ジョン・レノン  ハッピー・クリスマス(戦争は終った) | 半兵衛のブログ

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Happy Xmas (War Is Over)は、1971年に発表されました。

日本版のタイトルが終わったという過去形になっていますがベトナムからアメリカ軍が撤退したのが、1973年ですので当時はまだ戦争中でした。又、後述のポスターイベントよりも後にできた作品です。


ポスターイベント

ジョンは様々な平和活動を行ってきました。そのうちの一つが1969年12月16日に行われた「ポスターイベント」で、ジョンとヨーコからのクリスマス・メッセージとして行われました。

「核ミサイルの発射ボタンを押す人間と同じくらい、僕らにも戦争の責任があるという考えと同じ」

実際に戦争を始めるのは政治家であっても、我々一般市民にはどうすることもできないと思っている限りは、戦争を制御する事ができない・・・という考えに基づいたイベントです。

<キャンペーン出発式として、国連児童基金の為のチャリティーコンサートに出演しました
メンバー (アラン・ホワイト クラウス・ブアマン ジョージ・ハリスン エリック・クラプトン ビリー・プレストン キース・ムーン デラニー&ボニー)
ステージ上に「WAR IS OVER!」の看板が掲げられ「コールド・ターキー」と「ドント・ウォリー・キョーコ」が演奏され、その時の演奏はアルバム サムタイム・イン・ニューヨークシティーに収録されています。>

 「 WAR IS OVER! IF YOU WANT IT 」from johon & yoko というメッセージを、世界12都市(ロンドン・ニューヨーク・LA・パリ・ローマ・ベルリン・アテネ・モントリオール・トロント・東京・香港・その他)での主要な街中での巨大な広告を作りました。さらに、ポスターやチラシ、ポストカード、新聞、ラジオ、CMなど当時考えられるあらゆるメディアが駆使されました。

費用は7万2000ドルで、皮肉屋のジョンらしく「ニクソン大統領にに請求するつもりだ」とインタビューで答えています。



 その後の平和集会などで、そのプラカードを掲げた平和集会も数多く開かれました。
日本でも、1969年12月24日に「ジョン+ヨーコ・レノンの呼びかけによる愛と平和の為のクリスマスパーティー」が日比谷野外音楽堂に会して行われ、「平和を我等に」等が合唱されました。

                 出典元:フロム・ビー/編著 John Lennon Love、Peace&Rock'n'Roll より


↑この本は半兵衛おすすめの本です。

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ハッピー・クリスマス(戦争は終った)

                   作詞:作曲 ジョン&ヨーコ


「ハッピー・クリスマス キョーコ ハッピークリスマス ジュリアン」


今宵はクリスマス
いかがお過ごしですか?
また一年が過ぎ去って
新しい年が始まるね
今宵はクリスマス
素敵な時を過ごせますように
身近な人や愛しい人たち、年とった人たちに若い人たち

メリー・クリスマス そして よいお年を!
何の心配もいらない、良い年になることを祈ろう

そう今宵はクリスマス 弱い人たちや強い人たちに
金持ちや 貧しい人たち
世界はまだ間違っていると思うけど
(その道程は遠いけど※実際の歌われ方)
今宵はハッピー・クリスマス
黒人に白人、黄色人種それに肌の赤い人たち
全ての争いはもうやめにしようじゃないか!

メリー・クリスマス そして よいお年を!
何の心配もいらない、良い年になることを祈ろう
 
今宵はクリスマス
いかがお過ごしですか?
また一年が過ぎ去って
新しい年が始まるね
とにかく ハッピー・クリスマス
素敵な時を過ごせますように
身近な人や愛しい人たち、年とった人たちに若い人たち

メリー・クリスマス そして よいお年を!
何の心配もいらない、良い年になることを祈ろう

戦争は終わる
みんなが望めば
戦争は終わる
今すぐ!

ハッピー・クリスマス


                                 訳詞:半兵衛
※肌の赤い人とは一般的にアメリカの先住民インデアン等を指します

歌詞カード等ではThe World is so wrongとなっていますが、実際にはThe road is so longと歌われているようです。「世界はまだ間違っていると思うけど」→「その道程は遠い」というような意味になります。↓1分16秒の歌詞 他のミュージシャンのカヴァーを聞くとThe road is so longと歌われている場合が多いように感じます。恐らく歌詞カードのミスだと思われます。
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公式のプロモーション(John Lennon -"Happy Xmas (War Is Over)"-Offical Video-HQ)を見ると曲の美しさと裏腹に、戦争の悲惨さを映像でうったえており、目を覆いたくなるような内容になっています。
ただ単に売りたいだけならもっとロマンチックにすばいいものを、セールス的に振るわない大きな理由だと思います。アーチストと呼ばれるミュージシャンが多い中やはりジョンの姿勢には共感します。
※今現在、視聴には年齢制限が設けられており、You Tubeにログインしてからしか再生できなくなっています。

