20150218-4

Alexander Liebreich指揮
Polish National Radio Symphony Orchestra(ポーランド国立放送交響楽団)

Lutosławski - 管弦楽のための協奏曲
Szymanowski - カスプロヴィチの詩による3つの断章 作品5(フィテルベルク編管弦楽版)
Ewa Podleś (Cont)

2014年録音
レーベル:Accentus Music

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ポーランド国立放送交響楽団、国営ではありませんが、NHK交響楽団と似たような立場のオーケストラだと思われますが、ルトスワフスキの楽曲を聴いていると、やはりヨーロッパのオーケストラはレベルが高いと感じます。
実際にN響を生で聴いたことは無いのですが、巧くても旨味がない印象を私は持っています。
しかしヨーロッパの放送響などにそんなことを感じることはまずありません。
自国の誇る作曲家の趣向が凝らされた楽曲を気負いなく、それでも自負を持って演奏している印象を受け、ルトスワフスキの演奏だけなら5つ星です。
『カスプロヴィチの詩による3つの断章』は、元々はピアノ伴奏付きの歌曲をラトビア出身でユダヤ系ポーランド人のヴァイオリニスト、作曲家、指揮者であるグジェゴシュ・フィテルベルクが管弦楽版に編曲したものです。
中々面白い楽曲なのですが、コントラルトのエヴァ・ポドレシュの声を張り上げるような歌唱は余り私の好みではありません。
1952年生まれの彼女は1984年にメトロポリタン・オペラにデビューした有名歌手のようですが、張り上げた歌声には悪い言い方ですが年増女のアクを感じます。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

深い落ち着き感がある木質系の静寂を背景に、適度に鮮やかな音の立ち上がりが感じられます。
定位はよく、奥行き感にも不足のない録音には、穏やかながらもオーケストラの響きには十二分な厚みを感じることも出来、鋭利ではない音の輪郭が好ましく感じられます。
シマノフスキでの楽曲ではコントラルトへのフォーカス感もよく、オケとのバランスも良好です。

(画像をクリックして頂くと、HMVの当該サイトにリンクしています)
 
2015年 2月22日(日)
開場14:15 開演15:00
兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール

下野 竜也 指揮

吉松 隆 - 朱鷺によせる哀歌 作品12
Prokofiev - ヴァイオリン協奏曲 第 2番 ト長調 作品63
Zia Hyunsu Shin (vn)
Dvořák - 交響曲 第 7番 ニ短調 作品70

今回のPACの定期演奏会は珍しくも現代音楽、しかも日本の作曲家の作品から始まりました。
ヴァイオリン協奏曲との間合いに下野さんが今回の選曲に関してコメントされていましたが、彼なりに「お国もの」の色合いのある楽曲を選んだそうです。
初めて聴く1953年生まれの吉松隆の楽曲は、現代音楽らしい「響き」を楽しむような楽曲だと感じましたが、正直良くは分かりません。

2年前、同じPACの定演でコパチンスカヤのソロで聴いた事もあるプロコフィエフの第2ヴァイオリン協奏曲、今回は1987年生まれの韓国人女性ヴァイオリニスト、シン・ヒョンス(WikiではHyun-Su Shinと記述されていました)をソリストに迎えての演奏、少し線が細いと思いましたが、冒頭のソロも繊細で力任せの演奏を決してしないデリケートさが好ましく感じられました。
オーラ満載と言えるほどの圧倒的な技術とは言えなかったかも知れませんが、オーケストラとの融和も感じられる良い演奏だったと思います。
アンコールにはパガニーニの24のカプリースから第24番を演奏してくれました。
しかし流石は韓国女子、八頭身は確実、ひょっとすると九頭身かと思えるほど頭が小さくて、すらっとしていましたね。

