(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

92. 「探す」とsearch

 

「~を探す」という英語は、会話では通常look for~がよく使用されます。

 

(1)I'm looking for my bag.(私は自分のカバンを探しています)。

 

他にも、searchを使うことがありますが、次の2文はどう違うでしょうか。

 

(2)I'm searching my bag.

(3)I'm searching for my bag.

 

searchを他動詞として目的語を直接置く場合は、「探す場所」が来ます。

一方、search forとして使用する場合は、「探す対象」が来ます。

つまり(2)は、「私は自分のカバンの中を(何かを見つけるために)調べています」となり、

(3)は、(1)と同じ意味になります(ややフォーマルなニュアンス)。

 

なお、search A for B(Bを見つけるためにAを探す)という熟語もあり、

「私はカバンの中の財布を探しています」なら、次のようになります。

 

(4)I'm searching my bag for the wallet.

 

他に、形のないもの(知識など)を探す時はseek(-sought-sought)、学問などを探求したり未開の地を探検する時はexploreを使います。

 

(5)He sought some advice from his instructor.(彼は自分の講師からアドバイスを求めた)

(6)They explored the interior of Tibet.(彼らはチベットの奥地を探検した)

 

(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

91. 「わかりません」とI don't know

 

質問に答える時、わからない時ははっきりと答えるのは重要ですが、その時よく日本語話者は、I don't know.を使いがちです。

間違いではないものの、元々はknow(知っている)の否定形なので、「知らない」のニュアンスが強く、唐突に使うと失礼に響く場合があります。少なくとも、

 

(1)Well, sorry, I don't know.

 

のように、少し考えてsorryの一言を加えるなどすると良いでしょう。

 

他の表現としては、

 

(2)I'm not sure.

 

があります。これは、「確実ではない」というニュアンスで、答えに自信が無い時に使えます。唐突に言っても問題はありませんが、Well...やLet me see...を入れると、より理想的です。

 

(3)I have no idea.

 

は、「全く分からない」「見当もつかない」という場合の表現です。Oh, などという間投詞を入れて使えば良いでしょう。

なお、質問への答えだけではなく、「全く想像もしなかった」と言いたい時にも使えます。例えば、

 

(4)A: I changed jobs last month .(私は先月転職しました)

         B: Oh, I have no idea!(それは全く知らなかった。予想もしていなかった)


のように、I haven't expected that! などと言わなくても伝わります。

なお、「転職する」change jobsは、「列車を乗り換える」change trainsや「握手をする」shake handsなどのように、名詞に複数形のsがつくことに注意する必要があります(jobでいえば、前職と現職の2つあるからです)。

 

 

(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)

 

90. 「変わらぬ想い」におけるought to

 

今回は、1984年にジョージ・ベンソンが歌い、1987年にはグレン・メディロスが、2006年にはウエストライフがカバーをした、Nothing's Gonna Change My Love For You(変わらぬ想い)を取り上げます(対訳はこちら)。

 

この曲のサビで何度も繰り返される、次の部分に注目しましょう(訳は筆者)。

 

Nothing's gonna change my love for you

(あなたへの愛は決して変わりません)

You ought to know by now how much I love you

(今までにあなたをどれほど愛したか、知ってくれたらいいな)

※ought toの発音は、「オラ」のように/t/の音が「ル」に変化するといういわゆる「フラップT」の現象が起こります。

 

このought to know は、「知ってくれたらいい」と意訳しましたが、直訳すると「知っていたほうがよい」という感じです。「~したほうがよい」というと、had betterを思い出す人も多いですが、had  betterは「~しないと大変なことになる」というかなり強いニュアンスが入っています。例えば、大けがをした人に対して、

 

・He had better go to the hospital!

(彼は、病院で治療か入院しないと大変だ) 

 

のように使うことは可能ですが、日本語の「~したほうがよい」というやわらかなアドバイスには適切ではありません。そこで登場するのが、should及び今回取り上げるought toです。shouldというと、「~するべきである」という意味で覚えている人が多く、確かにその意味でも使用されますが、「~したほうがよい」というやわらかなアドバイスにも使用されます(もちろん、口調にもよりますが)。

 

shouldとought toは交換して使用も可能ですが、ought toはshouldよりも客観性が強く、理由付けがあるというニュアンスです。この歌詞では相手への愛情をあえて抑えて客観的なought toを使用することで、内に秘めた強い思いを表現していると思われます。

 

筆者の演奏