映画 シン・ウルトラマン | 半兵衛のブログ

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シン・ウルトラマンは2022年5月に公開されました。

 

監督 : 樋口真嗣

監修 : 庵野秀明

制作 : 東宝映画

脚本 : 庵野秀明

出演 : 斎藤工/長澤まさみ/西島秀俊他

時間 : 113分

主題歌: 米津玄師「M八七」

 

おすすめ度 ★★★★☆ 子供の頃の感覚が蘇る作品。

お子様おすすめ度 ★★★★☆ 宇宙人と政治家との会話はきっと理解不能ですが、きっと楽しめるはず!

 

<ストーリー>

次々と巨大不明生物 禍威獣【(カイジュウ)】があらわれ、その存在が日常となった日本。

通常兵器は全く役に立たず、限界を迎える日本政府は、禍威獣対策のスペシャリストを集結し、

禍威獣特設対策室専従班 禍特対【(カトクタイ)】を設立。

 

◆ウルトラマンが56年後に蘇った

怪獣物の元祖といえばゴジラですが、ゴジラは1954年に私が生まれる以前にすでに誕生していました。最初は怪獣対人間の対立図式でしたが、ゴジラ映画がシリーズ化されると、対立図式は次第にゴジラ対他の怪獣という図式に変化していきました。 テレビシリーズで怪獣が現れたのは、おそらくウルトラQだと思います。(キャプテンウルトラかも) 白黒放送で人間対怪獣の図式でした。その最終回にウルトラマンの番宣がありました。ウルトラマンの登場で、人間対怪獣、怪獣(ゴジラ)対怪獣という図式から、巨大ヒーローウルトラマンが誕生して、ウルトラマン対怪獣という構図になりました。恐らく世界で初めての巨大ヒーローかも知れません。しかもテレビ放送はカラー化されました。幼い私はかなり衝撃を受け影響されていきました。最高視聴率42.8%でしたので、いかに子供から大人まで虜にした作品かわかります。

 

ウルトラマンの第一話が1966年7月でしたので、早いものでもう56年が経ちましたが、今でも怪獣の名前は全部言えます。贔屓の怪獣はゴモラです。

 

◆わかりやすい作品

正直、シン・ゴジラを見たときの程の衝撃はありませんが、なかなか良い作品だと思います。意外と日本より諸外国の方がうけるかも知れません。諸外国にも私と同じようにウルトラマンを見て育った世代がいるし、シン・ゴジラは最高の作品ですが、日本の政治の事情がわからないと面白さは半減しますし、エヴァンゲリオンのような謎に満ちたわかりにくい作品ではないからです。 結果的に庵野秀明色は少なく樋口真嗣の色が濃い感じがしました。脚本は庵野さんですが、感覚的に8:2です。後から知ったのは、庵野秀明さんはシン・エヴァンゲリオンの制作に追われており現場には約6日間と半日しか顔出しができなかったようです。樋口真嗣監督といえば、あの衝撃の駄作、進撃の巨人実写版の監督ですから・・・今回はかなりいい仕事をしたと思います。続編が見たいです。

 

◆カラータイマーの謎

シン・ウルトラマンはカラータイマーがありません。

当時のウルトラマンの戦闘シーンはジオラマが用いられており、戦闘シーンが長引くと撮影の費用が膨大になってしまうため、3分しか地球上で戦えない設定にしました。そのため後付でカラータイマーが考えられました。更に付け加えると、子供にウルトラマンの危機を伝えるためのわかりやすい道具であったようです。ですからウルトラマンの構想段階ではカラータイマーが無かったようです。今回は3分という制約がありませんので、カラータイマー無しのより宇宙人ぽい設定になったようです。又今作品は当時技術的にできなかった、きぐるみ感をCGを使うことにより極力排除することができました。目ののぞき穴や、手袋を使うことによるつなぎ目、背中のジッパーなどです。

 

米津玄師 - M八七  Kenshi Yonezu - M87

 

以下ネタバレを含む感想

不満に思うところ

①謎がない。

・庵野作品にありがちな、使徒の謎のようなものがなく、宇宙人が謎を説明してしまう。

②ウルトラマンが何故短期間で人間に命を預けても良いと思えるようになったのか?

・爆風で子供をかばって死んでいったこと以外たいしたエピソードが無い。例えば愛する人が出来たとか、子供が出来て守るためとか?が該当すると思いますが、この作品のまちゃみは愛せないと思う・・・

③自衛隊がパソコンいじってるだけの存在に・・・命がけで戦っている感じが皆無。

④シン・ゴジラが政治家を大々的に取り上げたポリティカル作品だったのに対して、ガメラクラスの取り上げ方だったので、リアリティーに欠ける。

⑤怪獣にぬいぐるみ感がある。CGですがぬいぐるみ感を出したのかもしれません。

⑥まちゃみの巨大化は???あの進撃の巨人の悪夢が蘇りました。しかもスカートだし。

⑦ゼットンを倒した時と人類の叡智の関係がわかりにくい。ウルトラマンがエネルギー波を浴びせただけ?多分ぶつけるタイミングを考えたのだと思います。

⑧禍特対が、自衛装備ないまま生身で前線に赴くのはおかしい。しかも団体行動なので、一発浴びれは禍特対が全滅してしまう。又、移動手段が曖昧(ここは、庵野監督なら特にこだわるポイント)

⑨ゼットンを使って人類を消滅させようとしたのがゾフィーなのはさすがに疑問?ゾフィーの倫理観がやばすぎる。メフィラス星人よりも残酷。

⑩禍特対が数人で構成されているのに大きな疑問!、やはり科学特捜隊やネルフのような大きな組織であってほしかった。

⑪ウルトラマンは怪獣主体の作品で、ウルトラセブンが宇宙人主体の作品でしたので、どちらかというと、作品自体はウルトラセブン風です。

⑫一般人が一人も死なない。

⑬八つ裂き光輪の発動ポーズが違う。

 

良いところ

①斎藤工のまばたきをしない宇宙人ぽい演技が良かった。

②山本耕史のすっかり日本人のオヤジ化したメフィラス役もピッタリでした。

③宇宙人が高度な知性をもつ存在として描かれている事に好感がもてた。

④アクションシーンはハリウッドにはかなわないまでも、いい線いってます。

特にスペシウム光線の破壊力にしびれました。

⑤懐古主義的な作品ですが、現代ぽい要素を随所にちりばめています。

⑥人類を守る価値があるのか?けっこう原作でも問われていたテーマですが、ウルトラマンが命に変えてまで守る動機は弱いですが、テーマとしては良好です。2時間弱の作品にしてはよく詰め込めていると思いました。

⑦細かい違いがあるけれど、このウルトラマンと56年前のウルトラマンとは人格が同じウルトラマンだと思います。それが何より心地よいし、当時の撮影班が作ったと言っても分からないほどリスペクト溢れる作品だと思います。進撃の巨人が嘘のよう・・・

⑧まちゃみいじりは、賛否両論あると思いますが、追い詰められた時に真剣に行う馬鹿っぽい行動は最高のお笑いのエッセンスです。何日も入浴していないまちゃみの体臭を真剣に嗅ぐウルトラマン(笑)

 

◆メフィラス星人の謎??

居酒屋でウルトラマンと酒を飲む場面で、明らかに沢山飲み食いしたのに、お財布を覗き込んだ後割り勘にした理由を知りたいです。

1⃣あくまでも対等な立場であるアピール

2⃣交渉が成立していたら、全部奢るつもりでいた

3⃣神永は防衛省職員なので、汚職にならないように割り勘にした

4⃣手持ちが少なかった