スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015 | 半兵衛のブログ

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スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年

監督:制作 J・J・エイブラムス
主演 デイジー・リドリー
音楽 ジョン・ウィリアムズ
おすすめ度 ★★★☆☆ 星3.5 良くも悪くもディズニー映画


スター・ウォーズが初公開された時1977年に映画館で観たのですが、冒頭の帝国軍の戦艦が登場するシーンであのでかさに驚き!音響も体の芯まで震わせる重低音もすごかった。 戦闘機による空中戦シーンでは映画館のシートにのけぞりながら張り付いたのを思い出します。本当に衝撃的な特撮作品でした。

テーマ音楽(アカデミー作曲賞・グラミー賞受賞)も超絶でシングル盤を映画館で買って帰りました。あの頃のジョン・ウイリアムズはその後もETやインディージョーンズなども手がけ最高でしたね!

それから幾多の宇宙物の映画が作られ特撮技術も向上し、今あらためて最初のスターウォーズを見直すと慣れって恐ろしいもので、あの頃の感動がない自分にちょっとがっかりします。
それはさておき、スター・ウォーズの一作目が映画史上に残した足跡は大きいと思います。



今作はなんと監督がルーカスではなくJ・J・エイブラムスがしており、ルーカスフィルムもディズニーに売却されているので違う経営母体での配給作品となります。
J・J・エイブラムスはSF作品に実績がある監督で、スター・トレックの新作2本を監督しておりアクションでは最近のミッションインポッシブルの2本を制作しています。テレビドラマ「FRINGE/フリンジ」でも製作総指揮をしており、印象としてはスピルバーグ並の新監督のイメージがあります。

監督が変わると作風も全く別物になる恐れがありましたが、流石J・J・エイブラムスですね今までのスターウォーズの世界観をきっちりと受け継いでいて、ファンにはたまらないですね!
※スタートレックのファンとスター・ウォーズのファンは対立してお互い作品をけなし合っているいるのをファン・ボーイという映画みて知りましたが、双方の敵の映画の製作者が同じJ・Jというとになるわけなので、その意味でも興味深いですね。

特に作風で感じたのは不評だったエピソード1・2・3よりも好評だったエピソード4(初回作)を元にして作られていると感じました。レイが自分の正体も知らず砂の惑星で一人孤独にジャンクパーツを集めながら家族の帰りを待っている様子は、ルークがフォースに目覚める直前の生活とダブルものがあります。ジャージャーのような不評キャラも出てきませんでしたし、手堅くまとめてきた印象があります。

スター・ウォーズも続編が沢山作られました。
1作目がエピソード4だという変わった設定の為、登場人物の整合性が取れなくなっており、アレック・ギネスが演じたオビ・ワンの若かりし頃の役がユアン・マクレガーだったり、(シスの復讐が公開されたのが2005年でユアン・マクレガーが当時34歳、その19年後の設定のエピソード4のアレック・ギネス 当時66歳)ダース・ベイダーはどう見ても違う人物なのでかなりの違和感をおぼえました。

今作の時代設定が1983年に公開されエピソード6ジェダイの帰還から30年後の設定となっており今作が2015年なので、公開から32年たっていて、当然役者も32年は歳をとっていますので、登場人物の歳のとり方が実年齢に近くなり今までの破綻した人物設定がなく自然に見られました。

登場人物も若者が活躍し世代交代がしっかりされています。
そんな中、次々に出てきます ハン・ソロにチューバッカ レイヤ姫 C-3PO・・・
というか、いつ出てくるのか期待しながら見ていました。
考えてみたら何十年後(初回作から38年もたっている)かに同じ俳優が同じ役で出る映画ってなかったですよね、ここがこの作品の一つの魅力で、時代の流れをを実感するんですよね・・・
なんか、同窓会に出席したようなあの感覚
「ここで出てくるんだ」とか
「こんなに歳とってしまったんだな」
「アクションは無理だな」とか
見ている自分も歳をとっているのに ホントおかしいですよね。





<ネタバレを含む感想>





物語は相変わらず誰々の子供が悪のナイトみたいな身内設定となっています。
今回はカイロ・レンがハン・ソロとレイヤ姫の息子です。
レイの出生の秘密は明かされませんでしたが、フォースの強い家系となると、恐らくはルークの娘かレイヤ姫の娘という事になりそうですが、ルークの娘と勝手に予測しておきます。

エピソード4では、デス・スターという人口の星型要塞が発射するビームが惑星を消し去るほどの力を持っていてそのデス・スターを破壊する物語でしたが、ストーリー的にも全く同じ設定となっていてひねりがありません。

ファースト・オーダーは旧帝国軍に比べてかなりスケールダウンしており、ダースベイダー級のボスキャラは出てきません。ダースベイダーにかわる敵はカイロ・レンなのですが、すぐに仮面を脱いでしまったり、正義感を捨てきれていなかったり、弱いし、ものに八つ当たりするし、ダース・ベーダーと比較するまでもなく悪役としてはかなり中途半端な印象を受けます。恐らく今後の成長を描く為ののりしろか、もしかしたら仲間になる為の設定だと思われます。
また、スター・デストロイヤーに簡単に内部まで侵入できるのも驚きだし、迎撃戦闘機もほぼ無力・・・これなら、デス・スターのほうが強かった気がします。守りの弱さ=ファースト・オーダーかなり弱いという印象を受けました。

あと、主人公の女性レイがフォースに目覚めていくのですが、過去の作品を見るかぎり、フォースに目覚めた後も多くの訓練をして徐々に力をつけていくのですが今回はたった一日の実践の中で強くなってしまい、ココらへんは設定に無理があったように思えます。この部分が何かの布石だとしたら、訓練もしていない小娘に負けた屈辱感が一層カイロ・レンを暗黒面に向かわせる為に必要なのかもしれませんね。

それでは映画として楽しめたかというと、正直1作目の時のような衝撃がありませんでしたが、
何しろスターウォーズの世界の設定感がすばらしいし、同窓会に出席するような感じで楽しめました。
今作はレイ3部作ということで、エピソード7にあたり、エピソード8と9も公開される予定なので楽しみですね。

今作の恐らく3つのテーマ
・過去のスター・ウォーズの世界を受け継ぎ整合性を持たせる
 作風は好評だったエピソード4を元にする
・過去の登場人物を登場させる
 ハン・ソロ役のハリソン・フォードの出演料が高いので今回かぎりとする(推定42億円)
 ※主演のレイ役のデイジー・ドリーの出演料推定5550万円
・世代交代:新しいシリーズに向けての若い役者の投入

今作では新しいスターウォーズとしての試みは見られませんでしたが、目標は達成されており、舞台設定はきっちり整いましたので、JJの本領発揮は次回作ということになりそうです。彼なら何かやってくれそうですね!


そういえばこの記事を書き終えてからジョージ・ルーカスの記事を見つけました。
「私はSWを単なるSF映画だとは思っていない。SWはメロドラマであり、すべての家族の問題を描いているんだ。ところがディズニーは(SWを)メロドラマではなく、ファンを喜ばせるためのレトロ(懐古趣味)なSF作品にしようとしていた…」

ということで同窓会的な作品と感じたのはルーカスと全く同じでした。