改題前の邦題は「21世紀の精神異常者」
曲の感じがビートルズの「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」と共通するものがありますが、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」はナチュラルな音を使い精神が昂揚していく様子を表現していますが、こちらの曲はハードな音を使い精神が分裂していくような様子が表現されていきます、ベースやドラムスの音やヴォーカル迄も高域と低域がカットされ、さらにヴォーカルには「アイアム・ザ・ウォルラス」の様にディストーションがかけられています。これだけでもこの世の音ではないのに、演奏の速度がだんだん早くなっていったりします。しかも演奏方法はジャズをベースにしています。
歌詞は断片的で、分かりにくく、書き方や内容も分裂症気味になっているのも、歌詞を担当したピート・シンフィールドらしくて面白いと思いました。
20世紀に書かれた歌詞が21世紀を暗示していますが、現代の世界が抱える問題、戦争、格差やストレス障害などがかかれています。
※この曲は不協和音が多用され、かなりどぎつい曲なので、感覚が鋭い人は、注意してください。
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Twenty First Century Schizoid Man
words by Pete(r) Sinfield
music by Fripp, Giles, Lake, McDonald & Sinfield
猫の足、鉄の爪
神経外科医たちが「もっと」と叫ぶ
偏執狂患者の毒がしみついた扉
21世紀の精神分裂症患者
血のついた拷問台、有刺鉄線
政治家どもを火葬する薪の山
ナパーム弾の炎で焼かれる罪なき人々
21世紀の精神分裂症患者
死の種、分別のない者の強欲
詩人は餓え、子どもたちの血
彼らが欲しいもの、真に必要な物など何ら手に入れられない
21世紀の精神分裂症患者
訳:半兵衛
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(King Crimson - 21st Century Schizoid Man (Live at Hyde Park 1969)
