(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

74.2.someとany

 

someとanyは、よく前者が肯定文、後者が否定文と疑問文で使用され、someが疑問文で使用される時は、相手に“yes”の答えを期待しているときである、ということが言われますが、必ずしもそうではありません。

 

(1)Would you like any coffee?

(2)Would you like some coffee?

 

(1)は、「コーヒーならとにかく何でも」すすめているニュアンスに対して、(2)は、日本語で言えば「ちょっと」に当たります。

 

前回、someには「数は分からないけれどもいくつか」という説明をしましたが、可算名詞だけでなく不可算名詞に付いた場合は、「少量の」「ちょっと」の意味になります。

 

また、anyを肯定文で使用する時に関して、Longmanの第二義を見てみましょう。

 

(2)used to refer to a person or thing of a particular type when what you are saying is true of all people or things of that type

 

つまり、「ある特定の集合全体」を指します。

 

(3)Anyone can do it!

 

と言えば、「誰でもそれを出来る」という意味になります。

 

 

 

(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

74.someとseveral

 

ともに、数えられる可算名詞の前について「いくつかの~」という訳で使われますが、ニュアンスは異なります。

 

Longmanによるとsomeは、第一義に次のように記述されています。

 

(1)a number of people or things, or an amount of something, when the exact number or amount is not stated

 

つまり、「正確な数は不明だがいくつかの」ということになります。

いっぽう、severalは、次のように記述されています。

 

(2)a number of people or things that is more than a few, but not a lot

 

ここでは、少数でもなく多数でもないという説明で、「おぼろげながらある程度の数」を認識していることになります。

 

(3)I need some pens.

(4)I need several pens.

 

(3)では、「数はどうあれペンが数本欲しい」というニュアンスで、(4)は、「4~5本か5~6本程度欲しい」というニュアンスになります。

 

 

 

(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

73.禁止を表わすmay not

 

許可を求める場合、疑問文でmayを使用することが多くあります。

 

(1)May I go home?

(2)Yes, you can.

 

それに対して、mayで答えると高圧的(いわゆる上から目線)に響くことがあるので、canを使うことが望ましいとされています。

 

また、may notという表現は、場合によっては2通りに解釈されます。

 

(3)You [may not] go.(行ってはいけません)

(4)You may [not go].(行かないでもよろしい)(安井、1996:185)

 

通常は、(3)と(4)は、それぞれ次のように表現をします。

 

(3)' You must not go.

(4)' You don't have to go.(ファーマルな表現ではYou need not go.)

 

余談ですが、52年前の「High School English」という、かつて大学受験生向けに出版されていた雑誌に、次のような例が出ていました。これは、禁煙車両で喫煙していた客に対する車掌の表現です。

 

(5)You may not smoke.(~してはいけません)

(6)You must not smoke.

(7)You shall not smoke.

 

最初、(5)のように紳士的に丁寧な形でやんわりと注意しても聞き入れられなかったので、次に柔らか味の無い(6)を使用して注意したものの、まだ喫煙をやめようとしなかったので、最終的には、法律文の「煙草をすうべからず」というほどの強いニュアンスを持つ(7)を言って、ようやくその喫煙者は煙草を消した、というエピソードが紹介されていました。mayとmustとshallの持つ機能の一端を見た例です。

 

 

(参考)

小野嘉津男(1964)「助動詞交差点 may not~must not~shall not~の表わすニュアンス」『High School English』1964年9月号p48~49.

安井稔(1996) 『改訂版 英文法総覧』 (開拓社)