ゴールデンカムイは2024年1月19日に劇場公開となった少年漫画の実写化ドラマ。
原作 野田サトル(週刊ヤングジャンプ連載全31巻:2700万部突破)
監督 久保茂昭 (HiGH&LOWシリーズ)
脚本 黒岩勉
配給 東宝
上映時間 128分
出演 山﨑賢人 山田杏奈 矢本悠馬 他
おすすめ度 ★★★★☆
お子様 PG12 性的描写は皆無、残酷シーンは原作より抑えめ。歴史を学べる。
◎世界に出しても恥ずかしくないどころか、アニメ版超えの完成度!
※キャストで井浦新さんの名前がありましたが、恐らくのっぺら坊役だと思います。
<ストーリー>
明治末期の北海道。元軍人の杉元佐一(山﨑賢人)は、目的のために大金を手に入れようと砂金採りに明け暮れていた。彼は、アイヌ民族から奪われた莫大な金塊の存在を知り、それを探し求める。一方、捕まる前に金塊を隠した脱獄囚たちが、刺青の暗号を持っていた。杉元は野生のヒグマから助けられたアイヌの少女、アシㇼパ(山田杏奈)と共に金塊を追うことになる。同じく金塊を狙うのは、日本帝国陸軍の鶴見篤四郎中尉と、かつて戦死したとされた新撰組の土方歳三だった。彼らの衝突が、北の大地で始まる。
◆ネタバレ無し
原作マンガとアニメ版は見ていないので、予備知識ゼロで鑑賞しました。「お手並み拝見しようじゃないか」ぐらいの気持ちで鑑賞しました。
◆美術のすばらしさ
まず感じたのは、美術(セットデザイン、衣装、小道具、色彩、照明)が良く、漫画の実写化で問題となるコスプレ感が全くありません。特に肌の質感が気に入りました。
アイヌの集落(コタン)は14ヶ月かけて作られたそうです。
◆アニメ版より深掘りされている。
家に戻ってから、アニメ版を見たのですが、アニメ版より、実写版の方が断然良かったです。特に二百三高地での戦争描写がアニメ版では1分40秒程度でしたが、実写版の方はかなりの尺をさいて描かれていましたので、時代背景や主人公達の生活感がよりリアルに綿密に描かれていました。これによりより登場人物に感情移入がしやすくなっています。
Netflixの幽遊白書が総集編のような感じで登場人物の背景がしっかり描かれずじまいだったのに対して、実写化はこうあるべきという見本のような構成です。
◆アイヌの存在
日本は単一民族の国家と思われがちですが、アメリカ大陸にインデアンがいたように、北海道にはアイヌ民族がいた事を北海道の歴史としてしっかり教えてくれます。
◆東宝映画
最近の東宝作品はゴジラマイナスワンがアカデミー賞の視覚効果でノミネートされたように、海外に出しても恥ずかしくないどころか、十分張り合えるまで実写映画のレベルが上がっています。この作品の海外展開は未定ですが、東宝は海外展開にも力を入れ始めマイゴジのアメリカで上映にあたり今までより多くの劇場を押さえる事ができました。
◆CGはイマイチ
熊との戦闘シーンやアシㇼパの狼などはまだまだハリウッドのCGには及びません。ぬいぐるみを5として実物が10とするとレベル7というところでしょうか。ハリウッドの一流作品はレベル9は硬いです。(例:レヴェナント: 蘇えりし者 熊との対決シーン有り)
◆一人二役
二階堂兄弟誰が演じているのか分からなかったので調べたら、栁 俊太郎さんの一人二役でした。あまりにも自然すぎる演出で全く気が付きませんでした。双子の俳優さんかと思っていました。
◆プリズン・ブレイク
思い出しましたが、囚人が入れ墨を地図にするといえば、プリズン・ブレイクですね!
◆演技
監督が良いと、どの方の演技も上手に見えます。どの方も登場シーンでゾクゾクしました。甲乙つけがたいですが、最近の山﨑賢人さんは、作品に負けない演技力があると思います。アシㇼパ役の山田杏奈さんもピッタリで違和感まったく有りません、彼女の代表作になりました。
◆問題点
細かく描いていますので原作3巻分を約2時間ですので、このペースで作り続けると原作が31巻なので、あと9作品を作らなければなりません。2年に一本のペースだと20年後に完結になります。多分私は生きていないと思います(笑)そしてもう一つの実写「キングダム」や「今際の国のアリス」の主人公も山﨑賢人さん・・・一体どうなるのやら。
主題歌 ACIDMAN - 輝けるもの