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シリコン・バレーの人々のつながり

DTさんが子育て支援について書いていましたが、シリコンバレーは人々を助ける様々なネットワークがあるようです。

シリコンバレーは人の流動性が激しく、アメリカの他州や外国から入ってくる人々も多いのです。こうした人をすぐ受け止めて効率よく仕事をしてもらうために、ネットワークが発達しているのだと思います。インド系や中国系の移民ネットワークは特に有名で、シリコン・バレーの名前のシリコンは半導体、すなわち集積回路 IC (Integrated Circuit) のことを指しますが、実はIndianとChineseの略だというジョークもあるほどです。インド・中国系の団体は会員数は数百人から3千人以上のものまであるそうです。ネットワーク団体は、ビジネスのことはもちろん、外国人向けのビザの取得の情報提供をしたり、またDTさんが書いたような生活上のネットワーキングも手厚く行っているのだと思います。

競争が厳しく労働流動性が激しいシリコン・バレー。でもそこは単純な殺伐とした競争社会とは違うようです。ビジネスは厳しいのでしょうが、外部の人々が入りやすくするためのネットワーク団体があり、そうした仕組みがまた多くの人を引き付けるのではないかと思います。

MJ

企業紹介:First Solar (ファースト・ソーラー)

名前:First Solar, Inc. (ファースト・ソーラー)

web:http://www.firstsolar.com/

市場情報:NASDAQ上場(FSLR

本社:米国アリゾナ州Tempe

歴史:1999年に設立、2002年に商業生産開始、2006年株式公開。1999年にはウォルマートのオーナーであるウォルトン家から資金を調達。生産容量は2005年には25MW(メガワット)とだったものが2006年に100MW、2007年には308MW、そして2008年には716MWを達成し、売り上げでも世界第2位に。今でこそ名だたる太陽電池企業となったが、一時期会社を畳みかけることになり、NREL(アメリカ国立再生可能エネルギー研究所)に研究資金を出してくれるようお願いせざるを得なくなったこともあるそうです。

特徴:製品はCdTe(カドミウム・テルル)という材質を使った薄膜太陽電池。2008年にグリッドパリティーの目安といわれるWあたりの生産コストが1ドルを切り、太陽電池業界で費用が一番安いといわれ、ベンチマーク的な存在。CdTeは毒であるカドミウムを含むので売上金の一部を保険会社の管理において、リサイクルのための資金を確保するシステムを打ちてています。(グリッドパリティー:電力会社から電気を購入するのと太陽電池で自家発電するのとコストが一緒になるあたりの、太陽電池の価格)

関連記事:
Technology Review によるFirst Solarの記事
First Solarの会社概要(2009年第1四半期)(PDF)



突然思い立ってはじめましたが、少しずつ企業紹介をしていくことにしました。まずは(シリコンバレーではないですが)太陽電池ベンチャーの成功物語、ファーストソーラーです。次回はDTさんが書いてくれた「人のつながり」について書いてみようかなと思います。
MJ

シリコンバレーの子育て

初めての子供を、アメリカで出産したのが昨年の9月。もうあと2ヶ月足らずで1歳の誕生日です。この出産で、私はシリコンバレーの良さを再確認したといっても言い過ぎではありません。子育てというのは、母親と父親が全力疾走しながら毎日を送っても、決して手が足りることなく日々が過ぎていくものだということを知りましたが、そんな中で私を支えてくれるのは、シリコンバレーのネットワーク社会です。

私が出産したのは、El Camino Hospital。Hospital of Silicon Valley と自らを位置づける私立の病院ですが、この病院の出産にまつわるあらゆるサービスの良さは、想像を大きく超えたものでした。
この病院のモットーは、シリコンバレーというコミュニティのために資する病院というものです。
出産前に参加が勧められる準備クラスは、すべて母親と父親の出席を前提としてプログラムされており、開始時間は午後6時以降。定期的な検診とは別に、両親が段階的に出産に関するさまざまな情報を蓄えられるようになっていて、特にChild Birth Preparation というクラスでは、出産の流れや緊急事態の説明から、陣痛が父親がおきたらすべきこと、時間外なら駐車場はここ、といった具体的な情報までカバーされます。

産後のケアは素晴らしい患者本位体制で、出産した患者がいかに快適に回復し、母乳で安心して乳児を育てられるかということに徹底的に腐心してくれます。出産産後の病院滞在は、人生でこれほど丁寧にあらゆるニーズを満たされたことはないと思えるほど、滞在者中心のサービスでした。

そして特筆すべきは、退院後のサポート体制です。
日本でも母乳育児が勧められていると思いますが、何もかも自然にうまくいくような印象とは正反対に、母乳育児にはいろいろな困難がつきものです。
出産直後に衰弱したまま睡眠もままならず2-3時間おきの授乳を3ヶ月から6ヶ月あるいはそれ以上続ける母親とそれを支える父親には、相談できる場所が不可欠です。
そうしたニーズに応えるコンサルティングサービスや、引退した専門看護婦による週一回の無料講習会など、えてして孤立して精神的にも体力的にも追い込まれがちな、新米両親をサポートするネットワークがあるのです。

こうして出産前後に連携したネットワークの中に身をおくことで、自然と同じ境遇のカップルや母親同士が知り合って、自然発生的にPlay Groupと呼ばれる赤ちゃんと母親の遊び仲間が形成されます。
そのグループでは、一緒に定期的に集まって子供を遊ばせるだけでなく、ベビーフードの作り方から、育児所、また不足の事態に備える弁護士など、育児に関するあらゆる口コミ情報が交わされます。

全米のみならず世界中から人々が集まり、バレーで起こっているイノベーションに参画することが前提のコミュニティーは、こうした温かなネットワークによって有機的に変化に対応していくのだということを目の当たりにしています。

DT