20150305-2

Paweł Kamasa (p)

7つの幻想曲 作品116
3つの間奏曲 作品117

2012年録音
レーベル:Dux Recording

1963年生まれのポーランド人ピアニスト、パヴェウ・カマサが「ブラームス後期ピアノ曲集」として作品116~119番を収めた2枚組アルバムのDisk1です。

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

とても透明度の高い、そして硬質感やソリッド感のないロマンティックなカマサのピアノで聴くブラームスの晩年のピアノ楽曲には、落ち着き感のあるロマンティックさが漂います。
とは言えやはりブラームス、透明な中にも濃厚さは匂わせ、その濃厚さの絶妙な感触がカマサのピアニストとしての力量と感じます。
しかしながら作品116番の第1楽章などには、これまたブラームス特有の胸を掻きむしられるかのような悲痛さが残っている楽曲だと思うのですが、カマサは少しあっさりしています。
それを晩年の作品としての解釈として正当なものとして受け取るか、少しの物足りなさと感じるかは人それぞれでしょうが、兎にも角にも瑞々しい演奏です。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

すぅ~っと広がる水平線、しかしながらもそれは大海のものではなく、比較的大きな湖の様相をイメージする穏やかな広がりが感じられる録音です。
豊かな残響がピアノの音色に高い潤い感を与え、硬さを印象付けないカマサのタッチも相まって、水の流れを感じさせるような美しい再生音です。
弱奏時の響きは特に美しく、ロマンティックさを高める結果ともなっています。
低域の波動はこれ見よがしではありませんがしっかり感じられます。
鮮やかさは控えめかもしれませんが、しっとりとした情感が楽しめる録音です。

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20150305

Itzhak Perlman (vn), Daniel Barenboim (p)

ヴァイオリン・ソナタ 第25番 ト長調 K.301 (293a)
ヴァイオリン・ソナタ 第26番 変ホ長調 K.302 (293b)
ヴァイオリン・ソナタ 第27番 ハ長調 K.303 (293c)
ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K.304 (300c)

1983年録音
レーベル:Deutsche Grammophon

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

仲の良さそうなジャケットの二人、パールマンとバレンボイムは同世代のイスラエル人としての波長が合うのか、男性同士ですが、何となくお似合いの二人に思えます。(バレンボイムはアルゼンチンの生まれですが、イスラエルに帰化しています)
爽やかさを感じさせる明るい調べのモーツァルト、パールマンとバレンボイムの語り合うかのようなアンサンブルがとても美しく聴こえます。
疾走感も適度にありますが、モーツァルトがまだ若い22歳の頃に書いた作品としての若々しさ、弾むような煌めきは少ないかもしれません。
個人的にはもう少し若さをイメージできる演奏のほうが好みですが、録音当時、既に確固たる地位を確立していたパールマンとバレンボイムの演奏には、正統派で奇をてらわない安定感と安心感があると思います。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

iTunesの聴取記録に拠ると、このアルバムを前回聴いているのは2008年の8月15日ですので、今のスピーカー、カンタベリーが我が家にやってきて早々の頃です。
手前味噌ですが、それ以降の我が家のオーディオ機器の充実が何となく感じられる印象で、当時はそんな風には感じていなかったのですが、今聴くととても滑らかで奏者の想いが感じられる再生音との感触があります。
残響は比較的少なく、ピアノの音色にも少し硬質感が残っていますが、全体的な雰囲気には十全な落ち着き感と、精細でありながらも刺々しさのない響きがあります。

私の持っている単独のアルバムは廃盤のようですが、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第24番以降の16曲を収めた4枚組ボックスは今も販売されています。
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20150304-2

Smetana Quartet

弦楽四重奏曲 第 1番 ホ短調『わが生涯より』
弦楽四重奏曲 第 2番 ニ短調

1976年録音
レーベル:DENON

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

日本ではアルバン・ベルク四重奏団とともに20世紀を代表する弦楽四重奏団としての地位があったと記憶しているスメタナ四重奏団。
個人的にはやや毛羽立った感触に、味わいはあるものの響きが好みでなかったりしました。
しかし今回久々に聴き直してみると、その毛羽立ちは殆ど感じられません。
それでも『わが生涯より』に関しては、少しきめの粗さを否めませんが、第2番の演奏はとても素晴らしいと思います。
質素だけれども上質な人肌の感触がある弦楽器の響きが感じられ、アンサンブルにも穏やかさを基調とした大人の雰囲気が宿っています。
現代の弦楽四重奏団のような緻密さ、そして都会的に洗練されたアンサンブルとは全く異なる感触ですが、滋味のある演奏だと感じます。

録音  ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ジャケットに『PCM DIGITAL』と大きくロゴが入っているアルバムは、デジタル録音黎明期のものですが、かなり素晴らしい録音です。
Wikiによると世界で初めて実用デジタル音楽録音を実現したのは日本コロムビア(DENON)だそうで、先駆者たるにふさわしい立派なデジタル録音です。
録音も第2番の方が優れており、艶ややかで滑らかな感触がありながらも、静寂さは一級品、そして弦楽器の木質感がしっかりと伝わってくる実在感があります。

2010年にBlu-spec CDとして再発売されており、それは今も現役盤です。
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