをなぞってく

 

大袈裟に泣いて

笑ってほしくて

鮮明でいたい思い出を抱きしめている

 

さよならよりずっと大切な

言葉で伝えたいんだ

ありふれて でも特別で

 

ほら この目じゃなければ

見えなかったものが

どうして? 溢れてく

 

だから もう一度 生まれ変わろうとも

また 私はここを選ぶんだろ

 

だから あなたと また巡り逢ったら

もう離さない 今を選ぶんだろ

 

約束なんてなくても

孤独に迷う日々でも

 

その涙だって大丈夫、きっと夜が明けるよ

 

And I'm alright(I'll be alright)

Yeah I hear you(I care about you)

伸びた髪を風がからかってる

 

全部意味があるよ 立ち止まった日々も

今さらわかってあなたに追いついたよ

 

ほら この目じゃなければ

見えなかったものが

どうして? 溢れてく

 

だから もう一度 生まれ変わろうとも

また 私はここを選ぶんだろ

 

だから あなたと また巡り逢ったら

もう離さない 今を選ぶんだろ

 

Anytime anywhere yah(どこにいても)

Anytime anywhere(笑ってみせて)

I'll be here(目を閉じれば いつも)ah

 

Anytime anywhere yah(歩き出した)

Anytime anywhere(私を見てて)

Anytime anywhere

 

せめて 会いたいよなんて言わないから

ねえ 今日だけは思い出していいかな

 

だからあなたとまた巡り逢ったら

もう迷わない今を選ぶんだろ

 

約束なんてなくても (anytime anywhere)

孤独に迷う日々でも (anytime anywhere)

こんなに胸が痛いのは (anytime anywhere)

あなたといた証かな

 

絶対なんてなくても (anytime anywhere)

いつでも届いているから (anytime anywhere)

その涙だって大丈夫 きっと夜が明けるよ (anytime anywhere)

I'm whispering our lullaby for you come back home

 

 

 

 

 

 

    

bliss

 

作詞:milet

作曲:Evan Call

 

私を守るこの名前を
優しく呼んだその声が
独り寂しく目を閉じぬよう
あなたを包んで

柔らかな その手
忘れぬよう 結ぼう

夜を超えて 花が満ちて
あなたの元へ 還るでしょう
うねりを裂いて 闇をほどいて
夢の中は濁らず

碧く続く道を

散りゆくものと見送るもの
ぬるいさざなみが匿う傷は
懐かしむたび痛むけれど
ひずみを包んで

導きの中で
はぐれぬよう進もう

時を超えて 花が満ちて
あなたの元へ誘うでしょう
祈りを束ね 空に放て
この心を流れる

永い時の歌 風に授けて
先立つものよ 光を灯せ
悲しみすらも 救いよ届け

この声が 呼ぶ方へ
夜を超えて 花が満ちて
あなたの元へ 還るでしょう
うねりを裂いて 闇をほどいて
夢の中は濁らず

碧く続く道を

blissについて

アニメのスタッフさんからは「フリーレンの世界で歌い継がれている歌として書いてほしい」っていうリクエストがあったんです。なので、普遍性と抽象性みたいなものを大事にしながら書いた曲でもあって。どの時代でも守りたいものとか、愛すべきものみたいなものがある。その普遍性っていうもの聴いてくださる方にもわかりやすく、でも、深く捉えてもらえるように言葉を紡いでいくっていうのは、ある意味、難しい作業ではあったんですけど、エバンさんの音に触発されて、自然の情景だったり、夜空だったり、いろんなものが浮かんできたなと思います。

 

blissを日本語に訳せば生きる歓びですかね。さっき、時間の流れ方の話をしましたけど、フリーレンと人間では時間の感じ方が違うし、人によっても変わるなと思うんです。生きる時間の長さも、寿命もあれば、病死や事故死もある。決して平等ではない時間の中で、全てを網羅して“生きる”っていう言葉があって。命が一つというのは平等だし、生まれてきて死ぬこともみんな一緒だから、その中で私が語り継いでいきたいものを描いたんですけど、一つのキーワードは花というものがありました。

 

原作の中でも大切にされているテーマの一つであって。ヒンメルとの思い出の“蒼月草”だったり、お師匠さんが好きな花畑を作る魔法だったり。それがある意味、私には不思議にも思えて。花の命も短いじゃないですか。魔法が使えるのに、枯れてしまうし、なんで儚いものをあえて生み出そうとするのかとか。私は、それは、花が咲く瞬間も、咲いている瞬間も、枯れていく瞬間も美しいからなんじゃないかと思って。

 

人は自分が死んだらどうなるか自分自身はわからないんじゃないですか。でも、花が枯れていく瞬間を見ると自分の人生が凝縮されたものを見られる気がしてて、私も花っていうものが好きなんです。でも、風が吹いたり、虫が花粉を運んだりして、いろんな種を受け継いでいって、新たに命を生み出して、また花が咲いてく。そういう循環していくところにもすごく生命を感じるなと思って、花っていうのは一つテーマでもありました。あとは、繋げていくということが、自分のためだけの人生ではなくて、自分を誰かの中に残して、その人に生きていってもらうっていう。

 

その人が自分のことを誰かに話す。ある意味、伝説を語り継ぐようなものですけど、その存在の仕方。死んでいるのにずっと生き続けていくようなことができるのも人間だからだなとも思うんですね。忘れることも美しいし、語り継いでいくこともまた美しいって思いながら、歌を書いていって。

 

デビュー前から一緒に曲を作ってる(野村)陽一郎さんにギターを弾いてもらいながら作ったんですけど、フリーレンに対しての音が溢れてきちゃって。ギターの伴奏だけで、すごく良いメロディたちがたくさん生まれて。もしかしたら、形を変えて今後出てくるかもしれないっていうぐらい、アイデアがとまらなかった、思いが溢れてしまった制作だったなとは思います。メロディを録音しているときに、忘れないようにメロディのイメージをメモするんですけど、“名曲”とか、“これぞ名曲”とか、“こっちの方が最高”って名前がついてます(笑)

 

私と陽一郎さんと中村(泰輔)さんで作っていたときのコード感と、エバンさんが作ってくださったコード感は全然違うコード感で作ってくださったんです。切なさだったり、フリーレンがひとりで歩いている世界観をわかりやすく作りたくてマイナーコードをベースに作って出していたんですけど…反省しました(笑)エバンさんの伴奏が返ってきて、フリーレンを包んでいた世界は、もっとこんなに優しくてよかったんだって気づいて。そのくらい、本当にフリーレンを囲んでいた仲間たちが浮かび上がってくるような音で返してくださって。