百合耶は男の子とおしゃれをする事に興味が無い訳ではなかったが、彼女の本当の趣味はちょっと変わっていたので、それを表に出す事もなく由香よりもっと親しくなった加納小夜子と亀田絵里と休み時間に世間話をするのが通常になっていった。
昼休みの教室は仲のいい生徒たちが机を寄せ合ってそれぞれに食事をしている。弁当の匂いが教室中に漂いだす。夏休み前の蒸し暑い教室の中は空調があまり効いていないようだ。
「はー、何か良い事ない?」
幼稚園児サイズのお弁当を食べて、小夜子が呟いた。
加納小夜子はくりっとした愛くるしい瞳でぽっちゃりした頬を膨らましたり窄めたりして、絵里と百合耶に顔を向ける。