第1位 国盗り物語
国盗り物語〈1〉斎藤道三〈前編〉 (新潮文庫)/新潮社
¥788
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司馬遼太郎『国盗り物語』(全四巻、新潮文庫)
歴史小説を読んでみたいけれど、なにから読んだらいいの? という方におすすめなのが『国盗り物語』。歴史小説の中でも人気のある戦国時代の、しかも最も重要な織田信長を描いた長編。前半は信長の舅にあたる斎藤道三の物語で、後半は道三の二人の弟子とも言うべき信長と明智光秀の物語となり、ライバル関係を軸に展開していきます。
第2位 たそがれ清兵衛
たそがれ清兵衛 (新潮文庫)/新潮社
¥620
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藤沢周平『たそがれ清兵衛』(新潮文庫)
一方、歴史を描くというよりは、江戸時代など、歴史を舞台に自由に物語を描く時代小説と言えば、なんと言っても藤沢周平。特におすすめなのが、短編集の『たそがれ清兵衛』です。山田洋次監督の映画を先に観るのもいいですし、観ていなくても、さえない男が実は秘技を身につけていたという展開に、夢中にさせられること請け合いです。
第3位 伊賀忍法帖
伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(3) (講談社文庫)/講談社
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山田風太郎『伊賀忍法帖』(講談社文庫)
さらわれた妻、篝火の行方を探す伊賀忍者の笛吹城太郎。しかし操を守るため首を斬って自害した篝火の首は別人の体と、体は別人の首と繋がれてしまっていて……。エログロが苦手でなければぜひ読んでもらいたいのが、奇想天外な忍法合戦を描くこの「忍法帖」シリーズ。ぶっ飛んだ発想と濃厚な世界観は、一度読むとやみつきになります。
第4位 ながい坂
ながい坂 (上巻) (新潮文庫)/新潮社
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山本周五郎『ながい坂』(上下、新潮文庫)
藩にはびこる不正と戦いながら出世していった下級武士の三浦主水正。耕作地を増やすために、堤防を作る大工事に取り掛かったのですが……。どんな困難にも負けず、迷い苦しみながらでも前に進んでいく三浦主水正の姿は、読者に勇気を与え、感動させずにはおきません。ヒーローではなく、人間が描かれているからこそ胸を打つ名作。
第5位 剣客商売
剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)/新潮社
¥620
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池波正太郎『剣客商売』(新潮文庫)
時代小説に痛快さを求めているなら、おすすめなのがこの「剣客商売」シリーズ。秋山小兵衛とその息子大治郎という親子の剣客が江戸の町にひそむ悪と戦う連作小説です。清濁併せ呑むような小兵衛と、とにかく真面目な大治郎の対照的なキャラクターがユニーク。田沼意次の妾の子で、美女ながら男装している剣客、佐々木三冬も魅力的。
第6位 一命
一命 (講談社文庫)/講談社
¥500
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滝口康彦『一命』(講談社文庫)
『一命』としてリメイクされた、小林正樹監督の映画『切腹』の原作「異聞浪人記」など全6編を収録。ユーモアや痛快さが求められることの多い時代小説の中で、滝口康彦は侍として生きることの苦しみを描いた作家。理不尽なことがあっても、侍として生きるには流儀を貫かなければならないのです。その覚悟に胸打たれる傑作時代小説集。
第7位 あかね空
あかね空 (文春文庫)/文藝春秋
¥672
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山本一力『あかね空』(文春文庫)
京都で修業を積んだ豆腐職人の永吉。大きな夢を抱いて江戸へ来たものの、上方のやわらかい豆腐は江戸の庶民の口にあいません。永吉が職人肌で豆腐作りに妥協をしないだけに、かえって商売はうまくいかず……。武士ではなく、庶民の生活を描く時代小説として一際目を引くのが、この『あかね空』。下町の人情あふれる直木賞受賞作です。
第8位 赤穂浪士
赤穂浪士(上) (赤穂浪士) (集英社文庫)/集英社
¥720
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大佛次郎『赤穂浪士』(上下、集英社文庫)
取り潰された赤穂藩の四十七士が、亡き主君の仇を討つため吉良上野介邸へ討ち入りする『忠臣蔵』の定番ながら、忠臣を意味する「義士」ではなく「浪士」として描き、本当の忠義とはなにかが問われ続けているところに面白さのある作品。虚無的な浪人堀田隼人や大泥棒蜘蛛の陣十郎など架空の人物も暗躍する、読み応えたっぷりの長編。
第9位 漂砂のうたう
漂砂のうたう/集英社
¥1,785
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木内昇『漂砂のうたう』
明治になって武士の身分がなくなり、生きる道をなくした定九郎は根津遊廓で働き始め……。時代小説はあまり心情を描かない客観的で乾いた筆で書かれることが多いですが『漂砂のうたう』は幻想的で文学的な筆致で書かれていることに特徴があります。好みは分かれそうですが、怪談風のおどろおどろしい雰囲気がたまらない直木賞受賞作。
第10位 桜田門外ノ変
桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)/新潮社
¥620
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吉村昭『桜田門外ノ変』(上下、新潮文庫)
黒船がやって来たことで尊皇攘夷が叫ばれるようになり、国を憂う水戸藩士らは、大老、井伊直弼の暗殺を計画して……。キャラクターの魅力やストーリーの面白さではなく、歴史そのものの魅力を味わわせてくれる作家と言えば、やはり吉村昭。記録文学に近いかたい筆致なので、読みづらさはありますが、それが独特の魅力を生んでいます。
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