そしてメインのドヴォルサーク、下野さんの事前の話では師であるブラームスを意識した重厚さを目指した楽曲との事ですが、それでも第3楽章、第4楽章はドヴォルザークらしさが全面的に感じられる楽曲でした。
今回もPACの演奏には真剣さ溢れる演奏でしたが、ホルンは残念ながら気になるミスも少なくはなく、ヴァイオリン協奏曲では珍しくもカスタネットがはっきり分かる失敗もしていました。

しかしながら今回最も記憶に残ったのは、稀に見るほどの聴衆マナーの悪さでした。
実はいつもすぐに眠りこけ、いびきを響かせるおばさんは欠席でした。
「今日は大丈夫だな」と安心していたのですが、残念ながらありとあらゆる聴衆ノイズが私の席の周りで量産され、演奏に集中できませんでした。

あめ玉おばちゃんは毎度の事ですが、演奏中にバッグのファスナーを思いっきり閉めるノイズ、演奏中にペットボトルの水を飲みむせるおばさん、彼女はあめ玉おばちゃんでもありましたが、演奏を聴きながら何度も水を飲むなど、私にはとても信じられません。
最も驚いたのは演奏中に洟をかむ方がいた事で、私にとっては初めて経験したノイズです。
終始ざわついた雰囲気で、演奏中にプログラムをめくってノイズを出す方も...。
恐らくノイズを量産していた全ての聴衆は定期会員だと思われ、本当に残念に思いましたし、聴衆マナーはどんどん酷くなっているように思います。
若いPACのメンバーを応援するために定期会員になられるのは良い事だと思います。
しかしマナーを守れない、或は知らないで定期演奏会に足を運ぶ事は、オーケストラのメンバーや指揮者に対して失礼でさえあると思います。

ホールの職員の方は演奏前に飲食の禁止やあめ玉のノイズの事を比較的大きな声で注意していましたが、全く分かってもらえていません。
はっきりと、演奏前に指揮者の方から注意をしなければ、自らの行いがマナー違反である事を全く理解できない方々が増えている事、ホールの関係者にも理解して欲しいと思います。

今回は流石に酷かったので、兵庫県立芸術文化センターのHPのアンケートに聴衆マナーに関して、指揮者の方から事前にしっかりとお話しいただく事をお願いしました。
実現されると嬉しいのですが...。
20150219-3

Fabio Bonizzoni指揮
Capella Cracoviensis(カペラ・クラコヴィエンシス)

モテット『歌え、主の御前に新しき歌を』 BWV225
モテット『御霊はわれらが弱きを助け給う』 BWV226
モテット『おそるるなかれ、われ汝とあり』 BWV228
モテット『来たれ、イエス、来たれ』 BWV229
教会カンタータ 第157番『われを祝福し給わずば、われ汝を離さじ』 BWV157
モテット『イエス、我が喜びよ』 BWV227
モテット『もろもろの国よ、主をほめ讃えよ』 BWV230

2014年録音(ライヴ)
レーベル:Alpha

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ファビオ・ボニッツォーニはイタリアを代表するチェンバロ、オルガン奏者らしいのですが、このアルバムでは指揮に徹しているようです。
各パート4名の編成から成るカペラ・クラコヴィエンシス、その編成から得られる繊細さがとても素晴らしいと思いますが、やや女声に較べて男声が控えめに感じられ、ちょっとバランスは整っていないように感じます。
通奏低音はチェロ、コントラバス、オルガンそれぞれ一人ですが、チェロの存在感も薄く感じられます。
良い意味でも悪い意味でも生身の人間の『肉声』を感じる演奏です。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です

すべての楽曲が終わり拍手が沸き起こるまでライヴであることに気が付きませんでした。
それ程の静寂感がある録音で、場の雰囲気はあるものの、明確なステージノイズや聴衆ノイズはありません。
残響も豊かな部類と思いますが、編成が小さな合唱のため、音の見通し感は優れています。
演奏スタイルからか、上述のように男声の存在感がやや低いですが、不自然さを感じるほどではなく、小さなホールのかなり前の席で聴いているかのような実在感もあります。

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