今回は久々に【くらえもん的ドラえもん解説】の第3回ということで、短編より前回のコメ欄でも少し触れました『自動販売タイムマシン』を取り上げたいと思います。この作品は1975年の小学6年生12月号に掲載されておりました。藤子F不二雄先生は小学館の学年詩においてすべての学年において『ドラえもん』を連載していたのですが、各学年に応じて話の内容が違いまして、小学6年生に掲載された作品は割と高度な内容を取り扱ったりしております。
それでは例によって、以下ネタバレ注意!!
カメラを買いたくてコツコツお金をためていたのび太はパパからタバコ(チェリー)を買ってきてくれと頼まれます。 (おつかいのたびにお釣りをごまかしてためていたのび太、いきなりチャンス到来か?)
「一万円札持ってくなら、よろこんで行くけど。」
(さすがのび太(^▽^;))
はい。もちろんパパに怒られます。というわけで100円玉を持って100円のタバコを買いに行くのび太でした。 (100円のタバコを一万円札で買って、どうやってお釣りをごまかすつもりだったんでしょうかね?千円札をこっそり一枚抜くとか?さすがにばれそうですが・・・。いや、パパ相手なら・・・。)
しかし、タバコ屋は定休日。 (このまま100円玉をネコババするのか?)
嬉しそうに帰宅したのび太でしたが、パパはタバコ屋の横に自動販売機があるはずだから買ってこいと。 (残念でしたねぇ。) そこで、のび太はこう言いました。
「ドラえもんに行かせよう。」
(おいっ∑(゚Д゚))
しかし、部屋にドラえもんはおらず、代わりに謎のマシンが置いてあるではありませんか。見た目は自動販売機風で、コインの投入口とレバーとスイッチらしきものとマイクらしきもの、それから目盛がついていて「1933」と書いてあるではありませんか。 (私であればこんな怪しい物体に触ろうとは思いませんが・・・。)
のび太は勇敢にもチェリーが出てくればいいなと100円玉を投入。
(チェリーが出てこなかったら100円はどうする気なのでしょうか?まさか貯めていたお金から切り崩すのか??)
なんと、出てきたのは大量のチェリー!!
(ざっと見た感じ20箱くらい出てきたようです。)
パパはびっくりしましたが、どうやら今のチェリーと箱のデザインが違うようです。100円でなぜこんなにたくさん買えるのか不思議がるパパに対して、のび太は
「いちいちうるさいな。」
(のび太も混乱しているのでしょうか?それにしても口のきき方が悪い。)
そこで、のび太はこの機械を使えばなんでも出てくるのではないかと考えるわけですが、ちょうどママがインクを買ってきてくれと頼みに来ます。 (さぁ、再現実験のチャンス到来です。都合よくインクが出るのか?それとも実はタバコ専用自動販売機なのか?)
またもインクの瓶が山のように飛び出してきたー!!!
(キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!)
ママに持って行ったところインク1瓶30銭の値段のようです。 (のび太はこの時250円使ったので833瓶出てきたのでしょうかね?ママのところに持っていった分を見ると100瓶強といったところのようですが、まぁいいです。)
一方、パパの客人が先ほどのチェリーを見て、これは昭和初期のデザインで当時の値段は1箱10銭だったと告げます。 (ということは1000箱出てきたのかな?でも、出てきたのは20箱くらいなので実際は2円分・・・。謎ですねぇ。まぁ、いいです。)
そこで、 「わかった!!」と超太文字で叫ぶのび太
「むかしの物価が安かった時代から、品物を買ってこれるんだ(⌒▽⌒)」
(のび太レベルの小学生でも「むかし=今より物価が安い」という認識だったんですね。今の小学生にむかしは物価が安かったと知っている子はどれくらいいるのでしょうか?しかし、このひらめきと想像力には脱帽です。)
そして、今の貯金でもカメラが買えるかもと全財産225円のうち200円を投入。 (チャレンジャーですな。)
「むかしほど安いから、う~~~んと大むかしに」
(目盛をずっと下げるのび太。やはり「むかし=物価が安い」という認識なのは間違いなさそうです。)
しかし、何も出ません。
(アレ?まさかやってしまった?( ̄□ ̄;)!!)
インチキ!と泣き叫ぶのび太の横からドラえもん登場して一言。
「奈良時代にカメラがあると思う?」
(ワハハハハハ(-^皿^-) なんと目盛は741年を指しておりました。さすがのび太。しかし、200円は戻ってこないのか?)
残金25円ののび太だが、1925年なら25円でカメラが買えるだろうとドラえもんが提案。 (ドラえもん、よくカメラの当時の相場が分かりますねぇ。)
そして念願のカメラをゲットしたのび太はカメラ屋へレッツゴー。しかし、カメラ屋さんが非情な言葉を発します。
「この型のフィルムはもうどこにもないですよ。」
(ワハハハハハハハハ(‐^皿^‐) このオチが素晴らしい。いや、まったくそうなんですが。奈良時代のミスをしている手前、次はうまくいくかなと思わせておいて、盲点を突く。さすがです。)
しかし、ドラえもんから金儲けに使うなよと言われたのび太が、これを利用しないわけがない。しずかちゃんやジャイアン達から前金をもらい、安値で仕入れた文房具やお菓子を高値(といっても今の相場よりかなり安い値段)で売りさばき、大金(2000円くらい?)を手にします。 (これ、結構問題ありますよねぇ。こんな道具が存在したら簡単に価格破壊が起こりそうです。未来では金儲け目的の使用が禁止されているのかな?)
そこで、天才的なのび太は今まで食べたことのないものを食べたい。この機械を使えば未来のものも買えるはずだ、ということで「百年後のおかし」を注文します。 (お金を入れる前に商品が出てきましたが、後払いも可能な自動販売機のようですね。)
↑キラキラのケースに入ったこんな感じのお菓子が出てきます。
「うまい!!こんな味は初めてだ!一つぶごとにジーンと心にしみる味だ。」
(本当にうまそうです( ̄∇ ̄)。藤子F不二雄作品に出てくる食べ物のうまそうなこと、うまそうなこと。のび太も泣きながら食べています。ジーンと心にしみる味とはどんな味なのでしょうか?)
しかし、みなさん察しの通り、自動販売機が代金を請求するのですが、なんと23万円!!!
(ワハハハハハハハハハハハハ(‐^皿^‐) すごいインフレですね。しかし、1975年前後は年率10%近いインフレでしたからね。2075年ごろにはお菓子の値段も23万円になっておかしくないと思われていたんでしょうね。)
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ここで、話は終わるのですが、どうやってのび太は助かったんですかね?ドラえもんもちょくちょくタイムマシンでどこかに行っていたのが謎ですが。ドラえもんの未来は22世紀だから、もっと物価があがってると思われるのですが、のび太の孫の孫のセワシのお年玉は50円しかないとのこと。こ、これではお菓子どころか何も買えねぇ・・・。そりゃ自分の境遇を変えるために過去にドラえもんを送り込みたくなるのも分かります。
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