「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」は、2015年7月から放送されたTVアニメ
原作:柳内たくみ(ファンタジー小説)
監督:京極直彦
全24話(動乱篇)まで
おすすめ度 80点 自衛隊(日本国)VSファンタジー世界
お子様 : 奴隷のシーンでドキッとしますが他は概ね良好です。自衛隊を知る上でも鑑賞をオススメいたします。
※面白すぎてNetflixで24話一日でイッキ見してしまいました。日本のアニメのレベル高いですね!
<イントロダクション>
8月某日 東京 いつもと変わらないはずだったその日。
東京・銀座に異世界への「門(ゲート)」が忽然と現われた。 門から続々となだれ込んでくるモンスターの軍勢を撃退した陸上自衛隊は、門の向こう側「特地」に進出。
現地住民との接触を開始する。
第三偵察隊を率いるオタク自衛官の伊丹二等陸尉は、「特地」を探索中に巨大な災龍が集落を襲う場面に遭遇。
生き残ったエルフの美少女を助けたことで異世界の住民たちと交流を深めていく―-。
モンスターとの戦闘や現地住民との交流を通して、伊丹は「異世界」とどう向き合っていくのか。
超スケールエンタメファンタジーの門(ゲート)が、今、開かれる!
自衛隊の活躍を映画描いた作品は過去に「戦国自衛隊」や「ジパングなど」がありますが、いずれもタイムスリップものです。こちらの作品は往年の名作「スターゲイト」のような世界観で、ゲートを通して違う場所に行く場所スリップ作品です。ある日突然、異世界とつながるゲートが銀座に出現し、異世界からの侵略者によって攻撃を仕掛けられます。
侵略者は宇宙人ではなく、「指輪物語」のような世界観の者たちです。
◆見どころ
①突然ゲートを通して日本と彼の地(特地)が地続きになりました。その地の所有者は誰か?その地には無限の資源があり、汚染のない大地が広がっています。未知の生物も存在します。 ここを日本が手に入れれば経済的に優位になることは間違いありません。日本の政府はその土地とどうやって接していくのか?別の国として接するのか?むりやり奪うのか?
②しかし、覇権を狙う各国が黙って指をくわえて見ているわけありません。アメリカ・中国・ロシアが、よだれを垂らして、欲しがりますが、日本政府はどのように立ち回るのか?
③なんと言っても、ゲートの向こうでの自衛隊の戦闘です。アメリカ軍の戦闘シーンは映画でよく目にするところですが自衛隊の独自の戦闘は国民性が出ていて面白いです!迅速・冷静・几帳面で正確!一糸乱れぬ連帯感。
④更に、戦闘シーンだけではなく、現地の住人と接する姿は”おもてなし”の精神を持つ日本人です。これが某国なら虐殺して子供作ってってことになりますが日本人なので安心してください。
最後にこの作品はもちろんファンタジーなので、彼らファンタジー世界の住人たちとの交流も楽しいです。
↑地獄の黙示録へのオマージュシーン
●ネタバレを含む感想
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◆自衛官なら誰でも知っていることが普通に描かれている。
時間合わせの「5.4.3.2.1.今」とか、無線連絡で必ず最後につける「送れ」とか、時間の呼び方:12時なら「ひと、ふた、まるまる」とか、見知らぬ人への誰何(すいか)方法、敬礼の方法など、自衛官なら誰でも知ってることが当たり前のように描かれていて、好感が持てます。
特に他のドラマで間違って描かれることが多い敬礼の方法
・脱帽時の敬礼も挙手ではなくちゃんと頭を下げる敬礼(※細かく言えば相手の階級により頭を下げる角度まで決まっている。
・敬礼の順番:必ず、目下が先に敬礼をし、上官はそれに答える形で後から敬礼する。目下の者は上官より先に敬礼をやめてはならない。
◆実写映画化希望!
このアニメ見ながらこれが実写だったら半端ないと思いながら見ていました。壮大なスケールなので制作費30億は最低でもかかります。監督はやはりシン・ゴジラで活躍した庵野秀明監督でお願いします。アニメはワーナー作品なので、ハリウッド資本でつくってくれたら最高ですね!その時は、もちろん監督はスピルバーグです。
気になったところ
・銀座のシーンの尺が3倍は必要。
後半になるにつれて、一方的な展開になりヤラレタ感が薄れてきますので、絶望感や復讐心という意味でも必要。
・自衛隊強すぎる
もしかして一人も自衛官死んでいないのでは?と思わせるほどです。バランスが重要。
・各国の対応
特殊部隊送り込むだけ・・・
◆装備が古い理由
ベストアンサーに選ばれた回答
2015/7/1208:32:59
まぁ、原作は読んでいますが、設定上古い装備を使う理由は、電子戦についてはアニメの通り。
その他は、場合によっては即時撤退が想定され、その際に大量の物資はおいていかなければならない。その他、捨てていっても惜しくない装備を持って行っている(廃棄は決まっていたが、処理がされていなかったものや、新装備への交代待ちの装備)。
また、小銃については89式より64式の方が威力があり、オーガ等の亜人に対して有効だったため(89式では脚を止められなかった)。
◆名台詞
・日本人奴隷紀子を救出直後、外交官菅原がモルト皇帝に放った一言
「我が国と 我が世界は帝国をはるかに超える 血に塗られた歴史の上に成り立っていることをお忘れなきよう」
・拉致問題で元老院を空爆した後に開かれた元老院会議でピニャコラーダが日本の国民性を代弁
「彼ら日本人は何よりも国民一人一人を大切にしています。自国民だけでは有りません。たとえ捕虜であっても殺したり奴隷にしたりはしないのです。民を愛し捕虜でさえ厚遇する。たとえ敵であってもカネに換えようなどとは思いもしない。日本人とはそういう人々なのです。そんな彼らが、自国民が奴隷としてもてあそばれているのを目にした結果がこれなのです。」
・避妊具を買いに来た翼人種娼婦のミザリィが黒川と交わした一言
「ただ1つ気に入らないのは、あんたら自衛隊の男どもがかたくなに私らを買わないことさ」
※歴史問題・拉致問題や慰安婦問題など、巧みに物語に反映させているので大人の鑑賞にも十分耐えられる作品です。
◆今も昔もぶれない日本
第2次世界大戦での台湾や朝鮮の併合を考える時、欧米が行った搾取型の植民地化に対し、日本が行ったものは本国からの大量の税金の投入し、インフラの整備や教育そして犯罪を厳しく取締り治安の維持などを行いました。この事は今の若い人は知らないかもしれませんが、大日本帝国は表向きには、欧米に植民地化され搾取されるアジアの人達の独立を旗印に戦争を行っていたのです。
戦争には負けしてしまいましたが、終戦後には多くの国が欧米による植民地支配から開放されました。これは地球の歴史からみると大変重要なポイントです。戦争には負けましたがその意味では日本は戦争によって結果を勝ち取ることができました。
本作品でもゲートを中心に街ができあがり、治安の維持などが行われ秩序正しい街が形成されていきます。作者の意図として暗に日本人は今も昔(太平洋戦争)もブレること無い強い意志を示していると語っているように思えます。
もう一つ思ったのはゲートの中に欧米や中国を入れないように必死だったのはもちろん資源の確保という側面が有りましたが、アメリカやオーストラリアが先住民を大量抹殺して国を奪い取ってきた歴史や植民地支配の歴史を考えると、ゲートの向こう側に入れると異世界の住人は不幸な歴史になるのは目に見えていますので、保護する意味でも入れたくなかったのだと思います。