20150310-2

Vilde Frang (vn)
Jonathan Cohen指揮
Arcangelo(アルカンジェロ)

ヴァイオリン協奏曲 第 1番 変ロ長調 K.207
ヴァイオリン協奏曲 第 5番 イ長調『トルコ風』K.219
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
Maxim Rysanov (va)

2014年録音
レーベル:Warner Classics

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

第1協奏曲の冒頭から、豊かで優雅さが感じられるアルカンジェロの響きがとても美しく感じられ、フラングの軽やかで愛らしさが薫るヴァイオリンの音色もモーツァルトの協奏曲にはとても合っていると思います。
協奏交響曲は、個人的には余り掴めていないと言うか、楽曲の魅力が良く分かっていなじかったのですが、フラングとリサノフの演奏だと、とても分かりやすかったりします。
寄り添うかのような二人の演奏は、ヴァイオリンとヴィオラという楽器の違いから音域の差は明白ですが、その音色の質が近似していることもあり、微笑ましげな光景が目に浮かぶかのようです。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

豊かな残響がオーケストラの響きに優雅さを与えている録音だと思います。
音の輪郭はその分少し甘いかもしれませんが、ヴァイオリンやヴィオラへのフォーカス感も悪くはなく、フラングの可憐さがある音色、リサノフの優しい眼差しを思わせる響きに曇りを生じさせていはいません。
定位はよく、殊に協奏交響曲でのヴァイオリンとヴィオラの定位が抜群で、中央に寄り添うような位置関係で再現されるのも二人の音色の親和性をより印象づける結果に結びついています。

(画像をクリックして頂くと、HMVの当該サイトにリンクしています)
20150304

Mariss Jansons指揮
Royal Concertgebouw Orchestra(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)

ノヴァーク版

2012年録音(ライヴ)
レーベル:RCO

ヤンソンス&ロイヤル・コンセルトヘボウ管によるブルックナーの第6、第7交響曲を収めた2枚組アルバムのDisk2です。
Disk1交響曲 第 6番 イ長調 WAB106もご参照下さい。

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

コンセルトヘボウ管の巧さが光る演奏だと思います。
ライヴとしての疵は全くないと言え、弦には靭やかな美しさが、木管には豊かな音色が感じられ、金管群にも落ち着きのあるゆとりのある響きが感じられます。
良い意味での楽曲の素朴さをそのまま表現しているかのような演奏で、不足を感じさせる場面もありませんが、「これだ!」と言えるようなコンセルトヘボウ管ならではの魅力が明白とまでは言えず、やはりヤンソンスの没個性化は否めません。

録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

SACDハイブリッド盤です。
少し音場は中央に集まり気味に思え、左右へのワイドな広がりには物足らない印象です。
奥行き感はそこそこありますし、音の切れや立ち上がりも鮮烈ではないものの自然な感触がありますが、音響的には目を見張る部分は見つけられません。
決して悪い録音ではなく、ライヴとしてのノイズも極めて少なく、聴衆ノイズは感じられませんし、終演後の拍手も収録されていませんが、SACDとしての特徴が感じられるような録音でもありません。

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2015年 3月 8日(日)
開場13:30 開演14:00
兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホール

J. S. Bach
平均律クラヴィーア曲集 第1巻 BWV 846‐869

先月のアーポ・ハッキネンのチェンバロ・リサイタルに続き、今月はアメリカ人奏者、ケネス・ワイス(Kenneth Weiss)のリサイタルに足を運びました。
ケネスの手元がしっかりと見える位置の席で、コンサートで鍵盤奏者の手元を見ながら聴いたのは初めてでしたが、鍵盤楽器を弾けない私ですが、それでも何となく新鮮でした。

最初のプレリュード、一音一音の響きを確かめるようにややゆっくりと奏でるワイスのチェンバロにはとても繊細な響きが感じられました。
このテンポだと長いリサイタルになるなぁと思っていましたが、それ以降は殊更遅いテンポでもなく、端正さを感じさせながらもその指さばきに迷いを感じない演奏でした。

バッハらしい荘厳さは残しながらも、堅苦しさを感じる事はなく、どちらかと言うとかなり分かりやすい演奏に思えましたが、そんなに平均律を聴いている訳ではないので...。
最初はやや線の細さを感じたチェンバロの響きにも、休憩以降の後半ではしっかりとした音の芯と響きの広がりが感じられ、熱演と言えるような感情移入が見て取れる演奏ではないワイスでしたが、内なる自信と手応えを徐々に得ていったのではないかと思います。

平均律の後にアンコールはないだろうと思っていましたが、聴衆のアンコールに要求に、再度第一番のプレリュードを弾いてくれました。

使用したチェンバロは先月のハッキネンの時と同じものだっと思います。
ワイスの確かな演奏でバッハの平均律を生で楽しめた経験は、かなり貴重なものでした。