20150223-2

I Musici

ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (125a)
ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 (125b)
ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 (125c)
セレナーデ 第 6番 ニ長調『セレナータ・ノットゥルナ』K.239

1983年録音
レーベル:Philips

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

Wikiによるとイ・ムジチは日本での人気が高く、特にヴィヴァルディの「四季」に関しては1995年時点の日本において、6種の録音の合計で280万枚のセールスを誇り、3回目の録音は日本で初めて(レコードとしては今も唯一)の、クラシック音楽でのミリオンセラーを記録したそうです。
このモーツァルトの演奏も、疾走感がありながらも何となく上品、そしてイタリアの楽団らしい明るさが感じられ、安心して聴ける1枚だと思います。
単純明快な楽しい演奏、それは正にディヴェルティメント(語源はイタリア語の「divertire(楽しい、面白い、気晴らし)」)なのですが、深みを求める向きには少しあっさりしている演奏に聴こえるかもしれません。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ディベルティメント3曲は、残響が豊かな分、ほんの僅かに音の輪郭が甘いかも知れません。
それでも弦楽陣の弓使いが見えるかのような再生音には、清澄な静寂が背景に感じられ、上質な響きを楽しめる仕上がりです。
『セレナータ・ノットゥルナ』は更に素晴らしい録音で、ティンパニの響きにも明瞭で明確な音の粒立ちが感じられ、ディヴェルティメントで感じた音の輪郭の甘さも全くないと思います。
やや音像は中央に集まり気味ですが、CD黎明期の録音には何かとセパレーションが不自然に良すぎるものが多い中、自然な音場展開とも言えます。

残念がらこのアルバムは廃盤ですが、Amazonでは中古の取り扱いがあるようです。

モーツァルト:ディヴェルティメントK.136~K.138 / セレナード第6番K.239/マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
¥2,097
Amazon.co.jp
20150223

Dmitrij Kitajenko指揮
Gürzenich-Orchester Köln(ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団)

2007年録音(ライヴ)
レーベル:Phoenix Edition

キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管によるプロコフィエフ交響曲全集のDisk5です。
(全集は5枚組Box)

演奏 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ドミトリー・キタエンコがケルン・ギュルツェニヒ管を最初に指揮したのは1987年だそうで、このプロコフィエフを録音した当時でさえ、既に20年来の関係があった訳です。
とてもエネルギッシュな演奏には、ライヴならではの臨場感があります。
スペキュタクラーさを全面に押し出した演奏でもありますが、決して乱暴でもドライヴし過ぎでも無いように思え、或る意味、単純にプロコフィエフを楽しめる演奏に感じます。
近年のチャイコフスキーのチクルスなどは、この頃のキタエンコ、ケルン・ギュルツェニヒ管の演奏と比べると随分と大人しくなったようにすら思えたりもします。

録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ライヴを通しで録音されているようで、楽章間にはステージノイズも聴き取れますが、とても実在感の高い、そして温度感の高い録音です。
演奏のストレートさと同様に、音響的愉悦を直球勝負で挑むかのような再生音には、音圧レベルが高いこともありますが、波動がビシバシと伝わってきます。
音の切れや立ち上がりも鮮やかで、見通し感の良さはSACDかと思える程のレベルです。
打楽器の胸のすくような響き、コントラバスの量感あるタイトな響きなどは特に特筆できるのではないかと思います。
聴衆ノイズは皆無と言って良く、終演後の拍手も収録されていません。

残念ながらボックスセットは廃盤で、単独アルバムも見つけられません。
これほどの演奏ですし、そんなに古い録音でもないのに、やはりクラシック音楽のアルバムは廃盤になる確率は高く、その時期も早いですね...。


20150219-5

Emanuele Torquati (p)

田園舞曲 作品1
4つのバラード
アルバムの一様『ウィーンの想い出』
スケッチ
リヒャルト・デーメルの詩による4つの幻想曲 作品9
『ガラスの心臓』よりメヌエット
一筋の光(1902年第2版)

2014年録音
レーベル:Brilliant

演奏 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

エマニュエル・トルクァーティは1978年ミラノに生まれた男性ピアニストで、近年急激に国際的な認知度を高めているそうです。
使用しているピアノはジャケット等に記述がないのですが、彼のタッチはとても透明度が高いながらも硬質感は低く、その音色にはまるで美しい水晶球が浮遊しているかのような視覚的なイメージを持つことが出来ます。
余り演奏されることもなく、私も初めて聴くツェムリンスキーのピアノ曲ですが、最初期の田園舞曲などには古典派的な感触さえあり、実際にはマーラーよりも11歳も年下で、1871年生まれのツェムリンスキーですが、数少ないピアノ曲には彼の純粋さを想わせる様相があります。

録音 ☆☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

正に『音の粒立ち』が感じられる録音には、高い潤い感が溢れています。
左右への広がりも良く、音像はちょっと目線から上の位置に定位はしますが、それが却って音の見通しの良さを印象付ける結果ともなっています。
トルクァーティのタッチの賜物かもしれませんが、高域にもキツさを感じさせることはなく、音数が増えても混濁感を発生させない録音です。
特にゆったりと静かに弾かれる際の音色の美しさは特筆できると思います。

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