この曲は みんなが願えば戦争は終わる という 愛と平和のメッセージです。

         ※反戦歌でもあるし、人種差別や貧富の差による不公平なども含まれる。

"A dream you dream alone is only a dream. A dream you dream together is reality."
     「一人で見る夢はただの夢。一緒に見る夢は現実になる。」

 これはヨーコのメッセージなのですが、「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」の頃からの一貫したジョンからのメッセージでもあります。ベトナム戦争の時に作られた曲ですが、今も尚、形や場所を変えて戦争はおこり続けています。 戦争がなければ、この曲も色あせてしまいますが、ジョンの願いは戦争の無い平和な世の中です。


 かつてビートルズ時代のジョンによる「キリスト教発言」もあり、当時はクリスチャンから目の敵にされていましたが、クリスマスに平和のメッセージを発信するという姿勢は、ジョンにとってもクリスマスは特別の日であり、イエス様への敬意が込められていると感じます。
今ではキリスト教会のクリスマスイベントなどでこの曲がゴスペルと一緒に演奏される事もめずらしくありません。
やはりこの曲には普遍的な力があり、純粋に素晴らしい曲だからだと思います。
ジョンはキリストと同じように、やり方は違いますが、歌という武器で「愛と平和」を叫び続けてきたメッセンジャーです。

※キリスト教発言はローマ法王庁の公式新聞オッセルバドーレ・ロマーノ紙にて許しを得ているうえにビートルズの楽曲の素晴らしさにも言及されています。



あれは、ほんとうに得意な曲で、ぼくたちは二人であれをやるんだ・・
ぼくたちにとっては最初のポップ、一緒にやったはじめての掛け値なしのポップだったのかもしれないし、プロデューサーはフィル(スペクター)で、すごくきれいなセッションにまとまったんだ。子供たちのうたうところも美しかった・・・・
ぼくたちがしたかったのは「ホワイト・クリスマス」のほかにも、毎年クリスマスにみんなが聞いてくれるような曲を作ることでさ、いつだって戦争はあるし、いつだって誰かが銃殺されているし、どんな時でも誰かが拷問されているんだから、その意味でもあの歌詞はどんな時にも通用するんだよ。
僕は、ずっと永遠の生命を持つクリスマスレコードを作りたいと思っていたから、(中略)永遠に再発売がくりかえされるといいな。僕達はあれと一緒にポスターもやったんだよ・・・「あなたが、望めば戦争が終わる」ってね。   アンディー・ピープルズ ラストインタビューより抜粋


「ヨーコとぼくがこれを書いた。
それ以上何もいう事はないね。メッセージはいつも同じだ。ぼくらにボタンを押す人間と同じように責任があるって事さ。何者かがぼくらに力を与えたり、奪ったりするのだとか、何者かがぼくらを戦争に行かせたり、行かせなかったりするとか、天の神は別の存在だとか、国家や宗教でぼくらはみんな区分けされているとかいう考え方。そんなのは、みんなゴミと同じさ。誰かに何かをさせられているから、自分の意志が通せないと考えているかぎり、世の中を動かせっこないさ。」                         プレイボーイインタビューより               

---「戦争が終わった」のポスターに対してはどのような反応がありましたか?
「大きな反応がありました。私たちと触れあった人たちは、そのイヴェントが、メッセージそのものから離れてても非常に立派なものだということを、理解してくれていました。世界中の若者から、ありがとうという感謝の言葉を、私たちは受けとったのです。私たちがおこなっていたことに対する感謝ですね・・私たちの行動に触発されて、その若者たちも自分でなにかをやるようになっていったのです。(中略) たとえば私がいま、街を歩けば、人に話しかけるときの話題は、平和についてのことだと思います。 (中略) 私がニューヨークに来てはじめに体験したことは、街を歩いていてひとりの女性に呼びとめられ、「平和のことがうまくいきますように」と、声をかけられたことなのです。」              ヤーン・ウェナーインタビューより
※昔ならファンがで走ってきて飛びつかれ抱きしめられていたので、一連の平和活動によりファンの行動にも変化がおとずれていたという事。



<聴き比べコーナー>疲れるから全部は聞かないでねw

ジョンが亡くなって35年もたちますが、平和へのメッセージは今もなお多くのアーティストに受け継がれいる事がわかります。



↑現在イスラム国と戦争をしているオバマ大統領はこの曲を複雑な心境で聞いているのでしょうね?まるで拷問状態になっており痛々しさを感じてしまいます。


クラシック・コンサートでも演奏されます。マイク持ってるからクラシックじゃないか・・・
サラ・ブライトマン他


シェリル・クロウ 半兵衛イチオシ!


歌姫セリーヌ・ディオン他


↑ビートルズのトリビュートバンドによる夢の共演 


ボンジョビ


感動!手話で歌を伝えようとしている人 

YouTubeで検索かけると、他には ニール・ダイヤモンド U2 カリー・サイモン ムーディー・ブルース 等などヒットします。


日本のアーチストでは、槇原敬之やエリック・マーティンと共演の福原美穂、日本語訳で歌った王様などがカヴァーしています。


エリックマーティン&福原美穂(歌が限りなく黒い!)