(6月に来日するMETオーケストラ)


今日から6月ですが、5月は厳選して13公演を鑑賞しましたが、名演・快演ばかりで、唯一の駄演がカーチュン指揮の日本フィルのマラ9でした。多くの方がカーチュン&日フィルは良いと言っていたのに、とても残念でした↓。


この5月から7月にかけては、海外オケの来日公演が少ない上に、オケのクオリティも秋に比べるとやはり落ちてしまいます。今年の5月から6月の主要な海外オケの来日は、5月に先日のモンテカンロ、6月はMETオーケストラ、7月はハンガリー・ブタベスト響くらいでしょう。これは秋の海外オーケストラ・ラッシュ(昨年は8つの海外オーケストラ聴きました)に比べて、数とクオリティ面でかなりの差があります↓。


では、なぜ5月から7月にかけて海外オケの来日が少ないのでしょうか。10月と11月に集中して来日されるよりは、分散して来日された方が良い面もあります。「芸術の秋」だからこの時期が多いと言うのは表向きの理由のようで、裏事情はあるようです。


1. 国内事情で言うと、海外オケの日本ツアーは地方公演含めて構成されている場合が多く、地方公演の多くは自治体または自治体所有のホール主催が多いです。東京の音楽プロモーターが地方に海外オケ公演を売って、採算が取れるように、来日公演を組みますが、地方公演の主催者が自治体予算なので、予算の執行が新年度初めの4月からになります。そのため、4月から広報開始〜チケット販売〜コンサート本番までとなり、9月から11月がベストなコンサート期間になります。もちろん、前年から告知して、4月や5月に公演は可能ですが、その場合は2カ年の公演事業計画を起案してから精算までの様々な役所のプロセスがあり、少し手間がかかるので、秋のコンサートが増えるようです。


2. 海外(特にヨーロッパ)で言うと、イタリアの夏休みは6月中旬から、ドイツは州によって異なりますが、早くて6月下旬から夏休みです。5月や6月はシーズン閉幕に向けてのガラや特別なコンサートなどが多く、日本に来るスケジュールが取りにくいですし、オケの事務局側もシーズン終了時の精算業務などを完了してから夏休みに突入したいので、5月か7月に来日公演する余裕がないのです。さらに、7月からはヨーロッパ各地で音楽祭が始まりますので、6月はきちんと休みたいと言う楽団員もいるでしょう。そのため、この時期の来日公演が少なくなると、ヨーロッパのオケの関係者は言ってました。日本に詳しい弦楽奏者は「日本の6月と7月はRainy Seasonで湿気が多いだろう」と言う意見もありました。ただし、この6月に関しては、ロイヤルオペラとMETオーケストラが現地でのシーズンが終わった後に、日本に駆けつけてくれるのは有り難いですし、6月の鑑賞する公演(約12公演)全て素晴らしいと思いますので、とても楽しみです。ちなみに、来年7月はドゥダメル指揮・ベルリンフィルが来日する予定があります。曲目はチャイ5などが予定されてますが、野外コンサート中心らしいので、野外はパスしようと思います。