「しかし、何で今までロックの話をしなかったの?すごく詳しそうなのに。」
絵里が机越しに顔を近づけて聞く。
「いや・・別に・・。今みたいに話題にならなかったから・・・。」
実は、百合耶はかなりのヘビメタ好きだ。その上、ミリタリーオタクなのだ。彼女の周りのブランド物を纏う、お化粧上手の可愛い同級生たちに胸をはって言える話では無い事を自覚している。
「まあ、いいじゃん。そしたら決まりだね。」
絵里が満足げに言う。
「何が決まり?」
百合耶が聞く前に小夜子が携帯からばっと顔を上げて嬉しそうに絵里に聞く。
「ライブハウス行こ。くそ兄貴に客を呼んでくれって頼まれてたの。どうせどヘタな演奏聴かされるんだから、あんた達誘ったら悪いかなーって思ってたんだ。」
「悪くない、悪くないよー。サヨも行くぅ!」
小夜子が俄然と張り切っている。